第25話 母親との乖離

「ここから先は儂が話そう。」


「お義父さんは話に入ってこないでください!!これは叶斗と私の問題です!!」


「何を言っている!!お前は母親であるのに自分の子供を信じることができなかったんだろう?儂はお前のことをどこか信頼していたが…それは間違いだったようだ!!自分の息子に産まなきゃよかったなんていう親が何処にいるんだ!!お前のせいでどれだけ叶斗が傷ついたのか分かっているのか!!」


「っく…確かにそれは悪いことだとは思いますけど…」


「だったらまずは自分の家に戻るだなんだの交渉をする前に、叶斗に土下座してでも謝るべきだろう!!それでも子供にどれだけの悪影響を与えたのかはわからないだろうがな!!」


「土下座ですって…」


「なんだ?できないのか?儂に悪いことだと思ってると言った先程の言葉は嘘だというのか?自分が本当に悪いと思っているなら…今この場で土下座やそれに近いするべきなんじゃないのか?」


「だったらお義父さんは出来るんですか?」


「出来るに決まっているだろう。自分が悪いことをしたと思うんだったら、絶対に謝らなくちゃいけないんだよ。お前にはわからないかもしれないけどな。」


「…」


「叶斗は母親であるお前に土下座することを望んでいないかもしれない。でもな、儂は徹底的に追求するぞ。」


「すみません…でした。」


「お前は何を言っているんだ!!謝るのは儂にではなく、叶斗にじゃろ!!叶斗はお前のせいで深く傷ついてるんだ。今すぐに謝りなさい。儂はお前が叶斗に対してしっかり謝罪をすることができたら許すことにしよう。」


おじいちゃんは俺に向かって手招きをしてくれた。でもこっちを向いた時には心配するような表情をしていた。


俺はおじいちゃんに言われた通りにせず、隠れて話を聞いていた。


俺が玄関ドアの近くに立って、おじいちゃんと一緒に母親のことを見た。俺自身、母親が謝罪をして土下座をしたとしても心ではもう母親だとは思うことができなくなっていた。


だからもう母親と言うのではなく、と言ったほうが良いのかもしれない。俺はどうにかして元母親と父親との縁を切りたかった。でもどうすればいいのかはわからないし、今度おじいちゃんと一緒に相談をすることにしよう…


そして俺の顔が見えた途端、気持ち悪い笑顔を浮かべながら俺に向かって近寄ってきたため、思いっきりドアを締めてしまった。正直母親の土下座謝罪なんて見たくもなかったし、これ以上変に刺激をしたりしないほうが良いのかもしれない…


「叶斗?大丈夫か?」


「うん…急に近寄ってきたからびっくりしただけ。でも正直これ以上会話をしたくないし、もうここから離れてもいいかな?」


「別に構わないが…おじいちゃんとしては、謝られてる姿を見せることこそが辛いことであり、許されると思うのだ。だから…」


「おじいちゃん…話を遮るようで悪いけど、あの人はプライドが高いから絶対に謝るとは思わないよ。さっきはおじいちゃんに向かって謝罪の言葉を並べていたけど、あれは相当我慢しただけなんだと思うよ。」


「…そうなのか?」


「うん。おじいちゃんはしらないだろうけど、昔にもこういう事があったんだ。その時はなんとか乗り越えたんだけど、その時は大変だったね…」


「そうだったのか…気づくことができずすまなかった。」


「大丈夫だよ。それよりも俺はあの人がここに来ないようにしてほしいかな。だって愛華にも迷惑がかかるじゃん…それは駄目だと思うんだ。」


「そうじゃな。愛華に迷惑をかける事は許されんな…もちろん叶斗に迷惑をかけることも許さないから安心しておれ。儂があの馬鹿者に説教をすることにするよ。」


「あはは…程々にしてね。それとあの人にはもうここには来ないでくれって伝えてくれない?俺から言うのは…ちょっと…」


「大丈夫だ。儂に全て任せておきなさい。」


おじいちゃんのことをここまで頼もしく感じたのは、本当に久しぶりだった…


俺は母親と縁を切ることを心に誓った。父親ともいずれ決別をしないといけないのかもしれない…でもこんな風にすぐに縁を切ってしまうのは正しい行為なのだろうか?







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お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!

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