第6話

第1試験会場のとある場所にて。


土御門は背中に小柄の銀髪の女性を背負っており、森の中には異様な光景であり目立つ状況。しかし、受験生たちは彼女たちの事の気付いていない。


「つっち~、今回の受験生さ。優秀じゃん。ゴーレム作らないとね」

小さい銀髪の女性は耳元で囁いており、周りに聞こえないようにしている。


「耳元で囁くな。小声で十分だ」

耳のくすぐったくてしょうがない土御門は耳をさすりながら怒っている。


「優秀なのは上位層だ。天王寺、氷裂、碧・早乙女が強すぎる。想定通り50~80体になりそうだから、作る必要はないと思う」


「点数のみだと天王寺、氷裂、碧は正直別格だね。私としては早乙女を推したいなんだけどね」

小さい小柄の女性は点数票を眺めており、少しがっくりしているようだった。


受験生(速報値)

1位 碧香澄:84

2位 氷裂キリコ:60

3位 天王寺メイ:50


10位 早乙女りん:36



「攻撃力重視だからしょうがないだろう。透孤も攻撃力がない中、殲滅試験を合格しているんだろう」


「私も早乙女みたいに腰巾着みたいに強い奴に媚びて、合格しちゃったからさ」


「何、悲観しているんだ?コードネーム候補して上がっているし、透孤は優秀だよ。君の場合は諜報だろう」


「照れますな~~。つっち~も候補じゃん。いまだって、10%の力も出していないでしょう。つっち~の本領は近距離じゃん」


目の前にちぎれてしまった頭が転がってきた。

透孤は土御門に見せないように手で隠そうとするも、土御門の視線はもうすでに地面に転がっている頭を見ていた。


「こんなに死んでしまうとはね……」

目を少しこわばっており、土御門は責任を感じていた。


「つっち~、心痛くない?この試験は国のお金を使ってさ。ロボットでもできたよ」


「大丈夫だ。資金は別の場所に回した方が効率的だろう?ロボットだと弱すぎて参考にならんよ」


「弱い団員に情を湧いてしまい、その後敵に殺される方が精神的にきつい。この場合は、私が悪魔になり自分だけで背負っていけばいい。世の中は残酷だ」

自分のつらい過去を思い出しながら土御門は遠くを見ていた。

彼女にとってのつらい過去。それをほかの団員に味わせたくないと噛み締めている。

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