第5話 振るわれる暴力と必死の弁明
「っく…」
俺は顔面に拳を叩きつけられ、思いっきり床を転んだ。先程殴られたときには口の中を切ってしまい、血が出てしまったが今回はなんとか後ろに引いたお陰でそういった傷はできていなかった。
そして俺は父親と思しき人物の事を睨みつけながら立ち上がる。そして俺は周囲を見渡して校長室の座先に座ったままの面識のない女子生徒に向かって話しかけた。
「お前は俺がこうやって暴力を振るわれる事が望みなのか?自分の父親と母親呼んでまで嘘をつくのは楽しいか?」
俺は口の中にたまった血を飲み込みながら、面識のない女子生徒に向かって話しかけた。その瞬間母親がこちらに向かって詰め寄ってきた。
「何が嘘よ!!あんたがこの子のことをイジメたってのは聞いているの。貴方の両親を呼びなさい!!今すぐに!!」
「娘だからって全てを真に受けないほうが良いですよ。貴方の娘さんが今まで嘘をついてないのなら別ですけど…」
「あんたは黙ってなさい…これからは貴方のご両親と私達で話をします。それと私達の娘に謝りなさい!!」
「…自分がやってもいないことを認めろとおっしゃるんですね?」
「そうやってすぐに嘘をつくのね!!頭を下げて『すみませんでした』って言えば済む話なのにどうしてそれが出来ないのかしら!!」
「俺はそもそも彼女のことを知りません!!名前だって聞かされずにここまで来たんですよ!!それに俺がイジメをしたとおっしゃいましたけど、なにかそう判断する材料はあるんですか!!」
「あるに決まっているじゃないか!!被害者が居るんだぞ?その被害者が君がやったと言っているんだから、君がやったと判断されて当然じゃないか!!」
「では第三者を呼んでください。その時の状況を詳しく知っている方で良いので呼んでくださいよ。もしその方が俺がやったと証言するのか確かめましょうよ。」
「君は意見できる立場じゃないことわかってないのかな!!お前は娘のことをイジメて心に傷を負わせた犯罪者だ!!さっさと両親を呼んでこい!!」
両親にだけはこんな話を聞かせたくない…それに、やってもいないことを認める筋合いはない!!
「両親を呼ぶのは特段構いませんけど、その前にいじめが本当にあったのか確かめるべきではないんですか?」
「それもそうだな。でもな、お前が居ると本当のことを喋ってくれないかもしれない…だからここから一度出て言ってくれないか。」
「人のことを殴っておいて良くそんな事を平然と言えますね。貴方のやってることを警察に行っても良いんですからね?貴方がやったことはただの犯罪です!!俺がイジメをしていたとしても許されませんから!!」
「卑劣な犯罪者に耳をかす必要はないな!!どうせイジメをするような犯罪者なんだし、後で何をするかわからないからな。」
俺はその女子生徒と一度も喋ることなく校長室から退出した。校長先生と教頭先生が校長室の外に立って仲の様子をうかがっていたらしく、心配しているような表情で立っていた。
「ふん…いい気味だ!!」
「流石に私達も殴られるとは思ってもいませんでした…とりあえずこれを使って下さい。」
教頭は俺に絆創膏を複数枚渡してきた。俺はその絆創膏と一緒になにかも渡されたことに気づいて、俺は教頭先生の方を振り返った。
教頭先生は校長先生と何かを話していたようだった。俺はそのなにかがメモ用紙であることに気づいた。そしてメモ用紙の中身を頭の中で読んだ
メモ用紙の内容は簡単に言えばこの後時間があれば、ちょっと付き合ってくれないか?と言った内容だった。正直校長も教頭も信用ならないけど、絆創膏を渡してくれたのはありがたかったし、少なくともこの学校の内部だったら一番信用できるのは教頭だ。
話がいつ終わるのかはわからないし、教頭がどういう意図を持ってこのメモ用紙を渡してきたのかはわからないけど、すくなくとも校長よりかは信用できるから指定された場所に後で向かうとしよう…それよりも今はこの状況をどう切り抜けるか考えなければ…
俺は教頭からもらったメモ用紙をポケットに仕舞って校長室の扉の前で待っていた。そして校長室の中から俺のことを呼ぶ声が聞こえた。
その声を聞いて俺が中に入ると、怒りの表情を浮かべた父親が俺の事を睨みつけてきた。先程は殴りかかってきたのに今回は殴ってこないところを見るに、嘘が判明したんじゃないか?
そう思っていた俺だったが、その予想はすぐに裏切られてしまった…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お陰様で恋愛週間ランキング16位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます