第44話 失う信用(我妻菜々視点)

すぐには話すことができなかったものの、うまく話題をそらしながらお父さんとお母さんと話を続けていった。そして話が一段落すんだ時…私はついに自分がついた『嘘』の事を告白することにした。


勇気を出して私はお母さんに話しかけた。お父さんは自室に戻って寝に行ってしまったため、今リビングに居るのは私とお母さんだけだ。


これを狙っていたというわけではないものの、お父さんにこの話を聞かれたら確実に大変なことになると思ったからだ。せめてお父さんではなくお母さんに話をしよう…と思ったのだ。


「ねぇ…お母さん。一つ…謝りたいことがあるんだけど…聞いてくれる?」


「ん?何を謝るの?お母さんに謝りたいことがあるなんて…でもそうやって自分から話してくれるのは本当に嬉しいわ。」


お母さんは私が自分から謝ろうとしていることに感激しているようだった。今までこうやって謝ってこなかったため、お母さんからすればこうやって謝ろうとしてくれるだけで嬉しい…のかもしれない。


「その…この前お母さんとお父さんにイジメられたって言ったでしょ?」


「まさか…その嘘をついたって…」


私はお母さんのその問いに頷いた。お母さんは頭を抱えてその場でうなだれてしまった。


「はぁ…一体なんてことをしてくれたの。そんなこと許されるわけ無いでしょう!!そんな事をしたら、大変なことになるでしょう!!」


私はただただ謝ることしかできなかった。お母さんは私の方を見て、怒鳴り始めた。


「本当に貴方が何をしたかったのかが分からないわ!!あなたは何をしたかったのよ!!私を含めて、お父さんもあの子に対して酷いことをしてしまったのよ!!いつ訴えられたりしても何もできないのよ!!」


実際私も途中から感じていたことだが、彼が私や両親のことを訴えたいと思えば私達家族は大変なことになってしまうだろう…何度も言わせてもらうが、家族が大変な目に合うのだけは私は嫌なのだ…


「本当にごめんなさい…」


「謝る暇があったら、その子の所に謝りに行きなさい!!到底許されるようなものではないし、何を言われても言い訳をすることなんてできないけどね!!貴方を含めて私達家族にできることと言えば、その子に必死に謝って訴訟されないように祈るくらいよ!!こんな事になるのなら、もっと話を聞いておけばよかったわ!!」


お母さんとお父さんは二人共嘘をつかれるのが嫌いといったけど、お母さんはお父さんよりも酷く嘘をつかれることが嫌いだった。お父さんは軽い嘘であったら、ある程度は笑って許してくれる。先程挙げた学校に出さなくちゃいけないプリントを忘れたとかそういった物を出さないでいるのとかがそれに当たる。そしてそういったもので嘘をついたとしても、お父さんは殆どの場合は許してくれたし、お母さんに叱られた私のことを慰めてくれたりもした。


しかしお母さんはお父さん程甘くはないのだ。お母さんが私に嘘をつかれた時、大抵口を聞いてくれなくなる。それはひとえに私が今後嘘をつかないようにするため、私が同じ間違いをしないように親の私が!!と思っての行動だったのかもしれない。


お母さんに嘘を付き、それをバレないようにするのは至難の業であり殆どの場合に隠すことができずに謝ってきた。そして今回も隠し通すのが不可能だと思ったのもこうやって嘘をついてしまったことを謝罪した理由に当たる。


今回の嘘は、お母さんが私のことを大切に思ってくれているがゆえに私が嘘をついたことを疑いもせずにああやって学校に来て、校長に訴えてくれたのだろう。つまり私は大切に思ってくれている家族のことすら裏切って嘘をついていたのだ。


そう思うと申し訳ない気持ちで心がいっぱいになった。でも私が犯したことは許されない好意なのだ…人一人の人生を台無しにしてしまったのだから、親から見捨てられてしまうかもしれない…そうとさえ思った。





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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


次回が終わったら、再び主人公視点に戻るつもりです!!物語は段々と動いていきますよ!!今後もどうぞよろしくお願いします!!


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