第21話 警察からの電話(他視点)
「ねぇ貴方どうするの!!お義父さんが全く話を聞いてくれないせいで、あの子達はあそこに居るじゃない!!どうにかして連れ戻す方法はないの!?」
「無いわけではないけど…それをすると警察のお世話になっちゃうんだ…とてもじゃないけど、父さんにそんな事をする訳にはいかないよ…」
「貴方が決めたことでしょ!!逃げないで考えなさいよ!!どうやればお義父さんから子供を帰してもらえるのか考えなさい!!」
「父さんは一度決めたことは絶対に覆さないんだ…君も一度見たことがあるだろう?」
「えぇ見たことがあるわ。」
「だったら父さんのことを少しは理解しているだろう?さっきも言ったけど絶対に曲げないんだよ?どうすれば取り返せるっていうのさ!!確かに店のことを気にしすぎて子どもたちに時間を割くことがあんまりできていなかったのは事実だけどさ…」
「だったらその言葉を伝えれば良いんじゃないかしら?お義父さんとしても息子の子供を何日も自分の家に泊める訳にはいかないでしょ?」
「そうだね…できれば父さんが自主的にこっちに来てくれると助かるんだけど…」
俺と妻は父さんに何度も「子供を返してくれ」と伝えたが、良い返事をもらうことはできなかった。しまいには『子供を返すことはない!!』といって断られてしまったのだ…
最終手段として警察を使うという手段もあるけど、これを使ってしまえば父さんは間違いなく事情聴取を受けることになるだろう…息子としてはそれは望んでいないのだ。
そもそも叶斗が外に出なければ…あの時に殴ってでも止めていればこんな問題に発展していなかったのかもしれないな…
そんな事を考えながら妻と話をしていると突如俺のスマホに電話がかかってきた。俺はポケットからスマホを取り出して電話の相手を確認した。
「なっ…警察だと!?一体何故…」
「まさか…叶斗が問題でも起こしたんじゃないでしょうね?もしそうなら…本当に手放さないと…」
「何を言うんだ!!世間に手放してしまえば人のことを傷つけてしまうかもしれないじゃないか!!俺と君で管理しなくちゃ駄目なんだ!!自分の子供とはいえ、イジメをするようなやつを許すことはできないんだよ!!」
「そのとおりよ!!私達が管理しないと…あの子が何かをやらかさない内にね!!」
しかしこのタイミングで警察から電話が来るなんて…一体どうしてなんだ?
そう考えながら警察からの電話に答えた。
『すみません…黒金君の親御さんであっていますでしょうか?』
「あっていますけど…どうかされたんですか?もしかして叶斗が何か変なことをしてしまったのでしょうか?」
『いえいえそんなことはございませんよ。むしろ我々は心配しているんですよ…彼虐められているみたいなんです。』
「イジメ…ですか?」
イジメという話は一度も聞いたことがない…あいつからそんな話をされたこともないし…
『そのとおりです。話を聞いていたりしませんか?できれば親御さんにも話を聞きたいと思い連絡をしました。』
「かしこまりました。それでどうすれば良いのでしょうか?」
『そうですね…後日お宅に伺っても良いでしょうか?もし都合が悪いようでしたら、この様に電話での対応も可能ですが…どうされますか?』
「すみません…ちょっと妻と話をしてきてもいいですか?」
『もちろん大丈夫ですよ!!それでは後ほど連絡をしますね。』
「わかりました。それでは後ほど…」
俺はすぐに電話を切って妻に話をした。
「なぁ…警察から電話が来てて、話をしたいっていうんだけど…どう思う?」
「えぇ…どうしたら良いの?話をしたら良いんだと思うけど…下手に話をしたら、なにかこっちが危害を被るんじゃない?」
「そうなんだよな…そこが問題なんだ。一体どうすれば…」
俺と妻は何度も何度も話し合ったが、結局答えを出すことができなかった。だが、俺は意を決心して警察との話を電話越しに行うことにした。
「じゃあ明日の昼に警察と話をすることにするよ…君は父さんにもう一度返してくれって説得してきてくれないか?」
「わかったわ…でも返してもらえるとは思わないで頂戴よ…」
「大丈夫だ。父さんのことだから、面と向かって土下座したりしないと返してくれないだろうなぁ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
続けて他視点になってしまった事お許しください…次回からは他視点から戻します!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます