[Episode.1-異形と翼と警察官•A]

───晴れ渡る青空の下、穏やかな昼下がり。車の行き交う音と排気音、人々の雑踏と話し声、時折聞こえるクラクション、遠くからは踏み切りの音。


───「新学期部活どうする?」

───「俺今年キャプテンなんだよな~」


───「ご連絡遅れまして申し訳ありません、お電話いただいた件についてですが───」


───「このあとどうする?」

───「外回り1件残ってるだろうが、そっから考えろって」


人混みから聞こえる会話の内容も、普段と変わらない平穏なもの。


ここ波来祖はらいそ市は、かつて摂津国と呼ばれていた旧国が再合併で市になった大都市。交通網は周辺の地域と比べて大きく発達し、人口も交通量もかなりの密度を誇っている。


その平和な都市が…時折、別の側面・・・・を覗かせる時がある。



-4月/波来祖市-




───突如、警察官の警笛が鳴り響いた。それを合図にしたかのように、街の一角に三角形とエクスクラメーションマーク…『警告』を示す黒と黄色のマークが、ある地点を中心にして数十メートルの範囲にバリアのように表示されている。


「うわ、またかよ!」

「キャーッ!」


先程までの平穏を崩され、人々は不安と恐怖を漏らしながら表示地点から急いで距離を取る。避難範囲から人がいなくなった瞬間、『警告』マークの上下に『DANGER』『CAUTION』が交互に書かれた黒と黄色のストライプ帯が同じくバリアのように表示された。


「ここは危ない、早く離れて!」


バリア範囲から離れてもなお、警察官が周囲に警戒と避難を促す。その間に、応援に駆けつけた警察官達が"元凶"の方へと目を向けた。


「───出やがったか」


ビルの間、路地裏から出てきたのは───ヒトと近い大きさで二足歩行こそしているが、体色は全体的に暗緑色で体表は鈍く光っている…明らかにヒトではない何か・・・・・・・・

頭部に毛髪はなく、目のあるべき位置にはビー玉のように輝く大きな丸い瞳があった。それも1対ではない…大きな瞳の上に小さな丸い瞳が1対、下に2対…合計にして8個の瞳が、全て同じように青く不気味にゆらめいている。

手足に当たる部分は指ではなく、代わりに先端が鋭く尖っている。おまけに背からも細い腕が2対、同じように鋭く尖った先端をもって警察官達を狙っていた。


「うえー…もしかして、蜘蛛…?」


警察官のひとりが嫌そうに呟くと、"元凶"は低く湿った唸りをもって反応した。


「あ、あのさぁ、朝見かけたあんたの仲間、殺さずに外に逃がしてやったじゃん?どう、ここはひとつ運命の蜘蛛の糸ってことd」


警察官の冗談交じりの説得も虚しく、"元凶"───スパイダーアンノウンと呼称───は警察官に向けて口から何かを発射した。


「だぁーっ!」

明乃宙あけのそら!」


間一髪、明乃宙と呼ばれた警察官は大きくのけ反ることで回避がかなった。目標を外した射出物───どうやら毒針は、人払いが済んだ『警告』バリアの縁あたりに不気味な煙をあげながら突き刺さっていた。


「あっぶねぇ…俺らの任務は、討伐隊が来るまで耐える事・・・・・・・・・・・・なんだからな」


そう呟いた矢先…道路の奥からサイレン音が近づいてきた。

混雑する道路はベアリング機能を有しており、停止している車を自動で横にスライドさせ、その間を『警告』と『進入禁止』のサインが浮かぶ道路を一回り大きな白黒の警察車両が走り抜けてくる。


「来たかよ、討伐隊…JITTE!」


車両はやや乱暴に、明乃宙達の後方に横付けして止まった。と同時に後方のドアが開き、乗っていた武装警察官達が明乃宙達と並び立つように大型銃を構えた。

武装といっても…身を守るヘルメットや重厚なプロテクターが支給されているわけではない。せいぜいが、一般警察官の防刃チョッキに一手間加えた程度の簡素なもの。違うといえば…彼らは皆、胸のバッジが警視総監にも匹敵する階級の金色に光っていること。ただし…階級を示す部分には横線が引かれ、本来の形とはわずかに異なっている。


