第57話 和解なんて…
先程、教頭先生から連絡があった。なんでも我妻菜々の両親から和解金を頂いたそうだ。その受取のために1度学校に来てほしいそうだ。郵送なんてとてもできないし、教員を送るわけにも行かないそうだ。
それは当然だろう。もしその運んでいる際中に何かに巻き込まれたりすれば、大変なことになるのは目に見えているのだから…それに、その教員がピンバネしないとは限らないから教頭先生も色々と悩んだ上で、学校に来てほしいといったのだろう。
俺はお祖父ちゃんに一報入れた上で、久しぶりに学校に向かって歩き出した。学校までの道はそこそこ大通りを通る。バスや自転車を使えば学校に早く行くことは可能だけど、俺は歩いていくことにした。
いつも歩きで行っているから、慣れている手段で学校に向かったほうが良いだろうと思ったからだ。そして数十分かけて学校に到着すると、教頭先生は校門の所に立っていた。
「教頭先生お久しぶりです。今までは声しか聞けてませんでしたから、こうやってまたあえて嬉しいです。」
「私もだよ。それじゃあ件の話をしたいから、私についてきてくれないか?」
「わかりました。」
俺は山程の質問を抱えながらも、教頭の後をついていった。教頭先生が立ち止まった場所は、予想していた通りの場所だった。
「やっぱりここなんですね。」
「あぁ。もし気分を悪くしたのなら済まない…でもここしかまともに使える部屋はないんだ。許してくれ。」
「別に気にしてませんよ。教頭先生先どうぞ。」
俺はこの部屋…校長室の扉を開けて、教頭先生に入室を促した。教頭先生が先に中にはいり、俺も後に続いた。そして校長室に設置されているソファーに腰を掛けた。
ソファーに腰を掛けて座り、教頭先生の方を見るとその手には分厚い封筒があった。教頭先生は分厚い封筒を俺の目の前においた。
「これは我妻さんの両親から受け取った物だ。曰く、これ以上事を大きくしてほしくないそうだ。どうする?君の判断で全てを決めることになるけど…」
俺はとても悩んでいた。この金を受け取ってしまえば俺はあいつの事を許さなければいけなくなる。俺自身が許さなかなったとしても、俺以外の他の人間からすれば金を受け取ったというのは俺が相手の提案を呑んだと思ってもおかしくないはずだ。
「すこし…時間をいただけませんか?これだけの大金俺は正直受け取る覚悟がないです。」
「もちろん待つよ。私は1度ここを出ておくから決断できたら答えを聞かせてくれ。扉を数回ノックしてくれたら、多分気づくはずだから誰かと電話して相談してもらっても構わないよ。自分で決断できないなら、信頼できる人を頼るといい。」
教頭先生はそういった後、すぐに校長室から出て行ってしまった。校長室に残されてしまった俺はお祖父ちゃんに電話をかけることにした。
「お祖父ちゃん相談したいことがあるんだけど良いかな?」
『大丈夫じゃよ。それで何を相談したいんだ?』
「その…教頭先生からさ、渡されたんだけど…現金。」
『どういう経緯で渡されたんだ?』
「我妻菜々の両親から、事を大きくしないようにという示談金らしいんだ。でもさ、正直受け取る覚悟がないと言うか…」
『そうか…あの者達も謝罪の気持ちを少なからず持っていたということなんだな。』
お祖父ちゃんはそう言うと、少し息を吐いて続けてこういった。
『そのお金は自分の好きなようにしなさい。受け取ってもいいし、受け取らなくてもいい。自分がお金をほしいと思うんだったら、そのお金を手にとって帰ってきなさい。でももし…許したくないという気持ちがあるのなら、お金は受け取らずにいたほうが良いんじゃないか?』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます