第49話合宿(リトルデビル視点)
50階層
「くそっが!あいつ本当にやりやがったな!!」
僕は、今ここにはいないあいつに文句を言いながら弓を持つ戦闘人形に攻撃を指示する。
「デビ!そっち行ったすよ!」
「五月蠅いよ。そんなこと見れば分かるよバカが!」
「あぁん!こっちが親切に言っているとい…」
バカがなんか言い切る前に火球が飛んできて、ギルは言葉を続けること出来なかったみたいだ。
僕は戦闘人形を盾にして何とか防いでるが6体いた戦闘人形が4体まで減らされた。
ギルも2発ぐらい被弾して火傷を覆っているし、回復状況がない今、本当に勝てるか分からない。だってあいつが戦争ではポーションを使わないからという理由でポーションを持たせてくれもしなかったから。
「!?」
ドラゴンは空中でギルに向かって口を開けて何かをためるポーズを取る。それを見た瞬間、僕は盾を持つ戦闘人形をギルの下に向かわせた。
ギルは何とか避けようと動くが、それを追いかけるように敵は体の向きを変え火炎放射を追尾し、ギルにあたりそうになる。だが僕が向かわせた戦闘人形がなんとか間に合い盾となった。だが長くはもたないだろう。
そんなか、ギルは覚悟を決めた顔で盾になった戦闘人形の後ろで弓を構えるポーズをとる。
「…一射必中」
魔力でできた矢はどんどん魔力が高まり、存在感を増す。魔力が高まった矢はついに敵に向かって放たれるが敵はそれを軽々と避ける。
「ちっあいつ、せっかく僕が助けてやったとい…」
だが僕は見る。避けられた矢が壁にあたる前に曲がり、敵の翼に当たり爆発する所を。
「おれっちの奥の手。一日一回しか使えない、狙った相手に必ずあたる矢っす」
ギルは格好つけてそう言う。
「ふん。バカなりに使えるな」
僕は地べたに落ちた敵に向かって、戦闘人形が持っている剣や斧を槍を投げさせる。
「ちょっ!?武器を捨てさせるなんて正気なんすかっ!?」
「黙って見てろ」
戦闘人形の武器はそれぞれ敵の体に深々刺さるが、絶命にいたってない。これではただ武器を無駄にしただけだとバカは思うが僕にも考えがある。
なんと、斧や剣は槍は戻ってくる。バカはアホづらをさらしているが戦闘人形と武器の間の空間を見れば魔力で、できた糸で繋がっているのことがいることがわかる。
僕は戦闘人形を中心として糸で繋がっている武器を振り回し、多くの傷をつけ出血死させる。
「これはモンスターのような知能のないバカにしか通用しない戦術だ」
「戦術でもなんでもない。ただのごり押しっすよね」
「五月蠅いよ」
「んーーー。それにしても、やっとこの地獄のような空間から抜け出せるっす。もう合宿には参加しないでこのまま帰って寝るっす」
ギルは腕を伸ばしそう言う。
「そうだな」
僕とギルは50階層に入る前にあいつと休みなしで3日間戦い続けていた。もう体や精神がくたくただ。僕はよろけながらワープポータルに触れる。
「お疲れ様」
悪魔がいた。
「な、なんでここにいるっす?あれから一日も経ってないっすよ!!」
そうだ。ワープポータルを触れなければ、49階層から1階層まで登り続けなければならない。
「頑張った」
「この化け物がぁぁ!」
ギルが殴りかかるが直ぐに気絶させられる。
「…。」
「デビはどうする?」
殴りかかって来ないのかと言うが僕は言う。
「そこのバカと一緒にしないでくれる?僕は無駄な抵抗をするほど馬鹿じゃない」
「そう」
あいつが後ろを向いた瞬間僕は槍を持った戦闘人形に槍を投げさせる。
「だと、思った」
あいつが避けたと思ったら手の掌で槍の柄を摑まれ、槍が回収することが困難になった。
「くっ」
僕は戦闘人形を壁にし、逃げ出すがそこで意識が途切れた。
_____________
「んっ。ここは」
「…起きた」
「デビ!逃げるっす!!」
目の前には黒い鎖で拘束されたギルが必死に僕に言う。だが、すぐに僕と戦闘人形は黒い鎖で拘束されその場を動けなくなった。
「あぁ…終わったっす。これで逃げる機会がなくったす」
ギルが絶望した顔で言うが聞き捨てならない言葉きいて僕はそこを指摘する。
「お前…僕をおとりにしてして自分一人だけ逃げようとしたな!?」
「うるさいっす!役に立たないデビはそれしか使い道がないん…」
ライアンは五月蠅いと思ったのか口封じの魔法を僕たちにかけ、「まず、やることを伝える」と言う。
「50階層あと4周回」
こいつ、本気で言っているのか?さっきだって死にそうになったんだぞ!?そんな僕の心境を無視して言う。
「クリアしていくごとに縛りつける」
そう言い、ライアンは縛りの内容を考えてなかったのか悩むポーズをとる。
「次、戦闘人形の数は3体。魔法禁止」
そう言い僕たちの背中を蹴り飛ばし、50階層主の部屋に僕たちを入れた。
「…がんば」
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