第4話 晴れない冤罪と決めつけ

授業をこなしていくうちに、周囲からの懐疑的な視線が気になった。そしてその視線を浴び続けるのが段々と辛くなってきて、俺は思い切って話しかけることにした。


「ねぇ…どうして俺の事をずっと見てくるの?」


「お前となんて話したくねぇよ。お前自分が何をしたのか分かってないのか?」


「…本当になんのことかわからないんだよ。だから教えてくれよ。どうして皆が俺のことを朝からずっと避けるように動いたり、睨んできたりするのか…」


「じゃあ言わせてもらうけどよ。お前他のクラスの奴をイジメてるんだってな。正直お前みたいなやつが、人のことを平気でいじめするんだろうなって思ったよ。」


「待って。俺は他のクラスの人をいじめたりなんかしていないよ。そもそもイジメてるって言うのは誰から聞いたんだ?」


「あぁ?噂に決まってんだろ。お前みたいなやつがこのクラスに居るとクラスの雰囲気が悪くなるんだよ。さっき先生に呼ばれたのもおんなじような話なんだろ?」


「先生に呼ばれたのは、確かにそれに近い話だけど…」


「やっぱりな!!お前のことこの高校に入ってきた頃から、変なやつだとは思ってたけど他のクラスのやつをいじめるようなやつだとは思わなかった!!」


俺は否定を続けるけど、周囲の視線は段々と厳しいものに変わっていった。でもここで否定することを諦めて教室から抜け出しでもすれば、彼の主張である『俺が他クラスの子をいじめている』というのを認めたと捉えられても仕方が無くなってしまう…


そんな事を考えながら、どうすれば俺が他クラスの子をいじめていないという証明ができるのかを考えた。そもそもいつの時期のことなのかも説明ができないため、担任の先生の時に使った妹の誕生日だから帰ったというのも通じないだろう。


そして次の授業の時間になり、一旦話し合いを終えて席につくと校内放送がかかった。そして校内放送で俺は校長室に呼び出された。


校長室の前に行くと、教頭先生が立っていた。教頭先生は俺のことを見るなり、怒りの表情を浮かべた。そして俺の方に大股で近づいてくると、肩を掴んで激しく怒鳴ってきた。


「君は他のクラスの子をいじめるだなんてなんてことを考えているんだ!!その子の親が怒って学校にクレームを入れてきたじゃないか!!」


「教頭先生…俺は他のクラスの子をイジメたりなんてしていませんよ。それどころか…いえなんでも無いです。」


虐められていることを言おうかと考えたけど、言ってしまえば更に話がこじれると考えて今は話すのをやめておこうと思った…そして教頭先生は俺が言い淀んだからか怪しむような顔をしつつも、焦っているような表情になった。


「とにかくその子の両親が貴方を出せっていうので貴方には説明責任を果たしてもらいます。頼みましたよ!!」


そう言って教頭先生は、校長室の中にいる校長先生を呼びに行った。校長室の扉を開けた瞬間に校長に対する罵倒の言葉が響いた。


そして校長はその言葉に対して謝罪をしながらも、校長室から出てきた。校長室から出てきた校長先生は疲れ切ったような表情をしていた。そして俺の事を見るとため息を付いた。


「はぁ…黒金君」


「何でしょうか校長先生?もしかしてイジメの件で話したいことがあるのでしょうか?」


「そのとおりだ。でもその前に、あの両親と話をしてきてください。その後は貴方の両親も交えてお話をしましょう。」


「どうして確定していない事で俺の両親を呼ばれなくちゃいけないんですか?せめてイジメが確定してからそういうのってやるものじゃないんですか?」


「…イジメをしているクソガキがうるさいんだよ!!私には生徒を守る義務がある。だからイジメなんてするやつは許せないんだよ!!」


「そうですか…」


校長先生がそんな口調で良いのだろうか…そう思ってしまったが、校長室の中に入り俺がイジメたとされている生徒と、その両親と対面することになった。


俺が校長室に入った瞬間に大柄な男が俺の襟首を掴んできた。そしてそこら中につばを撒き散らしながら、俺に対して暴言を吐いてきた。


「てめぇ俺の娘の事をイジメたんだってなぁ!!ふざけんじゃねぇ!!」


「はぁ…」


「なに溜息ついてんだよ!!こっちが怒ってんの分からないのか!!」


「ちょっと貴方…そんな事をしたら例えイジメが本当だとしても貴方のほうが悪くなるわよ。暴力を振るうなんてそんな事をしちゃ駄目よ。でも私達の娘をイジメたなんて許せないけどね。」


母親らしき人物は俺の方をにらみながらも、父親の事をなだめていた。


「あぁ?お前は黙っとけ!!」


「…わかったわ。」


「それじゃあ話をしようか。お前がしたイジメの内容は?しっかりと説明をしてくれるんだよな?」


「まずはその件について誤りがあることを説明させてください。俺はそこにいる彼女のことをイジメてなんていませんし、認識もありません。」


「てめぇふざけんな!!」


父親らしき人物は俺の事を殴りつけてきた。顔面を殴られたことで、口の中が切れて血が出てしまった。


「貴方は随分と頭に血が上りやすいみたいですね。例えイジメていたことが正しかったとしても、この事について警察に言えば貴方こそ大変なことになりますけどね。」


「脅しのつもりか?いい加減にしろ!!俺が把握しているだけでも結構なことをしてくれたらしいじゃないか!!月に数千円渡させていたり、コンビニでいろんな物を買わさせていたらしいじゃないか!!」


父親らしき人物は相当怒っているのか、再び拳を振り上げて俺の顔面に叩きつけてきた。
















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お陰様で恋愛週間ランキング26位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

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当分は深夜に投稿することになると思います…


若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…

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