第8話 信じてくれない母親

俺はこの日から部屋にこもり続けた。父さんと母さんが俺の事を居ない者扱いしているのか、話しかけても何も答えてくれなかった。


父さんは信じてくれなかったけど、母さんは信じてくれると思ったのに…母さんは俺のことを信じてくれるどころか、『お前は何をやっているんだ!!』と怒鳴ってきた。


母さんに説明するために、一度部屋から出てきたのに部屋から出たのは失敗だった。母さんが帰ってきてから、俺は身に起きたことを説明するためにすぐに話しかけたのだ。でも母さんは俺を見るなり、今まで見たことがない表情でこう言い放った。


『あんたなんて産まなきゃ良かった!!私はイジメをするような子を産んだ覚えはありません!!』


母さんは冗談でこんな事を言うような人ではないし、真面目に話を聞いてくれる人だったしどんなことを聞いても正しいことを返してくれた。だから母さんが言ってることは本心からなんだって思うと、無性に辛くなってきた。


俺は母さんに説明することも出来ないまま部屋に戻ってしまった。再び部屋に閉じこもり、誰の声も聞こえないように頭を覆うようにして布団を被った。


それから数時間が経ったのだろうか…玄関を開けて妹が帰ってきたようだ。玄関を開けたときの音は頭を覆ってほとんどの音をカットしてくれていた布団でさえも遮ることは出来なかった。


そして大きな足音を立てながら、こちらへと歩いてくる。妹にも軽蔑されるのだろうか?俺は妹にも酷いことを言われるのかと思うと涙が止まらなかった。


でも予想に反してドアを開ける音は聞こえなかった。外から罵倒をしてくる気配もない…俺は少しびっくりしながらも布団をどけてドアの外から聞こえてくる音に注目した。


ドアの外に誰かが立っているのは確実だろう…ドアの前で今も荷物をおろしたりする音が聞こえてくる。何をしているのかはわからないけど、少なくとも父さんや母さんではないだろう。


俺はドアの前に置いておいた物を一度どかして、ドアを開けてみた。するとそこには妹が立っていた。妹は俺に対してどんな事を思っているのだろうか…俺はドアを開けて数秒経っても妹の顔を見ることが出来なかった。


「ごめん…お前が居るとは思ってもなかった。すぐに入るから気にしないで…」


俺はそう言ってすぐに部屋に戻ろうとした。自分の部屋のドアを閉めるためにドアノブを握って押し始めたときだった。


ドアを思いっきり掴んで俺がドアを閉めるのを妹が阻止したのだ。俺は突然のことに驚きながらも、妹に向かって話しかけることが出来ずに居た。


「…お兄ちゃんがイジメなんてするはず無いじゃん!!どうしてお兄ちゃんは諦めちゃうの!!」


「…っ!!声が大きいよ。父さんと母さんに聞かれちゃうだろう?」


「関係ないよ!!お父さんもお母さんも、皆してどうしてお兄ちゃんの事を信用してくれないの!!おかしいよこんなの!!」


「愛華…」


「私達は家族なんだよ?家族が言ってることを信じないで、校長先生が言ってることを信じるなんておかしいよ!!だってお兄ちゃんがイジメなんてするはず無いじゃん!!」


「ありがとう…今はそうやって俺の事を拒絶したりしないでくれるだけでありがたいよ。」


「お兄ちゃんの事を信用しないでどうするの?私がお兄ちゃんの事を信用しないとでも思ってたの?私が今までお兄ちゃんにどれだけ助けてもらってたのかそんなこともわからないほど私は馬鹿じゃない!!」


「わかったから…とりあえずそんな声を大きくしないでいいよ。」


「じゃあお兄ちゃんの部屋に入れさせて。」


「わかったよ…整理整頓が出来てなくても良いかい?」


「大丈夫。お兄ちゃんのことだから整理整頓なんて出来てないと思ってたし!!」


「ひどいなぁ…」


「良かった…ちょっとは顔色戻ったじゃん!!部屋に入ったら家に帰ってきてからされたこと全部教えてね!!」


妹に自分がされたことを言うのはとても恥ずかしかったが、すべてを話し終えるととても気分が良くなった。悩んでいることを吐き出したりすると楽になると言われているけど本当なのかもしれないな…


俺の話を聞いて、妹は俺の体に引っ付いてきた。


「辛かったよね…お父さんとお母さんがそんな事を言う人だなんて思ってなかった!!」


「…そうだね。お兄ちゃんも父さんと母さんが、あんな事を言うとは思わなかったよ…」


「そもそもお兄ちゃんはイジメなんてしてないんでしょ?さっき聞いたことをまとめると自称被害者さんとは面識もないし、一度も喋ったこと無いんでしょ?」


「全く話したこと無いね。それどころか何組なのかもしらなかったんだ…」


「それに殴るだなんて最低な行為よ!!警察に相談したほうが良いわ!!」


「良いんだよ…愛華が俺の事を信用してくれてるだけで嬉しいから。それ以上は別に望まないよ。父さんと母さんがたとえ俺のことを否定したとしても、別に良いんだ…

もう父さんと母さんのことを信用しなければ良いんだ。」


「…私はお兄ちゃんがどんな状況になっても味方でいるから。なにか変なことをされたら言ってね?」


「…わかった。」


それからも妹と数十分話をし続けた。妹が部屋に帰ってからは再びドアを物で封鎖してだれも入ってこれないようにした。


父さんも母さんも…どうして俺の事を信じてくれないんだよ…















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お陰様で恋愛週間ランキング8位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず…

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