第45話 何もかも失った果てに…(我妻菜々視点)
お母さんは、私のことを蔑むような視線を向けてきた。でもこうなってしまうのはしょうがないことなのだろう…お母さんが私のことをどれだけ大切にしてくれていると言っても、今回のことを許すわけには行かないのだろう。
お母さんはお父さんの部屋に行ったきり、出てこなくなってしまった…お母さんが出てくるその時はお父さんを連れて私のことを糾弾するときだろう。お父さんもお母さんも私のことを許さないかもしれない…でもこれは私の罪なのだ。
私はお父さんとお母さんの話を全て聞き入れる義務があるのだろう…それにそれから起きること全てに対して様々な責任を負わなくちゃいけなくなるだろう…
その責任全てを果たしても…私が許される事は無いだろう。私がしたことは許されることではないのだから…しかし私にだって言わなければいけないことはある。こうなった以上は私もあいつにも破滅してもらわなければ…
そう考えながら、ずっとリビングで待っていると怒りに満ちた表情のお父さんとお母さんがいた。お母さんはお父さんよりも怒っているようで、先程私に数十分怒ったとしてもまだ怒り足りないのだろう…
お父さんも怒っているような表情をしていたが、その表情はどこか私のことを憐れむような表情をしていた。
お父さんは私のことを怒っているけど、怒り狂っているお母さんに怒られることに関しては同情してくれているということなのだろうか?お父さんも内心は絶対に怒っているのだろう…でもそれを隠しているようにも見える。
「菜々。私がいいたいこと…わかる?」
「はい…嘘をついてごめんなさい。」
「今までもそうやって嘘をついてきた時に度々謝っているけどね、結局改善されることはなかったわ。今回だってそうよ。貴方が今までやって来たことが積み重なって出てきてしまったせいなのよ。貴方はこの責任…どうとるつもりなの?」
「…」
「黙ってないで答えなさい。私達はすぐにでもあちらの家に謝罪して、許しを請うばなの。校長室のときに私達が取ったような対応をされても仕方がないのよ。それに加えて、許してもらえるかどうかさえわからないのよ!!」
「…ごめんなさい。」
「ごめんなさいで済むのなら、私達は何度も言ってないわ!!今までの件はまだ家の中だけで片付けることができた…でも今回は他人も巻き込んでしまっているのよ!!家族内での問題であれば、解決できるとしても、家族でない他人を巻き込んでしまっている以上大変なことになるのは明白よ!!」
「はい…」
私は自分のした行為を一生後悔し続けることになるだろう…しかしそれ以前に私が許される時が来るのだろうか?
私はそんな事を考えながら、お母さんの話を聞き続けた。お母さんの怒りはとどまることを知らず、ついには私の頬を叩くようになった。しかしこれも仕方ないのだ…私が嘘をつかなければこんな事にはなっていなかったのだから…
私の頬を叩くようになってからの母の事を止めたのはお父さんだった。
「それ以上するのであれば、見逃すことはできないぞ。自分の娘なのにそれを引っ叩くなんて前時代的な考えだ。それは改めた方がいい。」
「でも…」
「でもじゃない!!自分の娘だからといって叩くのは間違っているんだ!!そんな事をしてしまえば、あの子は傷つくだろう!!たしかに嘘をつかれることを嫌っているのはわかる…でもな、そうやって娘を傷つけるような行為をするのであれば、母親であるお前であろうと許さないぞ!!」
「…ごめんなさい。私が間違っていました…」
「分かってくれたら良いんだ…確かに俺だって彼に謝りに行かなくちゃいけない…あんな事をしてしまったのだから、私は警察に捕まってしまうかもしれない…」
「そんな…」
「だが、警察に捕まったりしても咎められるのは私で十分だ。菜々は嘘をついてしまっただけだし、お前は心無い酷い言葉を言ってしまっただけだ…すべての責任は一番ひどいことをしてしまった俺にある。つまり俺がすべての責任を負って世間から批難されれば良いんだよ。」
お父さんとお母さんは、私のことを最終的に許してくれた。でもこれから彼に会いに行って許してもらわなければいけない…彼が私達のことを許したりしないのは最初から分かっているけど、謝らなければいけないのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
次回が終わったら、再び主人公視点に戻るつもりです!!物語は段々と動いていきますよ!!今後もどうぞよろしくお願いします!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます