第26話 叶斗のためなら…(他視点)

叶斗が見えない所に行った後、儂はドアを開けて応対をすることにした。


「…まだそこに居たのか。叶斗ならもうすでに部屋に帰ってしまったぞ。もう帰ってくれないか?」


「どうしてですか!!私もここに来るまでに時間をかけているんです!!お願いですから、あの子とこんなドアを挟んでじゃなくて直接話をさせてください!!」


「直接話をしたい…だと?お前は何を考えているんだ?」


「だから何度も言っているじゃないですか!!あの子を連れ戻すんです!!そのために話をしっかりとしないといけないんです!!」


「…いい加減にしなさい。」


「なんですって?私はあの子の母親なんですよ?」


「だったら何だ!!お前は先程叶斗に言われたことも忘れたのか?お前は叶斗に対して産まなきゃよかったと言ったらしいよな?」


「そうなのかもしれないですけど…ですが、あの子と会うことには関係ないはずです!!」


「関係ないだと?お前は自分のことを傷つけたり酷いことを言ったりした人間と一緒に居たいと思うか?」


「それは…そうですけど…」


「だろう?だから諦めなさい。儂はこれ以上お前が諦めないでここにいるようであれば、然るべき所に電話をすることになるぞ?」


「っく…どうして私の話を聞かないでそう無理やり子供を奪おうとするんですか!!」


「子供を奪う?何を言っているのか分かっているのか?」


「分かっていますよ!!お義父さんがやっていることは犯罪なんですよ!!」


「そうか。犯罪に当たるんだな。」


「えぇそのとおりです。ですから…」


「だから何だと言うんだ?お前みたいな危険なことを、平気でするような母親と同じところに居させたくないというのは全国の爺や婆婆が思うことじゃないか?こう言うのはあれだが…お前のことを今回の1件で信用することはできなくなった。」


「どうしてですか…お義父さんの息子である彼と結婚するってなった時にすごい応援してくれたじゃないですか!!それに今までだって私達のことを心配して資金援助をしてくれたじゃないですか!!」


「そうだな。今まではお前を含めて資金的にも沢山援助してきたが…今後はそれも取りやめることにする。」


「それだけは…それだけはやめて上げてください。今はこんなご時世なんですから、お店に来る人も少なくなって…店も以前よりは人は来なくなってしまったんです。なので今資金援助を止められると、潰れてしまいます!!」


「はぁ…その程度で潰れてしまうと考えるようではまだ甘いな。こういうのはあれだが、儂は息子のことを甘やかしすぎたようだ。この程度の苦境は自分で乗り越えなくちゃいけない。自分で借金でもして、なんとかすれば良い。」


「貴方にとっての息子さんですよ!!それなのに資金援助をしたりとかしないんですか!?」


「だから今言っただろう?あの子には甘くしすぎてしまったと。だから今後は厳しくしていこうと思う。今まで甘やかしすぎてしまったから、厳しく当たることで成長を促す事をしなければ、どちらにせよいずれは潰れるだろうな。」


「潰れないようにしてくれるんじゃないですか!?」


「潰れかけたら…しょうがなく助けるかもしれないな。でもな…これははっきりといっておく。儂はお前たちが結婚すると言った時は、本当に嬉しかったよ。嬉しかったがな、こうやって子供ができてからのお前らの行動には目に余る行動が見える。」


「何が…お義父さんにとって目に余る行動なのでしょうか?」


「そうだな…数が多すぎて細かい所までは覚えていないけど、叶斗が小学生くらいだったかな…たまたまお前たちの方の家に行ったことがあるはずだ。年末や夏休みではなく、普通に休日だ。」


儂は思い出しながらゆっくりと話しだした。


「お前たちの家に行った時…チャイムを鳴らしたかな?それで息子が応答した時に変な音がしたんだ。その時はあんまりおかしいとは思わなかったけど、今となってはその時からお前たちは子供に手を上げていたのかもしれないな。あの時の音は叩いたりした時の音によく似ていた気がするよ。」


「お義父さん待ってください!!ドアを閉めないでください!!」


儂はその言葉を背に受けつつも、玄関のドアを閉じた。そしてしっかりと鍵をかけて中に入ってこれないようにした。後は愛華が帰ってくるタイミングで、一度ドアを開けてやればいいだろう…そこだけが心配だ。














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お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!

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