第22話 当分の間は…

あれから教頭や警察官の人と話をしていったが、俺が納得できるような回答を得ることはできなかった。


俺自身イジメをされている現状を改善してほしいのと、生じてしまった歪を改善して欲しいのだ…


俺にかかった冤罪を解決するために教頭や警察官の人達が動いてくれるのは嬉しいんだけどね…


学校で授業を受けられる状況でもないため、俺はそのまま帰宅することになった。教頭先生は当分の間、自宅からのオンライン授業で構わないという話だった。


しかも教頭先生はオンライン授業に参加しなくても、欠席扱いや遅刻扱いにはしないという話だった。今回の件で時間が必要だという教頭の判断だそうだ。


加えてオンライン授業は自分のクラスではなく、他のクラスの授業でも構わないという話だった。俺にとっては不用意に外出すること無く、おじいちゃんや妹と楽しく過ごすことができるからありがたい申し出だった…


すぐに自分の家に帰るとおじいちゃんが出迎えてくれた。


「大丈夫だったか?変なことをされたりしてないか?」


「大丈夫だよおじいちゃん…そんなに心配しなくても俺は大丈夫だよ。」


「そうなのか?儂は叶斗のことが心配じゃ…もし何かあったら儂が乗り込んででも助けてやるからな。」


「大丈夫だって…そう言えば愛華は今、学校行ってるの?」


「そうじゃよ。『叶斗お兄ちゃんが学校に行くなら、私だって行く!!』って言って聞かなかったんじゃよ…儂としては学校なんぞいかなくても大丈夫だと言ったんじゃがな…」


「そっか…愛華は学校行ってるんだね…俺なんて学校に行くことすら躊躇ったのに…」


「良いんじゃよ。叶斗には叶斗の道があるじゃないか。叶斗は自分が進みたいと思う道に進めばいいんじゃ。その際に障害物になるものは乗り越えてしまえば良い。今回の件もそういう風に考えてできるだけポジティブに捉えると気分が落ち込みにくくなると思うぞ?試してみてご覧?」


「うんわかった…でもさ、正直イジメられたりするのは小学生の頃からあったから、しょうがないって思っちゃってるところがあるんだ…それよりも俺は家族の関係をもとに戻したいんだ。」


「関係を元に戻す…か。」


「おじいちゃんだって本当は父さんやお母さんの所で生活して欲しいって心のなかでは思ってるんじゃないの?」


「…そうじゃな。確かに心の何処かでは、儂の家に住ませ続けていても良いのかという葛藤があるな。でも、儂としてはバカ息子が反省して頭を下げなければ認めるわけにはいかないんじゃよ…」


「おじいちゃんのことは、父さんよりも知っているつもりだよ。おじいちゃんが父さんの事を大切にしているのも知っているよ。」


「はは…そうか…あの馬鹿息子の子供が聡明に育ってくれて儂は嬉しいぞ。」


「よしてよ…俺は聡明なんかじゃないよ。むしろ人のことを頼れなかった弱者だよ…小学生なんだったら親に相談すれば全て解決していたかもしれないのに、親に話をすることができなかったんだからさ…」


「これ!!ネガティブに捉えるでない!!」


「ごめんごめん…でも実際あの時に相談していれば変わったのかもしれないなってずっと後悔してたんだ。最近は特にそう思ってるかな。」


「そうか…儂も気づいてやれなくてすまなかった…もっと早くに気づいてやれていれば、こんな大きな問題になる前に片付けることができたのに…すまないな。」


「おじいちゃんが謝る必要なんて何処にもないじゃん!!それよりも明日からは学校に登校しなくても良くなったんだ!!」


「そうなのか?儂は正直そんな風に許可をもらえるとは思っていなかったぞ…」


「教頭先生が、今回の件で疲れがたまったことだろうし休んでくれて大丈夫って言う話だったよ。でもオンライン授業はあるから、そこに参加してくれると嬉しいっていう話もしてたかな…それと、授業に出席しなくても欠席扱いにはしないって!!」


「そうか〜!!それなら儂がいろんな事を手伝ってやるぞ!!簡単なことはじいちゃんに任せて、自分のやりたいことにどんどん挑戦しきなさい。費用がかかるんだったら儂が負担してやるからな!!」


「それはちょっと…おじいちゃんに申し訳ないと言うか…」


「儂なんてどうせ後十数年生きれば死ぬんじゃから、費用を心配して挑戦しないのは悪いことじゃ!!」


「いやそういうことじゃなくて…おじいちゃんのお金を使っちゃうってこともそうなんだけど、色々と負担かけちゃうからさ…」


「今まで儂に滅多に頼み事してこなかったんじゃから、こういうときくらいは甘えるものじゃ。」


おじいちゃんは俺の方をまっすぐに向いて真剣な目でこちらを見ていた。おじいちゃんに甘えることができなかったのも事実だし、こういう時は甘えても…良いのかな?


「…じゃあ資格を取りたいからその受験費用を出してくれたり…」


「もちろん大丈夫じゃ。なんならその受験にかかるもの全てを買ってやるから安心しなさい。」


俺はこの瞬間からより一層おじいちゃんのことを大切にしていきたいと思った。














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お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


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