第8話 イベント進行



【ハンターアカデミア】

ハラシアにある国運営のハンター育成機関

原則、ハンターになるにはアカデミアの卒業が必須とされている


ハンターアカデミアについて、ミリアから大まかな説明を受けた


国は、活性化し続ける魔物対策で、育成に力を入れており、手続きさえ踏めばほとんどの希望者は入学出来るそうだ


「ミリアさん、説明ありがとうございます」

「いえ、とんでもないです」


「とりあえず、今日は食事にしましょうか」


気づけば夕方だ、そろそろ食事にした方がいいだろう


「……飯…食べる…」

「そうですね、丁度お腹ペコペコです」


2人も賛同してくれたことだし、街に出て【アルバニア食堂】に行くことにする

朝のガッツさんとの約足も果たさないとだしな


3人で【アルバニア食堂】へ向かった



ーーーーーーーーーーーーー


「ガッツさ〜ん、約束通り来たぞ〜」


初日の入店が嘘のように華麗に入店を決める、

ふっ、伊達に1年間生活してないぜ


「おう!ユーキ!早速来たか……っておん?」


俺の後ろに続いて入ってきた、ミリアとクーデリカに驚いている


「ユーキ、お前遂に犯罪者に…」

「ふざけんなあぁぁ!なんでそうなる!!」


安定にボケてくるガッツさん、しかし2人の存在に驚いているのは間違いない


「初めまして、ミリアと申します」

「クーデリカ……です…」


ハンターアカデミアに入学する為に、ハラシアに来たと説明しテーブル席に腰掛けた


「いらっしゃいませ!ユーキさん!お久しぶりです!」

「ミイちゃん!久しぶりだね!相変わらず可愛いね!」

「えへへ〜!ありがとうございます!」


「……ロリコン…………」


おいぃぃ!!クーデリカさんそれは言っちゃあいけないよおお??


わちゃわちゃしながら【アルバニア食堂】で食事を済ませた


誰かと一緒に食べるってのも、悪くないもんだ



ーーーーーーーーーーーーーー


食事を済ませ、自宅へと帰宅した俺たちは寝床の話で揉めていた


「……ベットが……いい……」

「出来れば私もベットが」


この通りベット1に対して、希望者が2人


「うーん、このベットだと2人ならギリ寝れるとは思うけど」


「クー…子ども……違う…」

「私も、18にもなって姉妹で一緒にというのは、いささか抵抗があります」


どうしたものか……

そうだ!寝室の押し入れには予備の布団しか入ってないしクーデリカなら丁度入りそうだ


「クーデリカちゃん、大人な君にひとつ提案があるんだが」

「……なに…?」


バッと押し入れを指差し

「この秘密基地で寝ることを提案させて頂きたい!」


「………………」


クーデリカは何も言わず、顔を伏してしまった

さすがにバカにしすぎか…


「ユーキ…素晴らしい……提案…!」


あはは、この子アホだ


目をキラキラとさせて押し入れに突入したクーデリカ


「てなワケで、ミリアさんはこのベットを使ってください」

「すみません、私たちのワガママを聞いてもらってしまって…」


申し訳なさそうにするミリア


「俺は全然大丈夫ですから、今日は明日に備えてお風呂に入って寝ましょう」


「えっと、お風呂は一緒にですか?」


うん、違うよ

そりゃ入りたくないと言えば嘘になるよ?俺だって男だし、この1年間そんな神イベントなんてなかったし?


「では、僭越ながらご一緒させて頂きますね」


ええええぇぇえ!マジで!?やっふぅー!!


「え、いや、ちょ、その」

「ふふ、冗談です///」


ペロっと舌を出して笑ってみせるミリア


み、ミリアさぁん…心臓に悪い冗談やめてくれ…


お風呂の用意を持って、1階の浴室へと向かうミリアを、呆然と見送る俺


ガラガラと押し入れの襖が開いて

「…残念…無念……また来年」


とだけ言い残し襖を閉められる


それ言うためだけに開けたの…クーデリカさん…


惨めなさを振り払うかのように、寝室の隣の物置部屋と化した部屋に、寝床を作る作業に勤しむ


「こんなもんかな」


額に流れる汗を拭い、即席にしては満足のいく出来のベッドを見ていると


「ユーキさん?クーデリカも上がったのでお風呂どうぞ」


「はーい!ありがとうございます」


とりあえず風呂に入ろう、明日はハンターアカデミア入学手続きなるイベントだ


この1年間起こりえなかったイベントが次々発生している、俺はワクワクによる口の緩みを抑えながら、浴室へと向かった

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