第43話 塗り重ねる嘘(我妻菜々視点)
私は彼に両親に自分が嘘をついたということを言うと言ったが、覚悟が決まりきらなかった。理由は至極簡単で両親からの信頼を失うのが怖いのだ。今まで私のことをこんなに良くしてくれていたのに、私がこんなくだらないことをしたと言ったらどうなるか分からない。
それにお父さんはいつも私の学費を稼ぐために、朝早くから家を出て夜遅くに家に戻ってくるのに…こんな風に私のことをいつも助けてくれている人たちの事を裏切ってまで、私はイジメのことを隠していなければいけなかったのだろうか?
イジメのことを隠さなければ、私のことを脅して酷いことばかりしてきたアイツラに何をされるかわからない…かと言って、嘘を言えば両親からの信頼を失っていつもの生活が壊れてしまう…そう思ったのだ。
今の生活を崩したくない…その一心で今まで嘘をついてきたのだ。辛いことがあっても家に帰れば優しく出迎えてくれる母に、休日くらいしかまともに会わないけどその度に私がわからない課題を解いたりするのを手伝ってくれる父の事が大好きだし、大切なのだ。
しかし大切だからこそ、相談できないことの一つや二つもあるのだ。今回の件はまさにそうだ。私が両親に嘘をついてまで得たものは一時的なその場しのぎに過ぎないのだ。
写真を消すと言っても嘘かもしれない…そう考えなければいけないはずだったのに、私はその場しのぎのその案に乗るしかなかったのだ。
その結果がこれだ…
「…嘘をついたことをどうやって言えばいいのよ…お母さんとお父さんが一番嫌っているのは嘘をつかれることだって分かってたはずなのに…今までだって嘘をついても良いことなかったのに…」
今まで何回か両親に嘘をついたことがある。例えば学校から出された課題の提出日だったり、学校に忘れてしまって期限が迫ってきている手紙だったり…そういった物を何回か嘘をついて隠そうとしてきたことがあるが、その度に酷く怒られてしまったことを今でも覚えている。
中学校の時まではイジメなんてされたこともなかったから、高校になってからイジメられるようになって心の何処かで焦っていたのだと思う…そうでなければすぐに両親に相談をすればいいだけのはずだったからだ。
何度も何度も怒られてきて、嘘をつかないほうが良いということは分かっていたはずなのに…嘘をつかなくてもいい状況だったはずなのに嘘をついてしまうほど、私は正常な判断をすることができなくなっていたのだろうか?
「もう…諦めて自分の嘘を言わなくちゃいけないよね。これ以上隠そうとしたって結局はまた嘘を塗り重ねなくちゃいけなくなるだけだし、今以上に酷い状況になるだけだしね。」
私は色々なことを考えながらも、決心を固め両親にすべてのことを話すことにした。両親は仕事の休みのときなどは大抵リビングに居るから、リビングに行けば問題なく話すことが出来るだろう。
そうして私はリビングに行き、両親に話しかけた。
「お母さん…それにお父さん…一つ話したいことがあるの。」
「どうしたんだ?話したいことって…お父さんとお母さんに話してみな?お父さんは菜々の味方だからな!!」
「私も菜々の味方よ!!なにかされているのなら、すぐに連絡をして頂戴!!私とお父さんは貴方のことを絶対に守るから、怖がらずに言って頂戴?」
私が嘘をついていることをこの場で言えるような雰囲気ではなかった。お母さんとお父さんは、てっきり私がなにかしらの相談があると思って居るのだろう…でも実際には私は嘘をついていたことを謝りに来たのだ。
嘘をついていることを到底言えるような雰囲気ではなかったため、私はお母さんとお父さんに嘘をついていることを謝ることができず、その上脅されていることも話すことができなかった。
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
ごめんなさい…うまく入れず次回になってしまいました。すみません…
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