第64話 そうだとしても…(父親視点)

「声だけでも気づいてくれると思ったけど、父さんってやっぱり俺のことはそんなに大切に思ってないみたいだね。」


そういってこちらに向いたのは冷たい視線をこちらに向けてくる息子だった。これほど冷たい視線を浴びせられたのは父さんにもない…


「…」


「だんまりなんだ。まぁ良いや…お祖父ちゃんに電話をするのやめてくれないかな?お祖父ちゃんすごい困ってるんだけど。」


「電話をかけているのは事実だから、なにも言わない…でも、俺は父さんに迷惑をかけるほど電話をかけたりはしていないよ。」


「嘘をつかないでよ。父さんがお祖父ちゃんに毎日毎日電話をかけているの知ってるんだよ!!父さんのせいでお祖父ちゃんも苦労しているんだよ。それくらい大人なんだから分かってくれよ!!」


叶斗にこんな風に言われるのは、数週間前に家を出て言ってしまった時以来だ。あの時は驚愕で口を開くこともできなかったけど、別に今はあの時ほどの驚きはない。


「あのな。俺も苦労しているんだよ。今この店がどうなっているかわかるか?赤字経営だよ。赤字になっても店を開け続けなければ、結局のところお金を稼ぐことすらできないんだ。そんな状況でいつも援助をしてくれた父さんが、援助をやめてしまったせいでこんな状況になってるんだよ!!」


実際父さんが援助を辞めなければ一応まだ黒字経営を保つことができていただろう。俺には経営の才能がないのかもしれないけど、それでも黒字経営にすることはできていたのだ。


「お祖父ちゃんの援助を期待して自分で店の環境を改善するなり、経営の部分を一から学び直してみてどうすれば経費を削減することができるとか考えないの!!そういう所を考えて、成果を出せて初めて頼んだりするものじゃないの!!」


いくら息子といえど、父親への礼儀がなっていないな。これは許せない…礼儀に関しては人一倍教えたのにどうしてこうなってしまったんだ。


「今はそこを話しているのではない!!」


「何を言ってんだよ!!俺の言ってることが間違ってるか?経費削減くらいどんな店だってやってるだろうし、どんな企業でもやってるよ!!でも父さんがそんな事をしている姿は少なくとも俺は見たことないよ!!」


経費やら何やらは母さんに任せているから、俺はほとんど何も知らない…それどころかあんまり俺は経営に関する知識を持ち合わせていない。


だが俺なりに努力してきたものを否定されるのはとてもイライラする。努力してきたものを否定されたのはこれで何回目だろうか…


「うるさい!!それよりここに入ってくるな!!お前は店に入ってくるな!!」


この店の厨房を使って前は料理をしてくれた思い出がある。他にも自宅の厨房を使って朝早くから出る俺と母さんのために、料理を作ってくれたこともあるがそんな事はあの事件の前に霞む。


「大体イジメの話はどうなったんだ!!その事件はまだ解決していないんだろう?」


そう…あのいじめの話を忘れる訳にはいかない。女の子をイジメたという話を知った時、俺や母さんがどんな思いをしたか…まだ分かっていないのだろうか?


「なんだ…まだ教頭先生から話をもらってないんだ。それとも教頭先生が話をしていないだけなのかな?」


もしかして…進展が合ったのだろうか?だったら何故もっと早く教えてくれないんだ!!


「進展があったらこちらにも知らせるべきだろう!!全く…それでどうだったんだ?」


「当たり前だけど、俺の事を擁護してくれたよ。俺はそもそもイジメなんてしてないからね。」







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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!


ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!


リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜


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