第10話

「それではやるということでいいんだな?」

エイト「断る権限があるのか…?」

「ないな」

エイト「それって聞く意味あるんすか?」

「ないな」

エイト「なんのために聞いたんすか?」

「私の契約魔法を成立させるためだ」

エイト「契約魔法?」

「私の魔法は契約魔法。破ったものは死ぬと簡単な魔法だ」

エイト「契約っつったらこっちにも利がないと成り立たなくないか?」

「そう。だからお前がやると言った後、お前も条件を出す。それで合意がなされたら契約成立だ。だから私から提案しているのだ。ちなみに変な要求をしても私が拒めば無効となるだから身の程を弁えた内容にしろよ」

エイト「揉ませろ」

「いいだろう、そんな簡単な内容でいいのであれば。それでは契約成立だ」

エイト「イッテェ!手の甲が焼ける!」

「一種の呪印だ。大丈夫、痛みは一時的なものだ」

エイト「だからそういうことは先に言えよ!」

「さて、それじゃ作戦会議と行こうじゃないか」

エイト「あの…その前に色々と解いてくれませんかね?」

「一回自分で解けたんだから自分で解けるだろ」

エイト「いい加減じゃありませんかね…」

「それでは作戦を話すぞ、今姉貴は騎士団の牢屋に収監されている。そこから救い出すのが今回の目的だ」

エイト「え?なに?お姉さん捕まったの?」

「そういうことだ」

エイト「え?騎士団っていうのは?」

「この国ヨイツの騎士団だ」

エイト「え?国相手なんすか?」

「“フェアリーズ”は大怪盗だからな。指名手配されている」

エイト「え?それ脱獄の手助けをしたら俺も指名手配されないか?」

「もちろん、バレたら処刑されるだろうな。おそらく」

エイト「マジブラックじゃん。契約クーリングオフします。揉めなくていいです」

「一度交わした契約は反故にできない。それがこの契約魔法だ。裏切る、逃げるなどをしたした瞬間お前は死ぬ。頑張ってくれたまえ。ちなみに私は参加しない」

エイト「俺一人でどうにかしろってことかよ!国相手によ!」

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