第2話
「あなた、嘘をついているようね。こんなに優しくて暖かい嘘をつけるなんて極上の女。
私とずっと一緒に居なさい」
とあるサイコパスレズの女主人公は話しており、体からネオンのような光で輝き始める。
この異常な状況に身を固めてしまう私。
どうして、こんなにも怖いのだろうかと恐怖してしまう。
「あなた、狂っていますよ。知らない人の額をなめるなんて!!非常識です!!」
サイコパスを目の前にしてしまうと思わず敬語になってしまう。
これが、捕食者という奴か。
「常識?人間はさ。真実か嘘のどちらかで判断するものよ。特に私はね」
なるほど。碧は嘘への執着が強いのか。
きっと、碧はだれかに自分を傷つけられてこんなに狂ってしまったのだろう。
サイコパスを作ってしまうような嘘ってどんだけ鬼畜。
さすがだな。鬼畜ゲー。
「私、嘘なんてついていないですよ。そもそも、言葉を話していません。」
「嘘というものはね。体内に蓄積されてその人の体液ににじみ出てしまうのよ。
その場の嘘じゃなくて。蓄積されたもの。」
「そうね~~あなたの嘘は。普通の嘘じゃない。別の世界から来たみたいな感じ」
碧は未知な嘘に対して言語を探しているようだった。
まさか、嘘って。
私が転生して妹たちのために早乙女りんに成りきっていること!?
自分でもびっくりするくらい頭が回っており、碧の言葉のパズルはスムーズにハマり切ってしまったのだ。
今の状況から逃げだす方法として、彼女に真実を話すこと。
早乙女を演じていることを碧に話せば信じてもらえると思うが、それ以前に妹たちの安全は保障できない。
「人間は嘘をつくものでしょう。舐めて嘘って分かるのがあなた能力ですか?」
「いいえ。体液をレーザーに変える力。つまり、レーザーを纏いながら戦う感じかな
嘘に関しては、ホルダーの発現した影響での後天性の物かな」
体にレーザーを纏いながら、戦うって。
一発でも拳がぶつかったら、殺させてしまうじゃん。
腐っても主人公ってわけか。
「って、ホルダーを明かしてもいいんですか?」
「別にいいよ。私は強いから、種明かしを体術のみで警官一人くらいなら勝てるよ。
いや、あなたの名前を教えてよ。それで許す」
「はぁ~、早乙女りんです」
「りん、これからよろしくね。私の名前は碧 香澄。君からにじみ出てくる汗からできる湿気が魅力的だったから。話しかけちゃった」
碧はにっとりと笑いながら、私の汗を眺めていた。
怖いんだけど。
こいつが1秒でもまともで合ってほしいと願っている自分が情けなくなってくるわ
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