第19話
エイト「今日腹痛いんで帰ってもいいですかね」
「ああ、この間は助かったよ。娘のために早く帰れて泣いて喜ばれたよ」
エイト「それじゃ、よろしくお願いします」
「もうこの時間から人も来ないだろうから…ま、大丈夫だろう」
エイト「お疲れ様でした!」
―
「おい!誰か一人来い!」
「え、何かあったんですか」
「囚人が全員脱走した!」
「なんですって!」
「今は一人でも人が欲しい今日は二人いただろう!?」
「すみません、一人は腹を下して帰ってしまいました!」
「くそ!早く呼んでこないとお前の給料なくなるぞ!」
「直ちに!」
―
エイト「これで終わったな」
「お疲れ様、あとはどうやってこの街を出るかだけど」
エイト「そこまでは面倒見きれないぞ、別に俺が顔割れているわけではないし」
「お前の手、見てみろ」
エイト「は?…なんで魔法が切れてないんだ?」
「お前はここから私たちを出してもらう。そこまでが契約だ」
エイト「はぁ…?無理に決まってるだろ。もうどこも厳戒態勢だろ」
「それでもお前は熟さないといけない。そういう契約だからな」
エイト「ふざけるなよぉ…どんだけ今回の騒動で命をすり減らしたと思っているんだよ」
「契約をしたお前が悪い」
エイト「…」
「ここも時期にバレる。早く行動しないと全員捕まるぞ」
エイト「お前らが稼いだ金で賄賂でも握らせればいいんじゃないか?」
「それができたら今こんなことにはなっていないだろ」
エイト「…」
「さて、どうする?」
エイト「その前に確認したい。お前の姉貴はどこにいる」
「さぁ、どこにいることやら」
エイト「そもそも姉貴というやつは存在したのか…?」
「急に何を言いただすんだ?」
エイト「だっておかしいだろう?姉貴を助け出したはずなのに一緒に行動しないなんて」
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