第3話 身に覚えのない冤罪
「先生どうして俺の事を教室の外に呼んだんですか?教室の中で話せばいいじゃないですか…」
「貴方は自分がしたことの重大さを分かっているんですか!!とにかく先生について来なさい!!」
「はぁ?俺がなにかしたっていうんですか?」
「言い訳とかは聞くつもりはないから。とにかくついてきなさい。」
「どうしてついて行かなくちゃいけないんですか?先生だからって生徒が無条件で従うとでも思っているんですか?」
「理由はなんでもいいのよ。とにかくついてきなさい。何回も言わせないで」
「だからどうして俺が先生について行かなくちゃいけないんですか?そんなに他の人に聞かれたくないことなんですか?」
「えぇそうよ。だからついてきてほしいって言ってるの。早く着いてきなさい。」
俺は担任の態度に違和感を感じながらもあとに付いていった。担任は生徒指導室の扉を開けると中にはいるように言ってきた。そして扉を乱暴に閉めると、椅子に座りこちらのことを睨んできた。
「なんでそんなに俺の事を睨むんですか?俺なにか悪いことをしましたか?」
「はぁ…本当に貴方のことを見てるとイライラするわ。貴方女子生徒のことを殴ったって聞いたけど、謝りもしないんですってね。」
「…先生俺は何もやっていませんよ?俺の事を根拠もなしに疑うのはやめてください。」
「証拠なら上がってますよ?男子生徒3名と女子生徒2名から、貴方が放課後に女子生徒の事を呼び出して殴ったいう風に報告を受けています。」
「先生はもしかして報告だけで判断する方なんですか?監視カメラなんかでもっと決定的な証拠を提示してくださいよ。というか誰がそんな事を言ったんですか?」
「その生徒たちは匿名でお願いしたいという風に言っていたので、貴方に言うことはありません。」
「なんで匿名が良いんでしょうね?よく考えてみれば分かることじゃないですか?」
「そうね。貴方が女子生徒に手を上げるほどの凶暴な生徒なんだから、もし言ったことが露見してしまえば貴方が復讐しに来るとでも思ったんじゃないですか?」
「それもそうでしょうけど…もっと大事なこと忘れてませんか?」
「何よ…何も忘れてないと思うんだけど?」
「はぁ…先生は生徒の事をいつも考えてくれてるもんだと思ってましたけど、幻想だったんですね。そもそも一方の生徒だけの話を聞いて決めつけるのはどうかと思いますよ?例えばここで俺が認めたら貴方は保護者にも言うんでしょう?というか被害女性の名前は教えていただけますよね?」
「…貴方が呼び出したんだから当然知っているでしょう?」
「俺は放課後この学校に来ていません…なぜなら妹の誕生日を祝ってましたからね。何ならその時間に写真も取っていますしそれを見せてあげましょうか?」
「…そうなのね。じゃあ一つ聞くけど、貴方は本当に女子生徒に手を上げてないのね?」
「そうに決まってるじゃないですか。俺は担任の先生がこうやって人の事を悪者だと決めつける人だと気づけてよかったです。」
「…」
「黙ってるのは結構ですけど、先生として説明責任くらいは果たしてもらえませんか?さっきの匿名の話だっておかしいことに気づきましたか?俺が本当に女子生徒に手を上げてるんだったら確かにそういう考えに行き着くかもしれませんが、今俺は冤罪を賭けられたんです。その冤罪を晴らすためには先生に説明をしてもらわないといけません…お願いできますよね?」
担任の先生がこんな人だとは思わなかったな…というか強い口調で話すのは若干無理してるから、長くは話せなさそうだな…早くこんな話は切り上げて授業を受けたいんだけど…
「わかったわ。まず被害を訴えた女子生徒なんだけど、1-5の佐々木美波さんと言う方よ。」
「1-5の佐々木美波さんですね…はいわかりました。後日どうしてそんなことを言ったのか確認するつもりなので同席してください。」
「…わかりました。それで次は、貴方が女子生徒を殴ったと証言した生徒ですね…」
「それで一体誰なんですか?俺の事を冤罪にはめようとした人は」
「それなんですが…男子生徒の方は一人しか名前を教えてくれませんでした。それでも大丈夫ですか?」
「えぇ良いですよ。それと女子生徒の方もよろしくお願いしますね?」
「わかりました…」
俺はその後も先生から詳しく話を聞いた。するとこの冤罪の犯人が大体わかってきた。問い詰めるとしても証拠が圧倒的に足りないしどうするべきか…
俺はそんな事を考えながら教室に戻るため、生徒指導室から出て自分の教室に向かってあるきはじめていた。
「ふぅ…なんとか乗り切った〜あんな口調で喋るなんて無理だよ…最近イジメがエスカレートしてきてるのに俺の事をまだイジメ足りないのかな?」
そう…俺の事を冤罪にはめようとしたのは、昨日俺が帰ろうとした時に待ち伏せていたあいつらだったのだ。
「とにかく名前は聞けたのがデカいな…」
証拠が揃い次第問い詰めればいいだろう…でもそんな簡単に証拠が集まるとは思えない。むしろ変に行動すれば、また同じようなことがおきかねない…
「まぁまずは授業を受けないと…でも今日は担任の授業があるから、目を合わせんのめんどくさいな…」
両親に迷惑がかかるから、授業をサボったりするつもりはないけど、どうも気が乗らない…朝から酷い冤罪をかけられたからかすごい精神をすり減らした気がする。
一時間目の授業には大幅に遅れてものの、参加することが出来たので良かった…
この時の俺は冤罪が晴れたと思っていた。しかし、この冤罪と長く付き合っていくことになるとはこの時の俺は思いもしなかったのだ…
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干文章がおかしいところがあるかもしれませんが、気にせず読んでいただけると幸いです…
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