「総員、(撃)てェ!」


武装警察官のひとり───藤色の瞳の青年・・・・・・・が声を張ると、JITTEと呼ばれた他のメンバーも一斉に銃のトリガーを引いた。


『『『DESTROY MODE』』』


抑揚のない機械的な音声が合唱するように響くと…大型銃は一際強い光を集め、輝く光弾としてスパイダーアンノウンを次々に貫いた。


スパイダーアンノウンは再び低く湿った唸りをあげながら、光に包まれて爆散した。


「…片付きましたね。総員、撤収!」


号令をかけた武装警察官が再び声を張り、JITTEのメンバー達は来た時と同じように素早く車両に乗り込み撤退してしまった。

彼らの撤退を合図に、規制箇所に浮かんでいた『警告』や『進入禁止』、『CAUTION』『DANGER』の電子表示も消えた。


「やれやれ…相変わらず忙しねぇなぁ」


元の喧騒を取り戻しつつある街の雑踏に紛れるように、明乃宙は寂しそうに呟いた。





───号令をかけた武装警察官は、詰所である波来祖南署の庁舎に戻り、一仕事を終えて飲み物でも買おうかと、伸びをしながら庁舎内の自販機へと向かっていたが…


楢崎ならさきぃ~怖かったよぉ~!もーマジで死ぬがど思っだぁぁぁぁ~~~~!」

「ああもううるさい、耳元で叫ばないでください」


そんな彼…楢崎の肩に、同じく現場の後処理を終えて戻ってきた明乃宙が寄りかかった。


JITTEと一般警察官は、似て非なるもの。警邏中の一般警察官がアンノウンを目撃した、またはJITTEより先に通報を受けた場合、JITTEの到着までアンノウン出現場所周囲の警戒と立入禁止処置、市民の安全確保が仕事となる。その性質上、一般警察官とJITTEは協力関係にあるが業務内容は大きく異なるため、待機したり事務仕事などを行う部屋はJITTEと一般警察官で別々になっている。

それでも、この明乃宙は現場で会うことの多い楢崎に友人のように懐いていた。それは明乃宙本人の人当たりの良さも関係しているのだろうが、楢崎の方も半ば呆れつつ、適当に付き合っていた。


「いやほんと、あの神回避見せたかったわマジで!」

「はいはい、そんなことより君の仕事はいいんですか?君はJITTEの自分達と違って、対魔戦闘の緊急出動はないでしょう。こんな所で油を売るより、通常業務が優先のはずですが」

「いーのいーの、ちょっと休憩よ」


体よく追い払おうとしたのだが、という言葉は飲み込み、楢崎は続く言葉のトーンを少し落とした。


「…そうではなく」


しかし…その言葉より先に、自販機の前に集まっていた先客・・───明乃宙と共に現場整理に当たっていた一般警察官達の言葉がこちらに届いてきた。楢崎達のいる位置は、ちょうど曲がり角の死角になって見えていない。


───「最近増えてきたよな、未確認・・・の目撃事案」

───「怖いよね、あんな化け物…私まだ死にたくないよ」


未確認。未確認生命体、アンノウンとも呼称されるそれは、数十年前に確認されて以降研究が進められてきたが、現在未だ正体不明。一部では悪魔・・ではないか?とも言われ、祈祷師や悪魔祓い師などが台頭する年もあった。

楢崎は明乃宙の肩を掴んで留め、彼らと鉢合わせしないよう足を止めた。

知っているからだ。この後にどういう言葉が続くのか・・・・・・・・・・・


───「俺らの仕事じゃねーんだよほんと。あんなのの相手、JITTEの奴らにやらせときゃいいんだ」

───「ちょっとやめなよ…」

───「いいだろーが、あいつら命の価値も保証も捨ててる・・・・代わり、全員が最高階級へ特進されるのが決まってる。給料だっていいんだ、戦って死んでも本望だろ」


JITTE───Japaniese idealize Ten technical extermination。


江戸時代の岡っ引きが用いたと言われる十手とかけられ、『10の技術で根絶し日ノ本ヒノモトを理想の状態にする』という意味が込められた組織名。それはいかなる困難があろうとも…たとえ己の命を捨ててでもアンノウンと戦い、この国のために尽くせという圧をも込めた言葉だった。

その構成員は、一般的な警察官とは採用条件も経歴も特殊…とはいってもそのうち半数ほどは、元々一般警察官だった者。懲戒に値する程の失態を犯して、なお警察官としての地位に据え置く代わり…他の構成員と同じく、一度死んだ者・・・・・・として最大階級の特進を行い、命の保証のされないアンノウンとの戦いに身を投じることを定められる───ただし楢崎は懲戒などを介さず最初からJITTEとして登録されており、その理由は公にされていない───。

それ程の危険を冒す代償として、最大階級特進と高給が約束されているのは、今の警視総監の尽力あってこそ。

───「命を賭けさせるなら、それ相応の待遇を。捨て駒などとして、人としての尊厳を蔑ろにすれば、その仕事は結局雑なものになる。人の世は、人が守らなければならないのだから」───

