第65話 絶対零度の視線
「は?つまり教頭先生がお前のことを庇ったってことか?」
「その通りだよ!!教頭先生のお陰でこうやってなんとか生活できているよ。それに、色々と配慮してくれるおかげでなんとかやってるよ。お父さんは何も知らないみたいだけどね。」
「待て…そもそもどうして教頭先生が庇ったんだ?それよりも…校長先生はどうなっているんだ?あれ以来一回も電話が来ていないのは何故なんだ?」
「校長先生なら今頃警察から取り調べを受けているんじゃないかな?少なくとも数週間は外に出れないかも?」
「どういうことだ。一体何故そんな事になっているんだ!!」
「さぁ?何週間も前のことだからあんまり覚えてないよ。でもこれだけは言える。あの人がいなくなって学校は多少いい方向に変わってったよ。」
校長が居ない?一体どういうことなんだ…警察から取り調べを受けているって、一体何をやらかしたんだ…
「まぁ良い…それで?イジメの方の話を詳しく聞こうじゃないか。」
「…この際だからはっきり言っておくけど、俺は父さんと母さんにこの話を聞いた後に変なことを言われても従ったりしないから。もし俺が拒否しているのに、それ以上なにかしてくるようだったら…それこそ校長先生と同じ末路をたどるかもよ?」
警察に電話する…ということだろうか?というか眼の前にいる息子は本当に息子なのか?
今まで見てきた息子は、俺や母さんが言ったことにはほとんど文句を言わずに従って達成することが難しいものを言われてもどうにかして達成するか、それに代わるような成果を上げてきた子だった。
それに朝食を作ってくれていたときだってそうだ。あれは確か自主的に始めてくれたことのはずだ。まぁあれはあれで嬉しかったけど、この眼の前にいる息子は息子ではないんじゃないか?沿う感じざるをえない。
「お前は…一体何者なんだ?お前は俺の息子じゃないだろ!!」
「はぁ?なにを言ってるのさ。俺は正真正銘あんたの息子だよ。今じゃ恥ずかしくて絶対に言えないけどな。あんたは自分の息子の事を庇ってやることも、助けてやることもない血も涙もないクソ野郎だよ!!あんたのせいで俺がどれだけ苦しんだと思ってるんだ!!」
「たとえ苦しんだとしても、あんな状況で助けると思うか?良いか?元々お前は問題を多く起こすやつだってのは理解していた。イジメの件について長らく中学生時代揉めていたよな?結局卒業するまで解決しなかったよな?そんなお前のことを信用できるか?」
俺がそう言うと、突然今までの表情から一変して叶斗はこちらを睨みつけてきた。
「そっか。じゃああんたは俺に信用がないから、俺の事を助けようともしてくれなかったんだな?」
息子の目が冷たい。俺の事を睨んでいるその目は絶対零度のごとく冷え切っていた。そしてその視線は俺の眼をまっすぐと捉えていた。
「その通りだ!!今まで一階も問題を起こしてなかったり、そういうのを起こしてなければ味方してただろうよ!!だがな、今まで小学生から始まって何年俺たちの頭を悩ませてきたと思ってるんだ!!」
俺がそう言うと一段と冷え切った視線を俺に向けてきた。
「そうなんだ。本人の事情も何もかも知らないでよく言えたよね?俺もさ、事情を話してこなかったりしたのは悪いとは思うけど、あんたのほうが最低だよ。俺はあんたのことを軽蔑する。」
息子の言葉の真意がわからない。
「事情を話してこなかったのには理由があるとでも言うのか?」
「当たり前じゃん。母さんもあんたもいつもいつも店のことばっかりだったじゃないか。愛華のことだってほとんど俺に任せて、店って…そんなに子供に関心がないのか?だから俺はこう思ってたんだよ。せめて父さんと母さんに迷惑をかけないようにしようって。それでどんないじめを受けたって酷いことをされたって言わなかっただろ?あれはな、時間を割かせないようにしてたんだよ。」
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
後一話で終わる…かも?
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