第20話 自称被害者とイジメの主犯(他視点)

主人公が校長室で話をしている頃、吾妻菜々はある男と話をしていた。


「しっかりと親に言ってきたみたいだな。良くやってくれたよ本当にな。」


「…本当に消してくれるのよね?」


「…」


「ねぇ…黙っててないで答えてよ。」


「あははは!!馬鹿な女って本当に騙しやすいんだな‼お前は本当に言うことを聞いてくれるとでも思ってたのか?」


「なっ…どうしてよ‼私貴方の言う事を聞いて両親に嘘をついてまで話をしたわよ‼しっかりと消してよ‼」


「アホかよ‼あのな、俺がどうしてこんな事しているか分かるか?あいつをはめるためなんだよ‼お前は無実の男を嵌めたんだ‼」


「ねぇ…あの人にどんな恨みがあるの?恨んでなかったらこんな事できないよね?教えてよ。じゃないと私もこの事を盾に訴えるから‼」


「脅されてる犬が飼い主に噛み付いてんじゃねぇよ‼まぁ良い。今日は気分がいいから教えてやるよ。」


眼の前の男は私に徐々に近づきながら話しかけた。


「あいつとは小学生から同じだったんだよ。小学校、中学校、高校と全部同じなんだよ。あいつの事お前はどう思う?」


「…別に何も思ってないけど、強いて言うなら頭もいいし運動もできてすごいと思ったくらいかな?でも高校じゃあんまりそんな姿を見てないけど…」


テストでの順位を見れば、黒金という名前は10位以内に入っているのだ。部活には参加していないものの彼の足の速さは同じクラスの人はだれでも知っている。


「そうかそうか…お前はあいつのそんな姿しか見てないんだな。やっぱり高校からの関係じゃそんなところか。」


「そうね。それでも彼のことをイジメている貴方よりかは遥かにマシだと思うけどね。」


私はあの人に本当は謝罪がしたかったのだ。彼が言っていた言葉の通り、私は何もしていない人の人生を壊してしまったのだ。どんなに謝っても謝りきれない…


『人の人生踏みにじって楽しかったか?ご両親の力を借りて、そこまで関わりのないやつの人生を終わらせるのはさぞ楽しいんだろうな。あんたの父親に殴られた時に出来た傷はまだ消えてねぇよ。』


彼が私に向かって放ったこの言葉が私の胸の中に突き刺さって抜けないのだ…


「俺はあいつが妬ましかったんだよな…小学生の時あいつは何をしていたと思う?普通じゃ想像もつかないようなことをしているんだよ。」


「何をしていたのよ。私はあの人と同じ小学校じゃなかったんだし知らないわよ。」


「それもそうだな。あいつは他の奴らとは違う行動を取り続けたんだよ。簡単に言えば異質だな。小学生なんて異質なやつがいれば排除しようとするだろ?お前の学校でもイジメはあったんじゃないか?」


確かに私の学校でもいじめがあったけど、排除しようというものではなかった。良くも悪くもじゃれ合いというものだった気がする。


「まぁ変な行動をし続けるもんだからいじめが始まったわけだ。そこの輪には俺も加わってたな。」


「どうしてそんな事をしたの‼イジメは駄目って注意されなかったの!?」


「注意ね〜確かに先生に何度もされた覚えがあるな。あいつらも心のなかでは悪いことをしてるって思ってたのかもしれないけど、辞められなかったんだろうな。」


「貴方も心のなかでは悪いことをしてるって思ってたんじゃないの?じゃなかったらこうやって話をしないんじゃない?」


私がそう言うと彼は一瞬キョトンとした顔をした後、笑い出した。


「君は本当に笑わせてくれるな!!俺がしていることは正しいんだよ。異質なものを排除しようとしているだけだ。何も変なことじゃないだろう?」


「おかしいわよ!!あなたが彼に与えてる苦痛はどれだけのものか分かってるの!!」


私がこんな事を言うのはおかしいけど、私はいわなくちゃいけないと思った。イジメなんてしていない彼のことを嵌めてしまったことへの贖罪だと思ったら、不思議と今まで感じていた恐怖心が薄れていく気がした。


「はぁ…知ったような口を利くんじゃねぇよ!!それよりもさっきっから外がうるさいなぁ…」


私は彼の視線が外に向いていることに気づき、私も外へと視線を向けた。すると特徴的な光が私の目を刺激した。


「えっ…警察?どうして警察が来てるの?」


警察が来ている理由はさっぱり分からなかった。でも目の前の男が焦っているのを見るにおそらく彼のことなのかもしれない。


「…警察が来ることは想像してなかったな。」


「あなたはこれで終わりなのよ!!今までさんざん私に酷いことをしてくれた報いを受けなさい!!」









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お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


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