インプット健忘禄 ～好きな物だけ～

ゲーム・映画「スーパーマリオブラザーズ」

　赤い帽子にヒゲ、青のオーバーオール。

　日本人なら帽子に書かれている「M」を見なくても、誰かわかるでしょう。

　マリオとルイージの兄弟はもはや、全世界――おそらくほとんどの人が知っていることでしょう。

　マリオを主人公にしたり、舞台になるキノコ王国、その他の登場人物を扱ったゲームは山のように出ており、あらゆるジャンルのゲームが作り出されました。

　スーパーマリオと言えば、最初期の2Dアクションの頃から僕は遊んだことがあります。

　軽快な音楽と共に走り出す感覚、バックストーリーなんて考える必要の無いジャンプとダッシュを組み合わせたアクション。

　今ではパルクールと呼ばれるようなアクションを十字キーとABボタンでやっていたことを思い出しますね。

　それから時代が移り変わり、3Dアクションとなったマリオ64。

　マリオカートやルイージマンションといった全く別ジャンルのゲームも出て、本当に凄いコンテンツだと思います。

　そんな「スーパーマリオ」のゲームは簡単だけど、奥深い。そんなゲームが多い気がします。

　そして、小さなゲーマーがマリオと共に色んなジャンルのゲームを知り、成長していくのですね。

　僕にとって、マリオは勇気と不屈の象徴でした。

　N64のマリオ64やマリオストーリーで冒険や挑戦する楽しみ、失敗してもやり直せるシステムや様々なアクションによる試行錯誤。

　何よりも、「マリオと一緒なら」という安心感がありました。

　一方、ルイージの頼りなさも、マリオとの違いとして楽しかったですね。

　ルイージマンションは「マリオなら大丈夫」とは反対に、あれだけコミカルでデフォルメされた画でも恐怖体験になるというところが面白かったです。

　ルイージと一緒に飛び上がったりしてましたね。

　さてさて、そんなマリオとルイージの映画をようやく見ることができました。

　舞台はキノコ王国――ではなく、現実世界のニューヨークから展開。

　小さな水道工を始めたばかりの兄弟、そんな２人は順調とは程遠い状況でした。

　兄は持ち前のポジティブさと頑丈な身体。弟は弱気でドジだけど憎めないキャラ。そんな２人が突然、異世界に飛ばされてしまいます。

　それが、僕らの知ってるキノコ王国でした……！

　映画マリオは良い意味でジェットコースターのような映画で、これまでのスーパーマリオが築いてきた全てを振り返ることができるような作品に感じました。

　途中に挟まるクッパのジョークカットも、良い感じに緩急になっていて、色んなシーンでゲームや他の映画のパロディが挟まっていて終始笑いが止まりません。

　個人的にちょっと残念なのが、ドンキー・コング周りでしょうか。

　ドンキー・コングの住処と言えば、DKアイランドのイメージがある僕にとって、あまりにも近代化し過ぎているあの様相には少しショックを受けました。

　画のインパクトや「マリオカート」を登場させる前置きとしては、全然アリだとは思います。それになんだかんだ、あの世界のゴリラ連中は色んなテクノロジーを開発しているので、ああなってもおかしくないんですよねｗ

　それでも、あの忌まわしい「レインボーロード」で楽しくレースバトルを繰り広げ、派手でかっこいいシーンを作ってくれたことに感謝すら感じます。

※N64のマリオカートに登場する「レインボーロード」は他のコースとは別次元の難易度を誇るコースです。はっきり言って、子供がトライするようなコースレイアウトじゃないです。

　やっぱり、マリオが良くも悪くも「ヒーローじゃない」というのが良いんですよね。

　ヒゲの生えたお兄さん、周囲からダサいと思われているようなキャラクターがいきなり、アクションヒーローになれるわけじゃありません。

　終盤のクッパとの決戦の最中、冒頭に流れる自分達のTVCMを見て奮い立たされるシーンは――おそらく、マリオ以外では実現不可能なネタなのではないかと思います。

　それはゲームを遊ぶ僕らにも言えるでしょう。

　僕らのゲーマーとしての経験は確実に、マリオと共に歩んできた道のりです。

　あの赤い帽子と青いオーバーオールのオッサンは今も昔も、ゲームを遊ぶ全てのチャレンジャーと並走し続けてきた最高の相棒です。

　１人のゲーマーとして、マリオという戦友に恥じないようなプレイングをしていきたいですね。

　本作、吹き替え版の声優が良い仕事をしています。

　キャラクターの造形を崩さず、しっかりコミカルな世界観にマッチした演技でした。

　この映画を作ってくれたことに、関わってくれたクリエイターの皆様に、僕はいくら感謝しても足りません。

　これからも、あの赤い帽子の勇姿を追い続けていきたいと思います。