第9話 事件の裏側(他視点)
時は黒金叶斗が妹の誕生日を祝っていた頃に遡る…小学生、中学生と叶斗の事をイジメてきた男は仲間から詰め寄られていた。
「おい!!なんであいつを帰らせたんだよ!!あいつは俺らの財布なんだろう?」
「そのとおりだ!!どうして帰らせたのか納得できる理由があるんだろうな!!」
「当たり前だろう?お前らは俺のお陰で甘い思いを出来ているんだから、何も言わずについてくれば良い。これから俺はとある用事を片付けてくる。この用事が片付けばあいつはこの学校には居られなくなる。」
「すげぇ興味があるんだが…ついていっちゃ駄目なのか?」
「だめに決まってるだろう?これは俺がやっていることなんだから、下手に関わるとお前らもやばいことに巻き込まれるぞ?」
「何やってんのかは詮索しないことにします…明日になったら面白い光景が見れるって思っても良いんですよね?」
「あぁ期待しておいてくれ!!それじゃあまた明日な?」
「お疲れ様です兄貴!!」
「お疲れ様っす!!」
俺は笑顔であいつらが見えなくなるまで見送った。そしてあいつらが校門を出て見えなくなった途端に表情を変えてメールを送ることにした。
「さて…黒金には俺の事を無視して帰った制裁を受けてもらわなくちゃな?」
あいつは一生俺の財布兼サンドバックと言っても過言ではない。抵抗せずに現状を受け入れているあいつが悪いのだ。
「おし既読付いたな…それじゃあ向かうとしますか!!」
俺は放課後にとある生徒を呼び出した…その生徒にはこれから危ない橋を渡ってもらおう…
「来たな。来なかったらあの写真をばらまこうと思ってたところだったよ。」
「わかってるからこうやって来たんでしょう?今回で最後なのよね?私のことを散々脅して遊んだんだから、あのメールのこと信じてもいいのよね?」
「あぁそのとおりだ。だけど仕事をしてもらわないと困るぞ?俺だってあの写真がなかったら訴えられて、潰されるかもしれないんだからな。」
「…それで何をすればいいの?」
「お前には親に学校で虐められたと言ってもらいたいんだ。もちろん出来るよな?」
「えっ…?はぁ?一体どうして虐められたなんて両親に言わなくちゃいけないの?流石に事情を説明してもらいたいんだけど…」
「写真…ばらまいてほしいみたいだな?」
「わかったから!!分かったからやめて!!」
「そうそう。それでこそ俺の奴隷だ。」
「私は奴隷なんかじゃないわよ!!」
「ほぼ奴隷だろ?この写真を俺が持っている限りお前は俺にどんな命令をされても従うしか無いんだからさ?」
「っく…」
「まぁまぁ大丈夫だよ。今回の仕事を終えたら、この写真は消してあげる。約束した通り、お前が警察に言わないのが絶対条件だけどな?」
「…分かったわ。今日中に言えばいいの?」
「そうだな…今この場で言え。『さっき黒金って言う他クラスの人に虐められた…』って感じでいいからさ。そんな詳しく事情を説明する必要はないんだよ。親ってのはな…子供が虐められたっていう風に聞くと怒んだよ。」
「貴方は一体何を企んでるの…私を使って一体何をしようとしているの!!」
「おいおい詮索をしないっていう約束だろう?その約束を破るんじゃ、さっきの約束も守る必要がなくなっちまうなぁ…」
「分かった…分かったから!!」
「そうやって分かったって何回も言えばいいと思うなよ?一発殴られといたほうが虐められたって証拠にもなるな。よしじゃあ殴るから防御するなよ?」
「えっ…?キャッ!!」
俺はなるべく手加減して、顔面を殴りつけた。これくらいの力だったらしっかりと直せば跡も残らないだろう…
「さぁ親に連絡をしろ。泣きながら電話をすれば更に説得力はます。父親母親どっちでも良いから今直ぐに電話をかけろ。」
「っぐす…はい。」
俺が机によりかかりながら、殴られた所を撫でている女を監視していた。スマホを取り出して、俺が言った通りにいじめを受けたと虚偽の報告をしてくれた。これでよっぽどの家庭環境でない限り、両親は怒り狂ってあいつのことを潰そうと画策してくれるだろう…
「本当にお前面白いよな!!明日俺が言ったあいつのことを見てこいよ。案外こんな状態のお前を見て同情してくれるかもよ?」
「…言うこと聞いたから写真を消して」
「駄目だ。成果が出てからじゃなきゃ写真を消すことは出来ない。わかったならさっさと家に帰るんだな。」
「っ…わかった…」
女は重い足取りで自宅へと向かっていったようだった。俺は女が見えなくなったところで笑いが抑えきれなくなった。
「あっはっは!!あいつも馬鹿だよな!!脅されている側の人間の要求を、脅している人間が簡単に受け入れると思うか?というかこれで黒金のメンタルもぼろぼろになるだろうから、ずっとやってみたかったことも試して見るか…」
そして翌日…学校に登校して校長室の前を通った時に人を殴るような音と、激しい怒鳴り声が聞こえてきた。俺は笑いそうになるのをこらえながら、校長室の前を後にした。
「さて…あいつが学校に帰ってくる前に、次の計画も実行に移してしまうか!!この計画も全部完遂したら、あいつはぶっ壊れるかもな!!」
これからが本当に楽しみだなぁ!!
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お陰様で恋愛週間ランキング8位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず…
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