それが、警視総監…秋生あきみリュウの持論だった。


話を戻すが、楢崎にとってはこの程度の嫌味や罵声は慣れたもの。だが───眉を潜めただけの楢崎と違い、直情的な明乃宙は彼の片手の力程度では止められなかった。


「あっ」

「おいてめーら!」


明乃宙は弾かれたように彼らの前まで走り寄り、眉間に皺を寄せて唸った。


「うわ、聞いてたのかよ」

「共有スペースでベラベラ喋ってりゃ嫌でも聞こえてくるっつーの!死んでもいいだろとか、警察官の言うことかよ!」

「でもJITTEって、いわゆるならず者部隊・・・・・・じゃない…普通の人間の私達にとっては怖いのは本当よ」

「普通ってなんだよ…楢崎達が普通じゃないってのか!本人だっている前・・・・・・・・で、よくもそんな事言えるよな!」


…楢崎は片手で顔を覆い、大きくため息をついて曲がり角を曲がった。


「明乃宙、一言…いえ、二言三言多い。自分がいる事とか、わざわざ言わなくていいのに」


呆れた表情をしまい、楢崎は青ざめる面々に対して顔を上げた。


「別に気味悪がられるのは慣れてますけど、今度から共有スペースで話すのはやめた方がいいと思いますよ。上司に聞かれたら君達の評価にも関わりますし。言いたいことがあるなら正面からどうぞ、恐らく言っても何も変わりませんが」


青ざめた面々は、行くぞと小さく声をかけて小走りに退散した。


「ったく…気にすんなよ楢崎。てか、なんであいつらの評価なんか」

「皮肉ですよ、陰口は誰が聞いてるか分からない、というね。君も自分なんかと話してるから、巻き添えで遠巻きにされてるんですよ?…そもそも、君が先走らなければ穏便に済んだろうに…やれやれ」

「…悪かったよ、おごるから勘弁してくれ。どれにする?」


明乃宙は自販機に向かい合いながら、そういえば、と口にする。


「楢崎は聞いたことあるか?『赤い翼の鳥人間・・・・・・・』の噂」

「なんですかそれ?」

「最近聞くようになった噂でさ、アンノウンの出現地点での目撃例が相次いでるらしいんだ。なんでもJITTEが現着するより先に、アンノウンを真っ二つにして姿を消すんだとか。JITTE側には、その話行ってるんかなって」

「そういえば…通報があったにも関わらず、アンノウンの姿がないといった現象が最近何件かありましたね。逃げられたのかと思いましたが、それにしては急に増えたと思っていました…もしかして、その鳥人間?とやらの仕業なのでしょうか」

「まあ、アンノウンを退治してくれるんなら、俺らとしては助っ人みたいなもんだし、願ったりってやつじゃね?正体がハッキリしてない以上、完全な味方とはまだ断定できねえけどさ」

「そうですね…頭に入れておきます」

「おう…おっと悪い、結局どれにするんだっけ?」


明乃宙の言葉に、楢崎が自販機のラインナップを改めて眺めていると…


───『緊急通報。アンノウン目撃事案。対魔戦闘想定。JITTE、出動』


楢崎の持つ端末から、緊急通報の知らせが響き渡る。


「やれやれ、休む間もないですね…行きます」

「えぇ…今戻ったばっかだろうがよぉ…」


不安げな明乃宙に背を向け、楢崎は元来た道を小走りに引き返した。





───周辺を警邏していた警察官達がアンノウン目撃地点に集まり、警笛と拡声器で警戒を促す。


───「下がって!近づかないで!」

───「早く逃げてください!撮影やめて、スマホはしまって!」


警察官達の喚起も、恐怖と混乱でごった返す人々の声にかき消されていく。

目撃地点は、先程のスパイダーアンノウン撃破場所からそう離れていない。そこに───


いた。


先程のアンノウンよりふた回りほど大きい…上背3mはあろうかという、言うならば強化アンノウン。同じく蜘蛛型でありながら、その体表には鋭い棘が無数に生えており、先端からは毒らしき緑色の液体が時折滴っている。蜘蛛型の大きな瞳は、逃げ惑う一般人…そして、自らに警戒と銃口を向ける警察官達を捉え、金切り声にも近い叫びを上げた。


「ひ、怯むな!撃て撃て!」


アンノウンの目撃事案が増えるに従い、一般の警察官であっても「アンノウンに対してのみ、対魔弾の銃に限り」常時発砲が許可される臨時法案が可決されている。数人の警察官が強化アンノウンに対し発砲を仕掛けるが…アンノウンは何事もなかったかのように微動だにしない。どころか、敵意を察して警察官達に殺意を向けてゆっくり歩み寄っていく。


「ひぃ…!」

「く、来るな!」


警察官達はなおも発砲するが、最早威嚇にもならない。たとえ対魔戦闘に適するよう開発された銃弾であっても、JITTEのそれとは威力が違う。硬化した体表を通ること叶わず、警察官達はだんだんと追い詰められていく。


「あ、あぁ…うぁ」


もう下がれない、ビルの外壁に背をつく。最早これまで、と目を閉じようとした瞬間


───「そこまで。あとは私が始末をつける」


警察官達が背を預けたビルの屋上から、"青年"の機械的な声が降る。

そして───


逆光に目が眩み、警察官達が"青年"の姿を視認するより早く…声の主は地上のアンノウン目掛けて垂直落下し、警察官達の目の前にいたアンノウンを真っ二つにした。その土煙に紛れても、はっきりと確認できたのは…その背に生えている、燃えるような濃朱に輝く翼。しかし…


「怪我はないようだな。以後も、無理はするな」

「えっ、ちょっ…」


アンノウンが消散する土煙が晴れる前に、"青年"は再び空高く舞い上がって姿を消してしまった。

楢崎達の乗る車両が現場に到着したのは、その直後だった。楢崎は誰より早く車両から飛び降り、現場に残っている警察官達の方へと駆け寄る。


「状況は!?アンノウンは何処に…」

「あ…それが…たった今、赤い翼を生やした何者かが、一瞬で処理して飛び去って…」


答えた警察官も未だに混乱しているようだったが、実は…楢崎は此処に着く直前、飛び去る"青年"の姿を車中から目撃していた。


「…確かに、実在しているんですね」

「え、何が…」

「いえ、こちらの話です。アンノウンが処理されたなら、自分達は無駄足だったようなので、これで失礼します」


現場の警察官達に淡々と告げると、楢崎はさっさと車両に戻って先程の光景を思い起こしていた。


「(…噂は本当だった。ほんの一瞬だったから、自分もはっきり確認したわけじゃない。それでも…あの燃えるような赤い翼、そして…赤い髪・・・。あれだけ特徴的な見た目なら、次に見間違えることは恐らくない。アンノウンを処理しているのが"彼"の意思によるものなら、なんとかしてコンタクトを取れないものか…)」


未だ正体は分からないながら、"彼"が同じくアンノウン排除を目的とするのであれば、手を組む方向に進められれば効率的だと考えていたが…楢崎にはひとつ、気になる事があった。


"彼"が飛び去る、ほんの一瞬───目が合った・・・・・、気がした。





───そのまま波来祖南署に戻った楢崎は、今回の一件について署長である古岡ふるおかに話をしに署長室を訪れていた。


「ふむ、赤い翼の人影…間違いないのかね?楢崎」

「はい、大型の鳥でもなく、それに類似したアンノウンとも恐らく違います。あれは間違いなく鳥人間と呼ぶべき存在でした」

「成程、現場にいた警察官達の視点カメラは?」

「残念ながら、逆光と土煙で殆ど記録されていませんでした。彼らの目撃証言と同じく、赤く輝く翼だけは不明瞭ながら映っていましたが」

「そうか、分かった」


古岡の眼鏡の奥から、感情の失せたような無機質な視線が楢崎を捉える。しかし…


「…あの、署長?なんですかそれ」

「タピオカミルクティー」

「いや、何処でというかいつの間に買ってきたというか」

「デリバリー。今の時代すごい」


楢崎は報告より先に、古岡が口にしている不似合いな存在…タピオカミルクティーが嫌でもノイズになる。視界のど真ん中に鎮座しているせいで、報告をしようにも気が散って思考をまとめることができない。何せ、金髪ブロンドボブ能面のおっさんが真顔でタピオカミルクティーを啜っている現場に遭遇するというのは、偏見とは言い切れない程度には稀だろう。しかもその光景以外は至極真面目な話をしているのだから、楢崎もほとほと困ってしまった。


「ところで楢崎」

「あっはい」

「その人影とやら、翼以外の外見はどのぐらい覚えている?顔とか背格好とか」

「そうですね…飛び去る速度は一瞬でしたから、顔や身長までは…ですが、特徴的な赤髪は印象に残りました。あとは…気のせいかもしれないのですが、目が合った気がしたんです。"彼"の…金の瞳と」

「赤髪、金の瞳…そうか」

「署長?」

「いや、なんでもない。報告が以上なら、下がっていいぞ」

「了解しました。失礼します」


楢崎が退室した後


「───そうか、まだ稼動可能いきてたか。そうか………」


古岡はひとり、僅かに声色を上げて呟いた。

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