第20話

「はぁ…あんたは契約を守りさえすれば問題ない。早く行動しなさい」

エイト「そもそも契約魔法…本当にそんなことできるのか?」

「何が言いたい?」

エイト「もっと最初から気がつくべきだったんだ。この契約魔法と言われて手につけられた紋様。契約なら当事者二人ともに付くべきなのにあんたの手にはそれがない」

「…」

エイト「そして契約時に感じた痛み、それは熱せられたようなものだった」

「…」

エイト「焼印。これがお前の契約魔法の正体だ。そして契約魔法なんて大それたものじゃない。これは火の魔法を応用したものなんだろう」

「…」

エイト「なんとか言ったらどうなんだ?」

「それじゃ契約を破ってみるといい。自分の命を捨てる勇気さえあれば」

エイト「破ろうとした瞬間、死ぬかもしれない。か…残念だったな。タネも破れている」

「ほう」

エイト「破ろうとした瞬間、殺されるんだろう。もう一人の妖精に」

「全てがわかった状態で戻って来たのか…アホだな」

エイト「いや、全てが解けたのはここに来たときだ。そこに置いてある新聞。フェアリーズなんて誰一人書いていない。そもそも捕まったことがデマだったっていうのは今気がついたんだからな」

「それでどうする?」

エイト「どうするもこうするもわざわざあんな芝居を打って何を盗み出したんだ?あんな一大騒動を起こしたんだ。相当いいものを奪ったんだろう?」

「さぁな」

エイト「それともう一つ…」

「なんだ」

エイト「揉ませてはくれないのか」

「…」

エイト「揉ませてくれないのかぁ!」

「肩なら揉ませてやるとも。ここを抜けたらな」

エイト「なんか色々と違うー!」

「それでどうする?お前も逃げるか、ここで大人しく暮らすか」

エイト「…決まっているだろう」

「ふっ…そうか」

エイト「揉ませろぉ!」

「…」

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