第13話 孫のために…(他視点)
儂にとって孫は宝同然だった。今まで必死になって稼いできた金とは比較にならないのだ。宝同然である孫に対してイジメをするなんて…なめたガキどもだ。
儂は何処で育て方を間違ったのだろうか…あいつは父親になったのに、こんな馬鹿げたことをしているなんて…
「あの馬鹿息子が!!今に見ておれ!!儂がその面拝んでやるぞ!!」
最近会うことが出来てなかったし、儂が一度キツく言わなければ…
そう思い儂は車で息子の家に向かった。そして家の前に車を停めて、儂は家の玄関前に立った。そして設置されているチャイムを鳴らした。
チャイムを鳴らしてから数秒後…久しぶりに聞いた息子の声が聞こえた。
『はい。どなたでしょうか?』
「儂だ。今すぐに開けるんだ。」
『父さん!?少し待っていてくれないか?』
「良いだろう。ただし3分以内で開けろ。いいな?」
『わかりました…』
儂は玄関の前に立って、開けるのを今か今かと待っていた。そしてちょうど三分が経過するくらいが経った頃だった。
「すみません…遅れました。」
「遅い。すぐに来いといったはずだよな?儂はお前と話をしなくちゃいけないんだ。」
「話ってなんですか?父さんになにか言われることはしてないと思うんですけど…」
「儂に嘘をつくのか?儂は全部知っているんだぞ?包み隠さず話しなさい。」
「…すみません。迷惑をかけて…」
「はぁ…お前は父親として絶対にやってはいけないことをしたんだ。お前は何をしたのかわかっているのか?自分の息子のことを信じないで、他人のことを信じるなんてお前は父親失格だ!!」
「はい…ですが、あいつは女の子の事をイジメたんです!!許されない行いじゃないですか!!」
「お前は自分の息子がイジメたと本当に思っているのか?学校の教員にイジメをしたと言われただけなんだろう?それに、お前は証拠もないのに息子のことを信じないんだな。」
「父さん!!どうしてわかってくれないんだ!!イジメなんてしちゃいけないことくらいわかっているでしょう?」
「だからだ。証拠もなしに自分の息子のことをイジメをしたやつだと疑っているのは馬鹿な話だ!!お前にはあの子のことを任せられない!!儂はあの子を儂の家に泊めておく。あの子が自発的にこっちの家に帰りたいというその日までな。」
「なっ…あいつは俺の息子です!!俺にも至らないところがあったと思いますけど、それだけであの子のことを父さんに任せられません!!大体父さんはもう年だ!!」
「年なんぞ関係ない!!大切なのは思いやる気持ちだ。聞けばお前は店のことばかり考えて、あの子にまともに取り合ってきたことがないようじゃないか。そんなお前に自分の息子だから返してくれって言われて返すバカが何処に居る!!恥を知れ!!この大馬鹿息子が!!」
玄関の前で叫んでいたせいか、周囲の眼を集めてしまっているな…でもこれはしょうがないことなのだ。
「あなた…どうしたの?ってお義父さんじゃないですか。ご無沙汰しております…」
「何がご無沙汰しておりますだ!!お前もお前だ!!」
「どっどっどうしたんですか?私何か悪いことでもしましたか?」
「わからないとは言わせないぞ?お前は儂の可愛い孫にとんでもないことをしてくれたそうじゃないか!!お前のせいで孫は傷ついたんだ!!お前は自分がやったことをわかっているのか?」
「何もやっていません!!どうしてそんなに疑うんですか!!」
「はぁ…お前たちを信用していた私が馬鹿だった。お前たちはもう信用に値しない。」
「お義父さん!!何を言っているんですか!!」
「愛華は何処に居るんだ?儂はあの子と話がしたい。」
「愛華なら自分の部屋に居ると思いますけど…」
儂はその言葉を聞いて、すぐに家の中に入った。そしてまっすぐに愛華の部屋に向かった。
「愛華〜おるか?」
「この声って…おじいちゃん!?どうしてここに!?」
「すまんな!!叶斗が家に来たから心配になってきたんじゃ!!愛華はどうしたい?」
「どうしたいってどういう事?」
「家に来るかってことじゃよ。儂は今車で来ておるから、どんな荷物でも持っていけるぞ?というか荷物がまとまっているようじゃが…」
「うん…実は明日の内におじいちゃん家に行こうと思ってたの。」
「やっぱりここで過ごすのは嫌なのか?」
「うん。だってお兄ちゃんの事を一切信じようとしなかった人達だよ?それに先生からの話ってだけで全部鵜呑みにして、情報の真偽を確かめようともしない!!絶対におかしいよ!!」
「そっか…じゃあ家に来るか?」
「うん!!私はお父さんとお母さんと一緒に居るよりも、お兄ちゃんと一緒にいたいもん!!」
儂と愛華は荷物を運び出して、乗ってきた車に積み込んで息子とその嫁の静止を振り切って車を家に向かわせた…
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お陰様で恋愛週間ランキング5位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず…
妹ちゃんがお兄ちゃんの事を追いかけて家を飛び出します!!
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