第4話 なんでも答える質問配信!俺の人権は?

「はいどーも、白雪でーっす。本日もコラボをきっかけにフォロワーが爆伸びしたのでね、運営の要請で久しぶりの質問配信しまーす。細かい注意はスタッフさんがこの辺にテロップ出してると思うのでそれを読んでくださーい」


みずなとコラボをした2日後、俺は今、数ヶ月ぶりのエロトラップダンジョンじゃない配信———コラボはみずなの方での配信だけなので除外とする———をしていた。


「題して!第13回、セクハラプライバシー侵害何でもかかってこいや!〜私はお前たちの質問なんかに負けない〜で〜す!!イエーイ!!!……帰っていい?」


・でたわね

・久しぶりの人権ガン無視企画だ、テンション上がるな〜

・世紀末みたいな配信はもうしないって言ってたのに・・・

・名前から負けそうで草


誰がつけたんだか、訴訟配信なんて異名を持っているこの配信は、それはもう酷い内容なのだ。あ、もちろん訴訟は俺がする側ね。


「とりあえず初見の方にもわかるように説明いたしますと、同意無しでの使用が犯罪とされている真実の首輪2B・ホーネストを装着し、リアルタイムで更新される視聴者の皆様からの質問に嘘をつけないようにして回答していくという……ドブカスみてぇな配信ですね。ほんとに帰っていい?」


ちなみにこの首輪やたらとレパートリーがあり、つけるとくしゃみが出なくなるなんて言うジョークグッズのようなものから、体内の魔力を暴走させて魔法を使えなくしたり、自分に首輪をつけた人間の命令に逆らえなくなるなんて代物まで玉石混交だ。ちなみに最後のは当然のごとく禁制品である。そりゃそうだ。


・ダメです

・何度聞いても酷い配信やな

・裁判で被告側が無実を証明するために着ける以外の使い道が知ってる限りこの配信しかないんですけど


「一応補足しておきますが、これはあくまで量産版レプリカですからね、嘘をついたとしても死にはしませんのでご安心ください……安心できるか?これ……。まぁ、一応安全のためにサポート要員も呼んでるらしいので……誰なんですかね?俺も知ってる人とのことらしいですけど」


「私だよ!」


・クソペド睡眠姦さん!?

・2日程度で白雪ちゃんと顔合わせられるんエグすぎる

・謝罪して和解したとは言ってたけどそれでこんなにすぐ顔合わせられるかと言うと……メンタル強いですね笑


みずなはあの後結構炎上してたはずだが……あ〜……なるほど、これはつまりそういうことか。まぁいい機会ではあるわな。


「ではとりあえずデモンストレーションということでね、1度嘘をついた時と本当のことを言った時の反応を確認しましょうか」


・躊躇無く首輪を受け入れる女、さすがです

・首輪と顎の隙間から見える首筋エッチすぎでしょ

・エロトラップダンジョン配信はヤベェやつしかやらないって言うけどヤベェやつすぎんか


嫌とはいえ、この企画自体はもう2桁も経験しているのだ、残念ながら慣れてくるものである。


「ではまずは真実の方から……俺はメガネをつけていません。俺は成人済みです。俺は魔法が使えます。みずなさんとの先日の件は一切の禍根なく和解しております。……問題ないですね」


・あれで???

・大丈夫?催眠魔法かけられたりしてない?

・ガチ?


首輪これつけて嘘も何も無いでしょうに……そういうわけなので何かを叩きたいだけの猿はとりあえず俺でも叩いといてな〜。……さて、では次は嘘を言った時の動作ですかね。みずなは俺の補助お願いな」


おそらく運営が想定していたであろうみずなとの和解を嘘をつけない状態で公言し、新規の視聴者に起こされた炎上を消火するという……スタッフがめっちゃ親指立ててるし、多分合ってるだろ。あ、ついでにカンペも出してくれてる。なになに、え〜っと……


「俺は……敗北?する日を楽しみに、エロトラップダンジョンに潜って?います………………って何言わせ……」


「てくれとんじゃ!!!!!」


・お、起きた

・意外と時間短いのね

・真実の首輪って首チョンパしたり爆発したりするイメージだったけど案外優しくて安心した


カンペに書かれた言葉の意味に気づいた瞬間、俺はみずなの膝の上に座っていた。一瞬取り乱すも、視界の端を流れるコメントから今が配信中であることを思い出す。


「あ、あ〜、ということでね、これの効果も実演できたのでこれから質問に答えていこうと思うんですけど……みずな?下ろしてもらってもいいか?」


「このまま答えればいいんじゃない?」


あーそっか、下手にキャラ付けしてしまった以上みずなはしばらくそれで通さないといけないのか……


しゃーない、しばらくの間は俺も付き合ってやるべきか。


「ふむ、ではこのまま行きましょうか。それでは記念すべき1つ目の質問はこちら!


『何度見ても成人済みとは思えません』


これよく言われるけどね、この企画やる度に言ってるのにまだ来るんですよね。白雪ロリ派閥の力は思ったより強いのかもしれないですね。改めて言っておきますけど成人済みです」


・流し方に風格が出てる、ゴツい首輪つけてるくせに

・実際何度見ても成人済みには見えないんだよなぁ・・・

・みずなの膝にすっぽり収まってるこのロリが成人してるわけないだろ!いい加減にしろ!


