第17話 糾弾される校長

俺が少し荒めの口調で言うと、その女子生徒は体をと震わせながらこちらの方を向いた。そんな彼女に向かって俺は話しかける。


「大体君は一体誰なんだ。俺は君のことを一切知らないんだよ…とりあえず名前を教えてくれないかな?」


「…どうして名前を教えなくちゃいけないの?別に教える必要はなくない?」


「そもそもおかしい話だろ?このイジメの話は相手の名前を知ってなくちゃ成立しないだろ。だって放課後何だぞ?どう考えたって呼び出すなりしないと成立しない。だから俺が君の事をしらない時点でおかしいと気付かないこの学校の先生は、おかしいんだよ。」


「吾妻菜々よ。それが私の名前…私もう行かなくちゃいけないから失礼するわね。」


「君はそういう人なんだって事がわかったから、今回は引き下がるよ。でも俺は君がやったことを絶対に許さないからな。数日中にお前は後悔することになる!!」


彼女の妄想なのか…それとも、あいつらに脅されてやっているのか…どちらにせよこの女子生徒には後悔してもらおう!!


「そうですか。私には関係のないことなので…それでは失礼しますね。」


「謝罪するんだったら今のうちにするんだな。明日の放課後までに自分の間違いを認めて俺に謝罪しろ。そうしたら君の家族を崩壊させるようなことにはしないよ。君の英断を望んでるよ。」


先程は妄想かと思っていたが、俺がこういった瞬間に肩を震わせていた反応から見て、おそらくあいつらに脅されているのかもしれない。校長室に呼び出されたときにも彼女にとって復讐の対象が目の前で酷い目にあっているんだ。『ざまぁみろ』とでも思うのが普通だろう。でも彼女は全くそんなことがなかったのだ。


「…私は」


彼女が何か言っているのを聞こえたが、俺は校長室の扉を開けていたため殆ど聞こえなかった。明日も楽しみだけど、今はここを乗り切らないとな…


校長室の中には校長と教頭が座っていた。そして校長が部屋に入ってきた俺のことを見るなり、俺に向かって怒鳴ってきた。


「君は自分のしたことを反省したか?いや…問いかけるまでもないな。お前は反省していないだろ!!そうなんだろ!!」


「…やっていないとしか言いようがないので。私はやってもいないことを認めたくはありません。」


「まだ言うか!!こんな馬鹿な生徒が我が学校にいるとは思わなかった!!」


校長が俺に向かって馬鹿な生徒と言っていたのを聞いて俺は、この学校がいかに終わっているのかを再認識した。校長は癇癪持ちと言っても過言ではないのかもしれない。下手に刺激すると、この前みたいに殴られるかもしれない…そんな風に思っていが、座席に座っていた教頭先生が話し始めた。


「校長先生。そんな事を言うなんて思ってもいませんでした。貴方は教師失格です。」


「何を言うんだ和久津教頭!!」


「校長先生だけに任したら大変なことになると思って、校長室で付き添っていましたがおかしいと思っていましたよ…校長先生は生徒に向かって鹿と言いましたね?」


「そう言ったが何が悪い!!儂はイジメをしてそれでもなお認めない生徒に向かってそう言っただけではないか!!事実この学校の教師達ではそういう事を言っているぞ!!」


「では質問を変えます。他の先生方がそう思っているとして、それを彼に面と面向かって伝えたりしましたか?校長先生のように怒鳴ったりしましたか?」


「それはないが…」


「ですよね?他の先生方は皆常識は弁えてるんですよ。例えイジメをしたと決めつけているような人達でさえ、その生徒に暴言を言ったりするのは駄目だって理解しているんですよ。こういうのは良くないですけど、貴方は常識をわきまえてないんですよ!!」


「教頭ごときが何を言うのかと思えば…儂はこの学校のトップなんだ!!儂が何をしようと勝手だし、教育委員会が来た所で誤魔化してしまえばなんでも問題はないんだよ!!」


「…貴方はこの学校のトップに立つべき人間じゃないです。」


「だったら何だ!!儂の事を引きずり落として、自分が校長の席につこうとでも思っているのか?甘い甘い!!」


「はぁ…それじゃあ校長先生。本日までお世話になりました。今までの会話はこちらに録音させてもらいましたので、教育委員会に持っていきます。教員をやめるわけではないですけど、最低限校長が変わってから戻ってきますよ。」


「待て!!先程までの会話を録音しただと!!ふざけるな!!そのデータを私によこせ!!」


「渡すわけ無いじゃないですか!!この際だからはっきり言わせてもらいます!!あんたは老害だ!!」









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お陰様で恋愛週間ランキング4位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず…


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