第35話 心に刺さる言葉(吾妻菜々視点)
私は翌日になって謝罪をするかどうか迷っていた。でも意を決して指定された場所に行っても誰も居なかったのだ。つまり…私にあの時許すと言ったのは嘘だったってこと?
「酷い…私のことを騙すなんて。」
確かに私が脅されていたとしても、親にこの事を相談しなければこんな事にはならなかったのだろう…でも私だって言わなきゃどんな目にあっていたかはわからないのだ。
「はぁ…はぁ…私はやっぱり悪くないんだ。悪いのは私のことを脅して楽しんでいたアイツラなんだ!!」
こうやって決めつけておかないと、私が壊れてしまいそうだ。そうして私はすぐにその場を立ち去って家に帰った。家に帰るといつもどおり、お母さんとお父さんが私のことを迎えてくれた。
「おかえり菜々。学校は大丈夫だったかい?この前のガキみたいに変なやつに付け回されたりイジメをされたりしていないかい?」
「ちょっとあなた…菜々にそういった関係の話はしないって約束したでしょ?あの子だって外面は取り繕っているかも知れないけど、心は傷ついているのよ。イジメられるっていうのはそういうことなの。」
「すまない…菜々もごめんな。」
お父さんとお母さんが私のことを真剣に心配してくれているのに…私は騙しているのか…殺っていることだけを見れば私はとんだ屑野郎だ。
自分の親に嘘をついて騙しているのだ。そしてその嘘の内容が、他人を巻き込まない内容であれば私がすぐに謝って解決することが出来るかもしれないけど、今回はそうは行かない。なぜならもう取り返しのつかないところまで事は進んでしまっているのだ。
私は何処まであの件について進んでいるのかお父さんとお母さんに尋ねることにした。
「私は大丈夫…それよりも、その…いじめの話って何処まで進んでいるの?」
私がそう話しかけると、不思議そうな顔をしながらも私に向かって話してくれた。
「菜々が心配することじゃないんだけどなぁ…でも話しておいたほうが良いのかもね。あの生徒の情報を上手いこと集めるために、色々な手続きをしているところだね。後は…その情報が集めた後に裁判でも起こそうかな〜って思ってるんだ。」
「お父さんが全部やってくれるから、あなたは何も心配しないで任せておけば大丈夫なのよ。私の時もおんなじだったから。」
「お母さんも同じって…どういう事?」
「私はね…高校に入ったときにも虐められてたのよ。その時はこの人が助けてくれたのよ?それからはゾッコンだったのよ。」
結婚とかそういう親の恋愛が聞きたいんじゃないんだけど…というかこのままだと不味い気がする。もう取り返しのつかないところまで事が進んでしまっていると言ったけど、ここまでとは想像していなかった。
「それに職場でも虐められた時に助けてくれたのよ。この人ったら本当にすごいのよ?」
「あはは…それほどでもないよ。それよりも、お父さんは気になることがあるんだ…校長先生が警察に連れて行かれたって話は本当なのかい?どうして連れて行かれたとか、そういうのが全く配信されないから困っているんだ…」
私も警察に校長が連れて行かれたというのは初耳だった。確かにここ数日間校長先生の姿を見ないとは思ったけど、まさか警察に連れて行かれてしまっていたとは思わなかった。
「私も初耳なんだけど…校長先生が警察に連れて行かれたって本当なの!?」
「本当だ…この学校からのメールで私達も知ったんだ。校長先生は警察に連れて行かれるようなことをしていたのかい?」
「私が知っている限り、そんなことしていないと思うんだけど…もしかして…」
「なにか知っているのかい?」
私はあの私に対する凄まじい憎しみを抱えた彼のことを思い出した。すれ違う時私のことを無視してくれればよかったのに…でもここでお父さんに言ったら、また学校に連絡をしたりするかもしれない。そうなったら更に私はあの男の憎しみを買ってしまうだろう…
「…ううん。なんでも無いよ…」
「そうか…なにか辛いことがあれば言うんだぞ?お父さんは絶対に菜々の味方をするからな。」
「お母さんも菜々の味方だからね!!学校で変なことをされたら必ず言ってちょうだいね!!」
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お陰様で恋愛週間ランキング最高3位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
時系列は少し戻りますが…楽しく見て行ってくれると嬉しいです!!
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