第2話 マリア先生との出会い
フローラル連邦国の10月王国にも学校のようなものがある。
ただ、学年というものはなく、先生も雑多な、いわば得意科目を教えるという寺子屋のようなものであった。
なにせ、平均寿命5歳の野鼠人から平均寿命数千年という種族まで混在するのだ。
そこにマリア先生という「氷と水」を専門とする「少女」がいた。
実年齢は450歳くらいだということだが見た目は地球人の12、3歳くらいの少女に見える豊かな艶のある長い黒髪に黒い瞳、ただ、溢れんばかりの巨乳だけは年相応であろうか。
共に15歳のグエンとサルバドールは一目で恋に落ちてしまった。
マリア先生の授業は主にフローラル連邦国では神聖なものとされる「水」の本質や「水魔法」とでもいうべき「水の波動エネルギーを利用した実生活に役立つ魔導技術」を教えるものだった。
マリア先生の本業は「氷の巫女」と呼ばれ、先人たちが血の滲むような努力の結果解明した水に関するあらゆる魔導科学技術の伝承するギルドの運営である。
その信仰の中心にはこの世界の創造主とされる偉大なるアゼリア・シーフォールドの
そして生命の源である
グエンとサルバドールは自分たちのオタク分野とは全く違う科目であったが、マリア先生に気に入ってもらおうと氷と水の授業にも一生懸命ついていった。
マリア先生に褒められたら天にも昇る気持ちになった。
そんなある日、グエンとサルバドールは勇気を振り絞って放課後マリア先生を呼び出した。
「まあ、グエンくんとサルバドールくん、どうしたの?こんなところに呼び出して。」
「マリア先生!好きです!僕と結婚してください!」
グエンとサルバドールは見事にハモってマリア先生に告白した。
「あらあら、こんなおばちゃんを好きになってくれてありがとね、でも今は結婚はできないわね、二人が立派な大人になったらね。」
「マリア先生は美しいです、おばちゃんなどではありません!」
こちらも見事にハモって見せた、が、
マリア先生は二人の手は取らず、両手で頭をクチャクシャ撫でて華麗に去っていった。
二人とも見事な玉砕である。
「立派な大人か、、マリア先生から見れば俺たちまだガキなんだろうな、俺は諦めないぞ!これからオタク道を極めて立派な大人になってやる。」
「そうだな!オタク道を極めればマリア先生にも大人と認めて貰えるよな!」
二人は決意を新たにし、自分磨きに励むことにした。
※方向性が心配ではあるが。とにかく頑張れ。(作者の心の声)
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