「じゃあ次。


『最近見始めた者なのですが、白雪ちゃんがエロトラップを全回避していることが悔しく、溢れ出るリビドーのままにエロ同人を書いてしまいました

肖像権とかがあるため公開する訳にも行かず、かといって消すのもなんだか忍びなく・・・

白雪ちゃんに言ってもらえればどんなことでも決断がつく気がするので、お願いします』


……とりあえず、ひとまず現物を見てから判断しようと思いますので、データがあれば送ってください。クオリティによっては公開される……かも、しれませんので」


「雪ちん!!??」


・まじ!?

・やばい

・どういうプレイやねん


別にいいだろ、エロトラップダンジョン配信なんてやってる時点で……というかこの見た目な時点でそういう需要は織り込み済みじゃい。


「はい次。


『チン凸していい?笑』


うーん……この配信を見てる人全員に晒すし小さかったら容赦なく嘲笑うけど、その覚悟があるならいいぞ」


・ツッコミが追いつかん

・質問者も大概のはずなのに・・・


「お、一瞬で20件くらい飛んできたな、それじゃあチン凸DM一斉公開行ってみよ〜!!!」


配信と関係する魔法をちょっくら弄って、画面を俺のスマホと同期させて、と……


「そんじゃ見ていくぞ〜……短小包茎、短小包茎、短小包茎、短小包茎……お前らよくこんな粗末なモン見せられるな、有っても無くても変わらんだろ、そのサイズじゃ」


・酷すぎる三重の意味で

・有っても無くても変わらないwww

・この表情でこんなこと言われたらEDなるわ・・・


「とりあえずまともなの出てくるまで流すぞ〜、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミ……俺のリスナーには短小包茎しかおらんのか?」


・めちゃくちゃ雑に流してて草

・心底つまらなそうにチン凸相手に批評を行うロリっ子・・・閃いた

・自分より大きいのがゴミ扱いされてて泣きそう、というか泣いてる


「お、ここのふたり面白そうじゃん!こいつらでチン凸晒し上げは最後にするか〜……じゃあまずボブ!ムキムキ黒人男性のアイコンでこの名前なんて17cmは固……ちッッッッッッッッちゃ……ポークビッツ超えてピーナッツでしょ……一瞬女かと思ったもんこれ」


・人の心がない配信があるって聞いてきたんですけど

・配慮はないけど盛ってることもないのにこの辛口評価かぁ・・・


「よしじゃあ最後!ハンドルネームは巨根マン!名前に恥じないイチモツをを見せつけてくれるんでしょう!……でっか」


・やば

・馬?

・格の違いを感じるわ


しまった、あまりの大きさに言葉を失ってしまっていた。エロトラップダンジョンで肉体改造食らったやつくらいしか全部入れられなさそうなレベルなんだよ、ホントに。


「いっや~すげぇなこいつ……いいもん見せてもらったわ、素直に感動ですねこれ……さってじゃあいいもん見れたとこで次!


『チン凸雑に流してるけど経験多いんですか?』


みずなと第4回のこの企画で出てる通り処女だしついでに女の子の方が好きです。はい次」


「ぶっ!!??」


・みずみずお茶噴き出してて草

・和解したって言ってたしやっぱり白雪ちゃん実はまんざらでもなかったのでは・・・?

・第四回が俄然気になってきたな、これ終わったら見に行こ


「『自慰行為とかってどれくらいの頻度でしますか?』


そもそもしません」


・みずみずが噴き出したお茶かぶったまま回答してるのホンマ草

・さっきから表情一つ変えてないけど恥とかないんか・・・?


「この手の質問は無限に飛んできますからね、この質問も確かこれで5回目ですし」


・多くて草

・そりゃ慣れるわな




〈《》〉




「それじゃあ最後の質問ですね、


『配信の開始と〆のあいさつでエロトラップと嬌声溢れる優しいダンジョンといっていますが、なぜでしょうか?』


今日初めての真面目な質問ですね、ではお返しにまともな解説をば。


エロトラップダンジョンってほかにない特徴がたくさんあるんですけど、その中にもとくに有名なのが何個かあるんですよ。3つくらいですかね?」


・はえー

・エロトラップダンジョンの特徴とか全然知らん・・・


「まずは死なない、そして傷がつかないこと。例外は精々破瓜とかそれくらいですかね、痛みを感じることも基本的にはありません」


・だからバカみたいに太い触手であんな喘いでるんか

・てっきりそういう薬がいつの間にか使われてるんだとばかり


「そして何があっても一定以上の期間でダンジョンから脱出できるというのもあります。あとはモンスターを倒すと期間が延びるという研究結果もありますね、以上がエロトラップダンジョンが優しい理由……エロトラップダンジョンに掛けられた制約です」


・なるほどね、完全に理解したわ

・そりゃ痴態さらしてでもエロトラップダンジョン行くわけやな、帰ってこれるんなら死ぬよりましかもしれん

・モンスター倒すほどって白雪ちゃんだとどれくらいの期間になるんやろか


「質問の答えとは直接つながりませんが、向こうに制約がある以上こちらにも制約はかかってきます。身体能力や魔法の威力の低下であったり、思考能力の低下とかもありますね。それと私が捕まった時は……3か月前くらいに適当に計算したときは、最短6年最長287年という結果が出ました。終わりやな」


・草

・ほんとに終わりじゃん

・287年?????


「エロトラップダンジョンにいる間は老化が停止されるっていう噂もあるらしいですけどね」


それでも、さすがに287年は死ぬと思うが。


「ではでは、本日はこれにてお別れとなります。次回……流石に次回はエロトラップと嬌声溢れる優しいダンジョンでお会いしましょ~」


(このライブは終了しました リプレイを再生)

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