第34話 二つの考え
それからも教頭先生と話をしたりして、時間を過ごしていった。早川先生に謝ってもらう日程は後日決めることにして、俺は一度話を切り上げることにした。
「…それではまた後日電話をかけますね。」
『わかった。早川先生や他の先生の件については私に任せてくれ。私ができる限り対処をしておくから、また同じ様な不誠実な対応をされたら遠慮なく言ってくれ。』
「もちろんそのつもりです。早川先生のクラスでは同じようなことをされないとは思いますけど、万が一ということがありますからね…今までと同じ様な対応をされたらすぐに教頭先生の方に話を持っていきますよ。」
『是非そうしてくれ。それよりも…一学年とは言わずに他学年の授業も聞いてみてはどうかな?』
「他学年の授業…ですか?」
『あぁ。授業の内容について行けるとは限らないけど、その時は通知が来るように設定してある。2年生の授業であれば問題なく見れるはずだ。3年生の授業は…怪しいかもしれないけどな。』
「それって大丈夫なんですか?俺としてはすごいありがたい申し出ですけど…2年生、3年生の先生方も俺の事を良く思っていない先生はいるんじゃないですか?」
『二年生の先生は比較的、君がイジメをしたと信じていない先生のほうが多いから安心してくれ。なんでも二年生に君のことを良く知っている子が、必死に弁護してくれたらしいぞ。だれかはわからないけどな。』
「そうですか…俺の事を弁護するような変わった人が居たんですね…」
俺には全く覚えがない…それよりも俺のことを弁護したりすれば、その人が虐められたりする可能性すらあるのにどうして俺の事を弁護しようとしてくれたのだろう?
俺は頭の中で二つの考えがよぎった。1つ目は小学生…もしくは中学生の時に転校してしまった友達の内の一人であるという可能性だ。俺は小学生の頃から虐められてたとは言え、交友関係は比較的良かった。だから他学年にも多くの友達が居たから、そこでのつながりかもしれない。
そしてもう一つは今のうちに恩でもうって、後で金を請求したりとか…そういう浅はかな考えを持っている人が、行動したという可能性だ。正直な所何が正しいのかはわからないけど、俺のことを助けてくれた人にも信頼を寄せるというのは良くないだろう…
「はぁ…疲れた。」
教頭との電話も切り上げて、すぐに俺はおじいちゃんが居るであろうリビングに向かった。リビングではテレビを見ているおじいちゃんの姿があった。
「ん?叶斗じゃないか。授業の方は終わったのかい?」
「うん。しっかりと授業を受けてきたよ。学校に行かなくても良くなって本当に嬉しいよ。こうやっておじいちゃんと話をすることが出来るようになったしね!!」
「嬉しいことを言ってくれるじゃないか…年をとるとこんな事でも嬉しくなっちゃうのかね…」
「あはは…おじいちゃんが喜んでくれたなら俺は嬉しいよ。それよりも…愛華は大丈夫そう?こっちでの生活は…」
「あの子が慣れているかどうかはわからないけど、少なくとも安心はしてくれているんじゃないかと思っているぞ。あの子に必要な物があれば、儂か叶斗で買ってきてあげれば良いんだし心配しなくても大丈夫じゃよ。」
「そうなんだけどね…やっぱり心配になるというかさ。愛華はどちらかと言うと巻き込まれたという形に近いじゃん?だからすごく心配しているんだ…俺が勝手に家を出てきてしまって、その後をついてきてしまったから…本当はあの家にいたいんじゃないかと思うんだよね。」
「叶斗。あの子は自分の意志でこっちに来たんだから、そんな事を言わないでやってくれ。あの子は叶斗のことが一番大切だと言ってくれていたしな。儂が家族の中で一番大切にしているのは誰かと聞いた時に、真っ先に叶斗だといっていたぞ。」
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お陰様で恋愛週間ランキング最高3位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
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当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
明日は他の視点を書こうかと思ってます!!
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