第60話 最悪の事態

授業の方を再開した先生のことを見送った後、俺は再び教頭先生につられて他の教室を見に行くことにした。他の教室でも同じように授業をしていて、特に1年生の教室は俺が学校に来ていた時の記憶以上に笑い声などが響いていた。


そして問題の俺がいた教室だが…なんとも言えない雰囲気になっていた。授業の内容自体は別におかしいわけでもないし、特段先生が酷いことをしているというわけでもない…というより先生は、授業を盛り上げようとしているように見えた。


先生は面白い話をなんどもしているようだったが、どうも受けが悪いのか反応は悲惨なことになっていた。


「…今ってこんな風になってるんですね。」


「あぁそのとおりだ。それとこれは知ってほしい話なんだが、君がこの学校に来なくなった時から、なんでもイジメが流行りだしたようでね。クラスの雰囲気は最悪。授業もまともに受けることが難しくなっているようなんだ。」


「先生の所に相談してきた人はいるんじゃないですか?」


「そうだね。私の所に『いじめがあるのでなんとかしてください!!』って言ってきた女子生徒がいてね…その子の頼みを聞いて今は証拠となるようなものを集めている際中なんだ。」


「…それじゃあそのイジメているやつが、我妻の件も関わっている…んですかね。」


「いや…その可能性は限りなく低いだろう。なにせ人のことを貶めて自分に被害が出ないようにする人間だ。上手いこと調整するに決まっている。」


俺の中にはある人物が浮かんでいるが、高校生になってからのあいつは今までのあいつとは違い、多少は大人しくなっていた。つまりあいつ以上に狡猾で、イジメを手動している可能性があるやつが居るということだ。


「現行犯で捕まえたりする…のは難しいですよね。」


「そうだね。本当だったらそれが一番楽なんだろうけど、それをするには色々と労力がかかってしょうがない。だから、私も考えているんだけど…こうやって授業中の見回りだったり、休み時間中の見回りで精一杯だよ。」


「教頭先生にも教頭先生のやらないといけないものがありますもんね。それに今は校長代理を務めているんでしょう?校長の仕事も一緒にやるのはつらくないですか?」


「辛いか辛くないかで言われると、辛い…と言いたいところだが、私が音を上げたりしていてはダメなことは知っているからな。こういうときこそ私が動かなければいけないのだ。」


俺にそういった教頭先生の目は覚悟をしている人の目だった。そんな教頭先生のことを俺は尊敬した。


「…教頭先生そろそろ休み時間になるので俺は見つからない内に帰らせていただきます。」


「そうか。また今度呼び出すかもしれないから、その時はよろしくね?」


「もちろんです。それでは失礼します…」


そういい、玄関まで向かった後すぐに校門を出てあいつらに追いかけられないようにした。最悪のことを想定していたが、そこまではなっていなかったので少し安心した自分もいた。


最悪の事態というのは…平然と授業中にもイジメをしていたり、教師もそれを見過ごしてたり…というような状況だ。まぁ教頭先生がそういう先生を見つけたらすぐに対応をするだろうとは思ってはいるけど…


「それでも少し心配なんだよな…」


俺が登校しなくなったことで俺以外のクラスメイトが、狙われているのかもしれない…そう考えると少し申し訳無さもあった。






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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!


ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!


リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜







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