第23話 束の間の休息

おじいちゃんは俺がやりたいと言ったことを、なんの躊躇いもなく助けてくれた。資格と言っても受験費用が高いものだってあるのに、やりたいのなら支払うと言ってくれた。


でもやっぱりおじいちゃんに払ってもらうのは、何処か申し訳なくてアルバイトを始めてみたいと思ったのだ。そして今日はその面接でもある…


「はぁ…緊張するなぁ…」


「ふわぁ…おはよう叶斗。今日はバイトの面接だったか?」


「うん…でも緊張しちゃって…」


「緊張するのはしょうがないな。でもな、儂の経験上そういったバイトの面接は相手方がある程度は配慮してくれるはずじゃ。変な態度を見せたりしなければ普通は合格を出してくれるじゃろう…だから緊張しなくても大丈夫じゃ。」


「そうなんだけどさ…でも緊張しちゃうんだよね…色々と話さないといけないことあるのにそれも全部忘れちゃいそうで…」


「忘れたらそれはしょうがない!!アドリブで話を進めてしまったほうが自然じゃ。」


「そうだね…それじゃあもうすぐ外に出るよ。朝ごはんはリビングに用意しておいたよ!!」


「愛華は食事をしっかり摂ってから学校に行ったか?」


「もちろん!!朝ごはんを抜いたら駄目だって言っといたよ!!」


「その通りじゃ。まぁバイトの面接頑張ってきなさい。バイトの面接が終わったら一度こっちに電話をかけてくれないか?」


「良いけど…どうして?」


「儂からのプレゼントをあげようと思っての…喜んでくれたら嬉しいんじゃが…」


「わかったよ!!楽しみにしてるね!!」


俺がバイトをしたいと思っているのは本屋で、おじいちゃんの家から徒歩で5分くらいの場所にあるのだ。この店は大手というわけでもないけど、周辺の人からは親しまれているのだ。


そしてこの本屋は俺が子供の頃から利用していて、思い出がたくさんあるのだ。他の本屋を利用したこともあるけど、やっぱりここが一番良かったのだ。


個人で運営しているとは思えないほどの品揃えに、若い人から高齢者向けなどの運営者のおすすめの本が置かれているのだ。そうして今まで一人で維持していたらしいけど運営者も高齢で足腰が弱くなってしまってアルバイトを募集していたらしいのだ。


そして今日、おじいさんが運営している本屋で面接をすることになったのだ。




「こんにちは〜アルバイトの面接で来ました。」


俺が本屋の中に入り、バックヤードの方に立ち去ろうとしているおじいさんに向かって話しかけた。おじいさんはこちらを振り返って優しい微笑みを浮かべながら話しかけてきた。


「こんにちは。君がアルバイトの応募をしてくれた叶斗君だよね?今日はよろしく。」


「よろしくお願いします。」


「そんなに固くならなくて大丈夫だよ。それじゃあバックヤードの方で面接をしてしまおう。それと他にもアルバイトの募集をした子がいるんだけど大丈夫かい?」


「別に大丈夫ですけど…今日一緒に面接をするんですか?」


「そうなるかな。その子も君と同じ年齢だったかな。仲良くしてやってくれ。」


「わかりました。それと俺は何処で待機していればいいですか?」


「椅子を用意するからそこで座って待っていてくれないか?最近は足腰が弱くなってしまって歩くことが若干むずかしくてなぁ…」


「そうなんですね…病院とかに行ったりするんですか?」


「そうだねぇ…病院に行ったりもするけど、あまり行きたくないんだよね。」


「どうしてですか?」


「やっぱりここ周辺の病院に行くには車を使うだろう?でも去年免許を返納してしまって…そのせいで車を持っていても使うことができないんだよ。それに歩いていくとしても、数歩歩いただけで疲れてしまうんだよ。そんな状況じゃ歩いていくことはできないよ。」


「そうなんですね…っと誰か来たみたいですね。俺が出ましょうか?」


「そうだね…それじゃあお願いしようかな。」


「わかりました。」


俺はバックヤードから外に出て、本屋に入ってきた人物を確認した。入ってきたのは女性で、俺がバックヤードから出てきたのを見ると話しかけてきた。


「えっと…ここのアルバイトって何処で面接をするんですか?」


「こっちです。俺もここでアルバイトをしようと思ってる人です。これから一緒に働いていくはずですし、お名前を伺ってもいいですか?」


「良いですよ。私の名前は桜花って言います!!これからよろしくお願いします!!」


俺は桜花さんと一緒に再びバックヤードの中に入っていった。桜花さんが荷物をおいて面接の準備を終えると、おじいさんは俺と桜花さんに向かって話始めた。


「儂はこの本屋の運営をしている五十嵐剛だ。とりあえずお互いに自己紹介をしよう。これから一緒に働くことになるからな。」

















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る