第37話 焦った末に(我妻菜々視点)

私は焦りに焦って、私のことを脅して楽しんでいたあいつに自分から連絡してしまった。けれど何度も連絡しても彼が返信を送ってくれるということはなかった。


返信なんてしなくても学校で普通に話をしたりすることが出来るから、連絡系のアプリにはほとんど答えないとかそういうつもりなのだろうか…そんなふうに考えていると、ようやく返信が帰ってきた。


「…電話に出ろですって?電話をかけてから言いなさいよね本当に…この男面倒くさいわ…」


そう私が言うと、それを咎めるかのように電話がかかってきた。私は自分の心臓の音がドクドクとなり、自分がこいつに恐怖しているのだと気づいてしまった。


恨んでいるし、復讐したいのに…でも恐怖がそれらを全て塗りつぶしてしまうのだ。


「はぁ…はぁ…大丈夫。これは電話越しで彼についての情報を集めるだけなんだから。気にすることなんて何もないし、別にあいつからなにか要求されることなんてないはずよ。あいつはもう私のことを変に脅したりできないんだから!!」


私は発破をかけて、電話をかけた。そして電話越しに居るであろう男に向かって思いっきり怒鳴った。


「私のお父さんやお母さんを使ってさぞかし楽しかったでしょうね!!私のことも滅茶苦茶にして…責任を取りなさいよ!!」


『うわっ!!うるせぇ女だなぁ…将来ヒステリック婆婆になる未来しか見えないぜ…まぁだいぶ楽しめたよ。実に滑稽なショーだったよ。退屈しのぎにはなってくれたかな。』


「退屈しのぎって…この!!」


『おいおい物にあたるんじゃねえよ。責任を取れって言ってもな〜俺はそういう女の子の責任を取れっていうのは無視するタイプだから、電話をさっさと切りたいんだけど?』


「あら…電話を切ればどうなるか分かってるのかしら?授業中にだって何回だって電話をかけるわよ?それでも良いのなら…良いんじゃないかしら?」


『はぁ…お前って本当に面倒くさい女だな。今まで脅して上手いこと使ってきた奴らの中でも軍を抜いてめんどくさいわ。』


「面倒くさくて結構…それで?私の要求は聞いてくれるのかしら?」


『…っち。今回だけだ。だが、それ以上俺のことを頼るのであれば、こちらからも条件を出すことになるが別に構わないよな?俺を頼らざるを得ないような状況なんだからさ?』


「あんたになんて頼らないわよ。今回だった本当は貴方になんて頼りたくなかったんだから…本当ならね!!」


『それで?一体自分のことを脅してきたやつに聞きたいことは何だ?』


「あんたが私に命令した最後のやつよ…あれの対象者と住所を教えてほしいの。」


『クックック…なるほどねぇ〜つまり謝りに行きたいってところか?それだったら止めておくのを推奨するぜ。俺はあいつの性格をよ〜く知ってる。あいつがどんな事を刺激すれば怒るのかとかも全部知っているぞ。』


「どうして謝りに行きたいのを止めるのよ。元はと言えば…」


『元はと言えば俺だが、謝るのだけは辞めておいたほうが良いという話だ。別に謝るのを止めたりするつもりはさらさらないが…あいつの性格をよく知っている俺からすれば命知らずと言っても過言じゃないな。』


「何よ…どうしてあんたがそこまで謝るのを止めようとするのよ。それも教えなさいよ。」


『しゃあねぇな〜あいつはな、小学生の頃から虐められてんだよ。簡単に言えばあいつの心のなかには計り知れない闇が広がっているんじゃないかって、俺は想像しているんだ。つまりだ…自分に対して害を与えてきたやつが、惨めに謝罪をしてきた…その時お前ならどうする?っていう話だ。長年苦しめてきたやつじゃなくても、自分に対して今後も害を与えてくる可能性があるとなれば…思わず手が出るというのも考えられるだろ?』


「…」


『わかったなら謝るのは辞めておいたほうが良いぜ〜ちなみにだが、俺のことを言ったらその時点で今後の関係はお断りだし、それ以上にはならないだろうな。そこだけは気をつけることだ。』


「そこは分かってるわ。それよりもあんたが刑務所から出てきた時の報復の方が若干怖いもの。」


『良く分かってんじゃん。それで?結局謝りに行くの?』


数秒間私は悩んだ…そして私が導き出した答えは…


「…謝りに行くわよ。私が彼に酷いことをしたのは本当だから。何をされたとしてもしょうがないとしか言えないわ。」



























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お陰様で恋愛週間ランキング最高3位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


復讐…といくのでしょうか?これからどんどん面白くしていきますよ!!

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