第55話 始まりに過ぎない(他視点)
俺は昔からイジメが好きだったというわけではない。というのも子供の頃から身についた習慣というのは変わりづらく、ほぼ不変のものと言っても過言ではないだろう。
もちろん良い習慣であれば、教師や親から褒められ悪い習慣であれば双方から叱られる…そんな毎日を誰しもが通ってきたはずだ。
しかし、こう言うのもあれだが…俺は昔からやり方がうまかった。自分には被害が及ばないようにして他者に危害を加えることが本当に得意だった。だからこそ今まで先生に注意されたことがあるのは数回しかない。
先生に怒られた数回と、先生から話を聞いて激怒した親からの説教は合わせて10回未満…小学一年から今まで何度も人に対して、直接または間接的に危害を加えてきたがここまで上手くいくとは思ってもいなかった。
俺がイジメという行為を始めてから数年…イジメのターゲットになったやつは大抵心が折れて学校に来なくなり不登校になるか、俺らに対して過剰に怯えるようになるかの二択だった。しかしあいつだけは違ったのだ。
「…君!!あれからアイツのこと見てないけど良いのか?校長先生は警察に連行されてしまったのか、一切学校には来ていないし…結構まずい状況なんじゃないか?」
「心配すんな。警察なんてどうせある程度捜査をしたら、始末書みたいのを書いておしまいだろ。それよりも俺たちは次の計画を練るぞ。あいつがされて一番嫌なこと…それはな、自分の家族に危害を加えられることだ。」
「…まぁそうですよね。大抵の人は自分の家族に危害を加えられることに異常に抵抗しますよね。この前のあいつだって同じでしたもんね。」
「その通り。前回のあいつは…まぁちょっとばかし特殊なケースではあったものの、上手く言っただろう?あれと正直変わらないんだよ。そしてあいつが一番大切にしているのは妹だ。確か…名前は愛華とか言ったかな?」
「へぇ〜その子可愛いんですか?」
「記憶が正しければすごく可愛かったな。何ていうんだ…日本人形みたいだっていうのはあれだが、人形のように可愛かったのは覚えているな。不覚にも恋心をいだいてしまうところだったよ。」
「ハハッ!!どうせ利用するだけ利用して最後にはお別れなんじゃないんですか?」
「さぁ…それはどうだろうな?」
あの子のことを傷つけたら、あいつはどんな表情になるだろうか?絶望の表情を浮かべてくれるのかな?それとも怒りに身を任せて周囲の全てに当たるようなやつになるのか今から楽しみだな…
「やっぱりあんたは最高に狂ってて良いね。俺らがあんたについたのは正解だったみたいだよ。」
「あぁ俺もそう思うよ。でもな…1つ言わせてもらっても良いか?」
「もちろん構わない。それで?なにか聞きたいことでもあるのか?」
俺のイジメを手伝ってくれる…渡辺とか言ったかな?そいつは少し暗い顔をして俺に話しかけてきた。
「確かに俺はあんたについてきて正解だと思ってる。良い思いもさせてもらってるし、すごく良くさせてもらってるからな。でも女に暴力を振るうのは…少し抵抗があるんだ。もちろん男にだったら簡単に拳を振るえるんだけどな。」
「何を勘違いしているんだよ。傷つけるって言ったって何も拳を振るったりするだけじゃないさ。黒金の妹はな、家族以外とはあんまり話をしないんだよ。小学生の時にあいつにべったりだったのを見ているからな。だから確信がある。そしてそういうやつに一番聞く言葉はな…」
俺は少しためてからこういった。数年前にも他のやつで試して、ものすごい成果を上げてくれた魔法の言葉だ。
「嘘だってバレバレでも、何回でも言ってやるんだよ。そうすれば自然と悲惨な結果になるさ。」
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
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