第18話 再会
グエンが次にその少女に会ったのはまたしばらく後のことであった。
マリアとの思い出に1000年で一区切りをつけようと決心したグエンは1000年で開発をした全てのドラゴンキラーキラキラ装備を陽葵のフィギュアに埋め込んだ。
なかなか可愛いもふもふたちで、なぜかグエンのキラキラ装備がピッタリだったのだ。
ラウンズの納品後はグエンは抜け殻のようになり一日中ぼーっとしていることが多くなった。
もはや生きる気力すらなくなり「死んでしまおうかな、マリアのところに行こうかな」などと呟くことも多くなった。
生き甲斐であったドラゴンキラー制作もやめてしまい、通常の仕事も断っているようだ。
グエンは生きる意欲すら無くしていた。
そして来客がある。
あの少女である。
グエンがドアを開けるとそこには13歳の少女陽葵?がいた。
「やあ、陽葵さま、お久しぶりですラウンズの具合はいかがですかな?」
「グエン!」
いきなり陽葵?が抱きついて口付けをした。
抱きつかれるのは慣れてきたが、まさか唇への口付けは想定外であった。
「ひっ陽葵さん!いきなり何を!」
陽葵?さんは両手でグエンの両頬をつねって外側にビヨーンと引っ張る。
そして顔を至近距離にまで近づける。
目が二人とも自然に寄り目になった。
「ま、ま、マリアなのか?」
いきなり右頬をビンタが襲った。
「テメェ!気がつくのが遅えんだよ!」
巫女とは思えない言葉使いで叫ぶ。
ドワーフのグエンの両目から滝のように涙が迸る、身体の水分が全部出るんじゃないかと心配になるくらい。
「ただいま、グエン。」
改めてマリアはグエンに口付けをする、それは長い長い口付けであった。
後ろの本物の陽葵は目のやり場に困っていた。
「事情を聞いてもいいかい。?」
「ええ、マスタードラゴンのところに行ったあと私をペットにするというの。もちろん断ったんですけど、あのマスタードラゴンが許してくれるはずもありません、ペットとして飼われているところなんて貴方に見られたくない、それに私が生きていると知れば貴方はマスタードラゴンのところに死ぬつもりで殴り込みに来るのがわかってましたから、、マスタードラゴンにお願いして死んだことにしてもらったのです、でも生きててよかった、こうしてまた貴方に会えたのですから。」
マリアはまたグエンを抱きしめた。
「そうだったのか、そうだったのか。」
「陽葵さんの装備、あれはあなたの作ったものでしょ、すぐにわかったわ、凄まじい性能でドラゴン族1万匹、根絶やしにしちゃったんだもの。」
「おお!あれが役だったのか、オマエを助けることができたのか。!」
職人としてのグエンが改めて感涙を流した。
グエンの最高傑作が連邦国を救ったのである。
そしてマリアを奪ったドラゴン一族に天誅を下すこともできたのである。
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