第70話 誰がこんな事を…(切原家/父親・母親視点)
切原家のリビングでは父親と母親が一通の手紙を前に固まっていた。宛名は書かれていないものの、これはかつて息子がイジメをしてきた相手から送られてきたものだと判断することが容易にできるものであった。
手紙をペーパーナイフで切り、中に封入されている手紙を取り出すと母親と父親は食い入るように見た。
内容としては小学生、中学生と受けてきたイジメについて一言一句生々しい描写がされているところだ。
文章からはどこか悪意を感じる。他にも少しの狂気を感じるような内容だった。そのため不気味に思った父親はすぐに捨てようとしたのだが、母親がそれを止めた。
「どうして止めるんだ。」
「この手紙はいじめを受けていた子からの手紙のはずよ。それを捨てて忘れようだなんてできないわよ。」
「…そうだとしてもだ。この手紙はさっさと捨てておきたい。まるで呪いのようなものを感じるんだ。」
「呪いもクソもないじゃない!!これは私達親の責任でもあるのよ?私達が息子だったら大丈夫って思って仕事に専念し続けて、放置し続けた結果がこれなんだから。私達が放置したことはもちろん悪いし、あの子も悪い。でもあの件をきっかけにして多少は良くなったじゃない。」
「多少はな。全て解決したわけでもないし、それにすべてが終わっているわけでもない。結局卒業してしまってからは問題の解決が図られることはないし、お蔵入り状態じゃないか。」
「だったらその手紙をゴミ箱に捨てずにとっておきましょうよ。そうすれば私達家族にとって良い教訓になる。あの子だってイジメはもうしていないはずよ。」
「イジメをしていないかなんてわからないじゃないか。俺はあの一件のせいで色々なやつに失望されたんだ。同僚からは『仕事に打ち込むのは良いけど、家族を疎かにするのはダメだよな…』みたいな感じで責められるし、親父からも色々なことを言われたよ。」
「だったら…」
「でもな、別にそんな見えるものを抱えておく必要はないんだ。だからそれはゴミ箱に捨てておこう。」
「はぁ…私は別にいいのだけど本当に良いの?この手紙に書かれてある最後の文章を見てちょうだいよ。」
「なんだ?何か恨み言でも書かれているのか?」
「いやそうじゃなくて…とにかくこれをみて。」
「なんだ?『母親もしくは父親自ら息子に甘い対応をせずに、厳しい対応をするならば最悪の事態を引き起こさない』?つまり処分を下だせとでも言っているのか?」
「あなた…どうしたほうが良いと思いますか?息子に処分を下すなんて以ての外ですから絶対にやりたくないのですけど…ですがこの渓谷通りになったらと思うと私…」
「大丈夫だ心配しなくて良い。こんな手紙を送ってくるってことは住所くらいは知っているのだろうけど、どうせここまで確認しにきたりはしない。それに来たところで処分を下した稼働なんてわからないだろうからな。」
「本当に大丈夫か心配です…どうにかなりませんかね?」
「う〜ん…できることと言えば、とりあえずは防犯カメラを使うことくらいかな。防犯カメラを使って不審な人物が写ったなら、その人物の事を不審者として警察に突き出してしまえばいい。」
「そうですね!!さっそくそうしましょう!!」
そうして切原家も中野家同様…処分を下すことはなかった。
この判断が吉と出るか凶と出るか…そんな事はわかりきっている。
イジメをした者達を庇う人もイジメをした人間と同罪だ。イジメをした人間共々いづれ悲惨な目
にあうだろう…
それが数年…数十年先だとしても…
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いつも応援してくれてありがとうございます!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
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