第67話 第一歩
父さんの店から出た後、俺はお祖父ちゃんの家に戻るためなるべく早く歩くことにした。周囲には昼間だからか沢山の人が歩いていた。
お祖父ちゃんの家まではここから数十分かかるものの、走れば数分で家につくことができるだろう。だが、走ったりすればこの人混みだからぶつかったりするのは目に見えている。
「…ゆっくり歩いて帰るか。これだけ人が居たら結局走って帰ろうとしても難しいだろうしね。」
俺はゆっくりと歩きながら、周囲を観察することにした。周囲を見てみればお祖父ちゃんと一緒に歩いたことのある商店街は、お店が入れ替わっていたりシャッターが降りていたりしていた。そして新たにスーパーができていたりしていた。
「こんな所にスーパーがあったのか。全然知らなかったな…」
そうしてゆっくりと歩きながらお祖父ちゃんの家へと向かっていた時、見覚えのある人物がこちらに向かって歩いているのが見えた。
「あれは…中野じゃないか。俺の事をイジメていた張本人の一人だ。それなのにあんなに笑いながら過ごしてるなんて…」
俺の数メートル前にいる中野は隣りにいる男達と一緒に笑いながら話しているようだった。だがここで話をするなんて馬鹿なことはしない。自分から話しかけたりするなんて以ての外だ。なぜならそもそも話すだけ無駄だからだ。
あいつらの事はいじめられていたから、よく観察していた。なにかあいつらの弱点になるものはないかと思って殴られたり、蹴られたりしている間も一挙一動観察をしていたのだ。
その結果得られた情報はたくさんある。
中野は自分の事に関して干渉されたりするのを極端に嫌うのだ。それがたとえ一緒にイジメている仲間であっても、殴ったりすることがあるからそれは利用することができるかな…と思っていた。
そして中野がよくつるんでいたのが、切原という男だ。こいつはとんでもない屑だ。高校になってからのあいつは全くしらないけど、中学校で唯一周囲の大人や同級生から「こいつやばい」と思われたやつだろう。
中学1年生にして暴行事件を起こして、親を学校に呼び出され…中学二年生のときには修学旅行先で問題行動を頻発し、平気で犯罪行為もするようなのが切原という男なのだ。
だからこいつらが一緒に並んで歩いているあいつらは、なんとか避けて行ったほうが良いだろう…
そうして俺は視線を絶対に合わせないようにしつつ、歩いていった。周囲には沢山の人もいるため中野と切原はこちらに気づかなかったようだ。
「ふぅ…良かった。とりあえずさっさと家に帰ろう。」
俺はようやく問題なく歩けるようになった歩道を、小走りで走り出した。
最近運動をしていなかったから、走るのは少し疲れた…でもなにか問題が起きなくてよかった。それこそ中野や切原が俺に気づいていたら、どうせ面倒なことになる。
「でもいづれはアイツラにも俺の事をイジメた代償を支払ってもらうぞ。とりあえずあいつらに代償を支払わせるためにあれを送るか。」
あいつらは糞で屑でどうしようもない存在だが、両親はまともなのだ。なんでそんな風になったのかと疑問に思うほどだったが、1度中野の両親と話をしたことはある。
中野の両親は子供である俺に土下座をするほどの人間で、おそらくこれを送ればかならず対処してくれるだろう。それと手紙を同封しておかないとな…
「よし。お祖父ちゃんの家についたらあれをポストの中に入れに行くか。」
もしかすると対面してしまうかもしれないけど、それくらいのリスクは被らないといけないだろう。
復讐の第一歩の幕開けだ。
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
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