第36話 どうすれば…(我妻菜々視点)
「不味い不味い不味い…このままだと事実が発覚した時に何も言い訳できずに終わっちゃう…」
私は今までこれほどまでに焦った事はない。今まで確かに色々なことで焦ったことがあったけど、今回はそういう次元の焦りじゃない…今までの焦りとは全く違うのだ。
「どうすれば…謝りに行かないと…でも彼の家は知らないし…」
家を知っている人なんて…一応居るにはいるけど、頼ったら何を要求されるかわからない。でもここで行動しないと…行動しないと私は近い将来本当に…不味いことになるんじゃない?
「はぁ…はぁ…なんであの時に両親に虐められているって言えなかったんだろう…あの時に言えていれば、私がこんなつらい思いをしなくてもすんだのかな…それに彼だって…今みたいな状況にならなくてすんだのに…」
今回の件は私が完全に悪いのだ。面識もないし、恨みを持っているわけでもないのに利用されて彼のことを貶めるような行為をしてしまったのが悪いのだ。たとえ脅されていたとしても、両親に真実を打ち明けて処理してもらうのが正しかったのだ。
「ひっぐ…自分が悪いのは十分にわかってる…でもこんな状況になるなんて思わないじゃん!!だって私は脅されてたんだよ?脅されてたんだから、嘘をついちゃうのだった仕方ないじゃん!!」
私は自分自身を慰めるようにそういった。お父さんとお母さんには聞こえないように小さい声で言っていたけど、もしかしたら途中途中聞こえてしまっていたかもしれない。
私が嘘をついていると今打ち明けても、大変なことになるのは目に見えている…そもそもお父さんは彼に対して手を上げてしまっているのだ。こんな状況で、いじめの話も何もかもが嘘だということになったら、お父さんは…お父さんは警察に逮捕されてしまうかもしれないのだ。
それにお母さんだって、彼にひどい言葉を浴びせたし…私の嘘のせいで家族全員に迷惑を…
私は自分がついた嘘のことを後悔しながらも、必死に策を考えていた。このまま行けば私が嘘をついていることがバレてしまうのも時間の問題だろう…
嘘だということがバレてしまえば、私は両親に嘘をついて殆ど知らない生徒にイジメの疑いをかけた上に、両親は傷害罪だったりで大変なことになる…それだけは絶対に駄目!!
私はどうすればいいか分からなかったけど、一つ決断した。私のことを脅して楽しんでいたあいつのことを言えば私は許されるんじゃないか?そう思い、もし今回の件で追求されれば容赦なくそれを言うつもりだ。
「ふぅ…これで取り合えず嘘をついた理由は確保できた…でもお父さんが殴っちゃったという事実は変わらないし、お母さんが酷い言葉を言ったのも事実…」
私はどうなってもいいから、お父さんとお母さんだけは助けたい…でもその方法がわからないのだ。
悩みが膨れ上がっていくだけで、根本的に解決することはできなかった。
そして翌日…私は学校に行く支度をしていた。学校に行くのには理由がある…1つ目は彼が登校していれば、彼に謝って許しを請うつもりだからだ。もちろん約束どおりではないけど、謝らないよりかは心象も良くなるだろう…という若干の期待もある。
2つ目の理由は私のことを脅して楽しんでいたあいつについて、もっと情報だったり行動パターンだったりを調べることだ。うまく接触して、もう脅したりすることができないようにしめる必要がありそうだ…
正直一つ目の方は、博打に近いのだ…仮に登校してきていたとしても、会うためには上手いこと一人になったタイミングを狙わなきゃいけないし、かと言って教室などに居るという可能性も薄いだろう…私がこんな事態を招いたのだから、教室にいるのではなく保健室…などそこら編に居る可能性が高いと踏んで行動を始めた。
彼が登校しているかどうか…それは下駄箱を見れば分かることだ。しかし私が彼の下駄箱を開けてみてもそこにはゴミが入っていたりするだけで、上履きが入っているということはなかった。
「どうしよう…このままだと本格的にやばいことになる…急いで謝らないといけないのに…」
私の焦りは最高潮に達していた。そして焦りは全ての行動が裏目に出る結果を生み出すことになってしまった。
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お陰様で恋愛週間ランキング最高3位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
時系列は少し戻りますが…楽しく見て行ってくれると嬉しいです!!
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