第8話

どうやら野営していたら捕まったみたいだ。手と足が何かで結ばれて、目と口も塞がれている。

何故だ?透視をしてみる。

何か座っている人がいる。身体つきからして女か…ラッキー…でもないか。

モゾモゾ動いて音を出してみる。

座っている人は動かない。どうやら眠っているのか気づかないのか。

音を聞くに誰かがいるとも思えない。

反響音があることからどこかの中ではあると思う。地面は冷たい。

手首を締めているものを火魔法を使い、炙っていく。

少し焦げる匂いがする。透視しながら様子を伺う。

ふらっと座っている女性?が動く。

火を消し、再び寝たふりをする。

どうやらジャーギング現象だったみたいだ。再び火を使い炙る。

手首が少し熱いが我慢する。

プスっと切れ、手が自由に動く。目と口を塞ぐものを外す。

周りを見るとどうやらどこかの倉庫のようだ。

足首を縛っている縄を解く。

静かに立ち上がりながら注意して辺りを見回す。

どうやら今は朝になる前、おそらく4時くらいだろう。外が少し明るくなりかけている。

荷物を見つけ、回収。扉を探す。

どうやら座っている女性が見ている方向の扉が入り口であり、出口なようだ。

他の荷物があるのか隠れようと思えば隠れるのだろうが、他の仲間が帰ってくるかもしれない。こういう時はさっさと帰るに限る。

足音を殺しながら扉の方へ向かう。

そろ〜り、そろ〜り。

「う〜ん」

その声にハッとする。ゆっくり振り返ってしまう…。

どうやら、寝言のようだ。

振り向き直し、扉に手をかけようとすると

ガタガタ!と小刻みに揺れる。

あ、終わった。目を閉じ、座り込むが…特に何もない。

エイト(ふぅ…)

扉に手をかける。どうやら横に引く扉なようで、開けようとする。

せーの!

「何をしてるの?」肩に何かが乗っている。

目の前が真っ暗になった。

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