第9話

再び目と手足を縛られた。だが、口だけは空いている。

エイト「なんで捕まえられているんだ?」

「お前私たちの見覚えがないのか?」

エイト「えーっと…どちら様でしたっけ…?」

「はぁ…本当に興味がなかったんだな」

エイト「はぁ」

「お前道中絡まれなかったか?」

エイト「めんどくさ…え?」

「あの時、お前は私たちを助けなかった。一体なぜだ?」

エイト「え?そんなことで捕まってるの?なんで?」

「お前があの時助けてくれれば姉貴は…!」

エイト「まさか…しん…グフっ」

「生きてるよ馬鹿野郎」

腹部に鋭い痛みが走る。ありが…いてぇ。

エイト「いってぇ…」

「お前には姉貴を助け出す手伝いをしてもらう」

エイト「わざわざ捕まえなくても話せばいいだろうが…」

「助けを求めて無視したやつが頼んで行動すると思うか?」

エイト「んー…時と場合によるかな…グフっ」

「断らせないために捕まえたんだバカ」

エイト「ばかすか蹴るなよ…第一俺じゃなくても他のやつに頼めばいいだろうが」

「私たちが何者か知らないな?」

エイト「知らないから言ってんだよ」

「私たちは泣く子も黙る大怪盗“フェアリーズ”だ!」

エイト「だっさ…グフっ」

「口の聞き方には気をつけなよ?」

エイト「最初の時点で言ってくれませんかね…」

「さて、お前には2つ選択肢がある。私たちに協力して姉貴を助け出し、生き延びるか。私たちに協力して姉貴を助け出し、死ぬか」

エイト「あぁ、助けることは絶対なのね」

「当たり前だろ、そのためにわざわざ攫ったんだからな」

エイト「はぁ…めんどくさ…」

「それでどうするんだ?死ぬか?」

エイト「どうしても手を貸して欲しいんだったらそういえばいいじゃねぇか」

「手を貸してくれと言ったらお前は貸すのか?」

エイト「いや、めんどく…グフ」

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