映画「イコライザー」
ダークヒーローという言葉を聞いたとき、あなたはどんなヒーローを思い浮かべますか?
「ダークヒーロー」という定義は色々な解釈がありますが、僕にとっては「イコライザー」という映画がダークヒーローを表現していると想っています。
2014年、主演はデンゼル・ワシントン。
主人公〈ロバート〉は誰にでも優しくて、気配り上手なホームセンターの店員。
たくさんの人から慕われ、臆せずに人を励ませるような素敵な大人です。
夜は行きつけのダイナーレストランで優雅に読書……知的でかっこいい大人の姿ですね。
――いやぁ、ホントに憧れます。
順調で平穏。そんな主人公の生活でしたが、徐々に狂い始めます。
ダイナーレストランで知り合った少女、ホームセンター、知り合いの飲食店……主人公の周囲にいる人々に不幸が訪れます。
普通なら警察に駆け込んだりするものですが、ご想像の通り「アクション」映画です。全部、1人でやっつけます。
蓋を開ければよくある「隠居した元エージェント」のネタなんですけど、「イコライザー」の凄いところは主演のデンゼル・ワシントンの演技力が存分に使われているところです!
日常での主人公は物静かで知的、温和な年長者。本当に「虫も殺さないような」優しい顔を見せます。
しかし、夜の闇に紛れて手を汚し続ける主人公の表情は「無」そのものなんです。
まさに仮面、そこに感情の1つすらない冷酷さが滲み出ています。
やってることはまさしく、ヒーローそのものなんですよ。
だけど、解決手段は暴力。しかも徹底的に打ちのめす。
アンパンマンが潔く、「パンチ」「キック」でばいきんまんをやっつけるのとは訳が違います。
デンゼル・ワシントン顔のヒーローは悪役が二度と2本の脚で立てないほどにボコボコ(婉曲表現)にしちゃうんですよ。
なんというか、「イコライザー」を気持ちよく見れてしまうのは『自分達が抱える理不尽を隣人が解決してくれる』という構図のおかげなんだと思います。
みんなの隣人「スパイダーマン」以上に小回りの利く、凄腕お仕置き屋の暴風のような戦いのおかげで人々は笑顔で過ごせるのです。
さて、「イコライザー」のアクションといえば……やはり、その場にあるものを使うことでしょう。
短時間で相手を制圧するというルールを定めた、流れるようなコンビネーションで繰り出されるアクションは見応え充分です。
そこに創意工夫。「えっ、そんな物も武器になるんですか!?」と開いた口が塞がらなくなりますよ。
そういうわけで、まずは1作目を見てください。
2作目も僕は好きですけど、続き物の宿命みたいなお約束があったりするので人によっては評価は分かれるみたいです。
「イコライザー」は日常ベースのアクション映画として、とても完成されていると言ってもいいでしょう。
基本、アクション映画というのは緊急性のあるシナリオに巻き込まれた家族や恋人のために戦うといった内容が多いのは語るまでもありません。
しかし、
――というわけで、みんなも「隣人」を大切にしましょう。
……おや、部屋の奥から物音が? ちょっと見に行ってきますね。
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