第7話 共同生活



何を言い出すかと思えば、ここに?住む…だと??


「こら!クーデリカ!突然なんてこと言い出すの!?ユーキさんもすみませ…」

「大歓迎です」

「えええぇぇえ!!??」


ミリアの制止を制止て歓迎を伝える、こんなビックイベント逃す訳にはいかねぇ…

ここでの選択肢は間違いなく快諾…!俺の脳内異世界転生シミュレーターもそう告げている


「ユーキ……良い奴……」

「そんな、でも…」


満足気そうなクーデリカと戸惑うミリア、両極端な反応でなんか面白い


「こんな家でよければ!お二人の役に立つのならば!!」


熱く語る俺に若干引いているのが分かる


「ありがたいお話ではあるのですが…本当に良いのでしょうか…?」

「俺は本当に大丈夫です、けどなんで俺の家に住むことがありがたいんですか??」

「それは…」


もしかして、俺のことが、す、すす、好きだからとかか…!?


「アカデミア入学に辺り、学生はハラシアに住まいを設けるか、寮に入るのが一般的でして


どちらにしてもお金が掛かりますので、親の後ろ盾のない私達に、住める家というのは大変ありがたいお話ではあるのですが…」


あ、はい、まぁそうですよね、なんかすんません


「男の家にってのは引っかかりますよね…」

「まぁ、その、、はい、、」


くっ、せっかくのイベントだが、ミリアの警戒を解かなければ先には進まなさそうだ…


「……寝室は…2階……?」


おいぃぃぃぃ!何1人だけ内見しちゃってんのおお!?

こっちで男女がひとつ屋根の下って言うのはってお話してるよね??


俺とミリアの会話には目もくれず、2階への階段を上がっている


「クーデリカが気に入っているみたいなのでまぁ大丈夫でしょう、私も2階見せてもらいますね!」


ミリアあぁぁ!何ちょっとワクワクしてんのぉぉお??階段スキップで上がってたよね??


クーデリカとミリアの後を追い、俺も2階へ上がった、なんか思ってたのと違うけどイベント進んだっぽいし…まいっか♪


「2人とも、住んでもらうに当たって、ルールなんかを決めたいと思うんですけど、よろしいでしょうか?」


寝室ではしゃぐ2人を捕まえて、同居のルール決めを提案する


「そうですね、はしゃいでしまいすみません」

「……分かった……」


2人を座らせ、家事炊事に関する決め事を話していく


「まず2人の家事炊事レベルを教えてもらえますか?」


「………………」

「………………」


2人ともバツが悪そうに顔を見合わせる


「大変申し上げにくいのですが…これまでメイドさん達に身の回りのお世話をしてもらっておりまして……」

「…出来ることなど……ない……」


申し訳なさそうにするミリア、何故か偉そうなクーデリカ、この2人本当に双子なのか??


「そういえばお姫様ですもんね、とりあえず俺が教えていきますから、出来ること探していきましょうか」


「はい!よろしくお願いします!」

「……うむ……!」


こうして、ミリア&クーデリカの家事炊事特訓が始まった



《料理タイム》


「あっつ〜いっっ!!」

調理中のミリアの手に跳ねた油が当たり、思わず持っていたフライパンを投げ飛ばしてしまう


俺に向かって


「なんでこっちに投げるのぉぉお!!」

「ご、ごめんなさい〜〜」


《掃除タイム》


タッタッタッ…ドゥオゴーン

「やれやれ…………脆い……壁…………」


部屋の雑巾がけをしていたクーデリカは、勢いそのままに壁を破壊している


「おいぃぃ!!何ダイナミックな換気してんのぉぉお??」


《洗濯タイム》


「ミリアさ〜ん調子はどーですか〜?」


風呂場で洗濯をしている様子を見に、風呂場を覗くと


「なっ///やっ///」


上半身裸で自分の服を洗う、あられもない姿のミリアさんがいた


(うん、やっぱり大きいな)


「いやぁあぁぁああ!!!」

傍に置いていた槍をぶん投げてくる


「ふべしっっ!」


普通、同居人に槍…投げるか…?俺じゃなきゃ死んじゃうね、だぞ全く


もちろんその後、頭を垂れてミリアさんに許しを乞いました


ーーーーーーーーーーーー


「とりあえず、2人は料理と掃除はもう少し置いておきましょう…」


「面目ありません…」

「……めんご…………」


クーデリカさんは反省してるのかなぁ??


2人の家事炊事レベルを把握したところで、2人には出来ることからゆっくりゆっくりやってもらうことにしよう


でなければ家が崩壊しかねないからな…


「ところで話は変わるんですが、ハンターアカデミアにはいつ入学なんですか??」


「1ヶ月後に入学式がありますので、明日にでも手続きに行こうかと考えています」


入学式か、懐かしい響だな


「とにもかくにも、アカデミアに入学し卒業しなければハンターにはなれませんからね」


ミリアの発言に耳を疑った


「え?ギルドで申請すればハンターになれるんじゃなかったでしたっけ?」


「えぇっと、それは去年までの話ですね、今はハンター法の改正で原則アカデミア卒業が必須になってます」


えぇぇ!そーなのぉお!!俺が1年間無駄にしてる間に、法律変わってもうてるやーん……


驚きおののく俺にミリアが、手を挙げて聞いてきた


「ユーキさんはハンターではなかったのですか?オークをあっさり倒されていたので、てっきりハンターだと…」


「すみません、ただの村人です…」


ミリアも驚いている


「単身でオークを倒す村人なんておとぎ話でも聞いた事がありません…ただ、貴方がそんな嘘付くような人でないのも事実」


深刻な顔のミリア、何か問題でもあるのだろうか


「何か問題があるのか、という顔をされておりますね…」


ミリアさんメンタリスト?


「ハンターじゃないと何かまずいことでもあるんですか?」


「はい、ハンターはギルドの許可なく魔物を狩る事を禁じており、ユーキさんの行為は密猟と同意…なのです」


えぇぇえぇぇ!俺犯罪者じゃん……


「ですがご安心を、この事は他言致しませんので」


よ、良かった

まぁ、この1年の間の狩りに関しては、今の今まで咎められたことはなかったし大丈夫…だろう…


「これは提案なのですが、ユーキさんも一緒にハンターアカデミアに入学致しませんか?」


確かに、ミリアの提案は最もだ、というかそれ以外に選択肢はない


更にイベントが進む予感を、俺の脳内異世界転生シミュレーターがびんびん感じていた

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