第11話 家庭の崩壊(他視点)

私が家に帰ると母親と父親が喧嘩をしていた。父親と母親が喧嘩している内容はまだ聞き取れないけど、あまり良くない話なのは間違いない…


私は自分の部屋に駆け上がって、すぐに着替えた。流石に制服のまま家の中でずっと過ごしたくはないからだ。そうして着替え終わった私は、お兄ちゃんの部屋に行くことにした。


お母さんとお父さんが喧嘩している内容はイジメに関することだろうと、この時までは思っていた…私はお兄ちゃんの部屋の扉をノックして反応が返ってこない事に気が付き、部屋の扉を開けてみることにした。すると部屋の中にはお兄ちゃんが居た痕跡は何もなかった。


正確にはベッドなど、移動させることが難しいものはそのまま残っていたが他のものは全て持ち出されているようだった。


私はその場に崩れ落ちた。お兄ちゃんが何処かに行ってしまった…私のことをいつも見守ってくれて、助けてくれたのはお父さんでもお母さんでもなくお兄ちゃんなのだ。それなのに…


「どうしていなくなっちゃったの…」


そうして私は答えにたどり着いた。お父さんとお母さんが喧嘩している内容はだろう…


私はお父さんとお母さんが居るリビングの扉を開けずに、話の内容を盗み聞きすることにした…


『ねぇ…なんであの子がこの家から出て行ってるの?私はあの子を部屋の中に閉じ込めておいてっていったよね?』


『すまない…あの子があんな事言うとは思わなくて…』


『…?どういう事?』


『あの子が…俺の事をもう父親だとは思わないって…』


『何よ。あの子にそんな事言われて辛いとでも思ってるの?それよりも大事なことはあの子をどうやって連れ戻すかよ…』


『連れ戻すのは無理だ。俺の父さんは孫であるあいつと愛華の事をすっごく大切にしているから、あいつが嘘を言っても信じちゃうだろうな…』


『じゃあどうするの?あの子が他の人をいじめてるって事はいろんな人にしられちゃってるのよ?どうするのつもりなの?』


『どうするって言ったって…放置するしか無いんじゃないか?それよりも俺等は店のことについて考えないと…』


『それもそうね…あの子のせいで客足は遠のいちゃってるし…このままじゃ貯金も使っていかなくちゃいけないわよ?』


『そうだな…一度店を閉めて他のことをしたほうが良いんじゃないか?』


『貴方何を言ってるのよ!!お店をやりたいって言ってたのは貴方でしょう?貴方が店をやりたいって言ったから、私も賛成して今まで手伝ってきたのに…私の意見も聞いてくれたって良いじゃない!!どうして店を閉めなくちゃいけないのよ!!』


『俺だって店のことを考えているんだ!!あの店には愛着があるし、何よりも潰したくないから俺は今耐えるべきだって言ってるんだ!!どうしてわかってくれないんだ!!』


『私だって…』


私はこれ以上父親と母親の話を聞いてられなかった。お兄ちゃんが冤罪で苦しんでいるのに、どうしてお店のことについてばっかり話しているの?おかしいよ…


「はぁ…はぁ…なんでお兄ちゃんの事を信じてくれないの?私達って家族なんだよね?だったらお兄ちゃんのことを信じてあげてよ…」


私はリビングに入ることが出来なかった。それに今のお父さんとお母さんの事をまともに信じることは出来ないよ…だってお兄ちゃんが今までどれだけ私を含めて家族の事を助けてくれてたのか知らないの?


お母さんがパートを初めて、私が一人で家に居た頃学校の部活を休んでまで私と一緒に居てくれたのはお兄ちゃんだけ…お母さんは私のことなんて気にもしてくれなかった。お父さんだった自分の仕事ばっかりして私のことを気にしてくれなかった。


だから私は家族で一番信頼しているのは、お兄ちゃんだけ…お母さんやお父さんは二の次…だからお兄ちゃんがつらい目にあっていたら私が助けようと思ってたのに…


「私がもっとお兄ちゃんの事気にかけていたら良かったのかな…今日だって学校に行かずに、お兄ちゃんと一緒に過ごしてたほうが良いのかな…」


私は自問自答を繰り返した…その日は結局食事も喉を通らず、ただただお兄ちゃんの事を心配していた。お兄ちゃんは今何をしているのか、心配だった…


「私もここの家抜け出して、お兄ちゃんと一緒に居ようかな…おじいちゃんの家に行くならお父さんとお母さんも下手に手出しできないでしょ!!」


私は勢いのままに、自分の荷物をすべてまとめて明日の朝一番に家を出ていくことにした。家族であるお兄ちゃんの事を信じないで、他人の事ばっかり信じてる人達となんて一緒にいたくないしね!!


荷物をすべてまとめたことを確認して、自分の布団に潜った…明日の学校は遅刻しちゃおう…



























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お陰様で恋愛週間ランキング6位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず…


妹ちゃんがお兄ちゃんの事を追いかけて家を飛び出します!!

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