第47話合宿(後半陰キャ視点)


「結局来たのはこれだけか…」

「えぇ。ミナトが来ないのは想定外でしたわ」


「すみません。ミナトさんのギルド内でちょっと問題が発生して、来れなくなってしまったんです」


「大丈夫ですわ。合宿参加は強制じゃありませんので」

そう言うとアンナは胸を撫でおろす。




「で、来られた方は陰キャさん、アンナさん、紫苑さん、ザドさん、そして…健一郎さんの5名ですのね」


「あら私もいるわよ」



「…テレサさんいつも思っていましたが気配を消して背後から話しかけないでくださいまし」


「うふふ。私に気づかないんじゃ、まだまだね」

リリーは危機察知に頼っている節がある。あとでスキル外してテレサと一戦させてみるか。



「うっ悪寒が…」

「あら風邪かしら?大丈夫?」


「大丈夫ですわ。それでは、みなさんにはこの合宿で行ってもらう内容を今からいいますわ」


俺は長文を言えないのでリリーにそこんとこ任せている。




「ライアンが出す課題を協力してこなして、一日1時間決められた時間に個別にライアンと戦ってもらいます」



紫苑は手を上げて言う。

「それでは、ライアンの負担が大きくないか?」

「ご飯食べる時間も睡眠も十分ある」


「そういうことを言っているわけでは…」

「一か月休まず、戦い続けたこともある」


そう、前世の隣国の戦争で睡眠もとれず、前線での戦いに比べれば屁でもない。それを聞いたこの場のメンツはドン引きしながら「そうか」と答える。




「では、まずは陰キャさん。陰キャさんは魔法の講師陣としてアンナさんや紫苑さん、テレサさんに体内での魔力圧縮や操作を教えてください。それが終わりましたら適性魔法の特徴や性質の説明をよろしくおねがいしますわ」



「わ、分かりました」



「そして、次はザドさんはわたくしとひたすら実践練習ですわ。わたくしもザドさんも奥の手を使わないで相手をノックアウトするのを何回も繰り返し、アンナさんに回復してもらいます」




ザドはリリーを見て意外なことを言う。


「ザドでいい」



「あら?めずらしいわね」

「そうですね。私のこともアンナとお呼びください」


ザドが呼び捨てを許可したのを皮切りにこの場にいる全員が呼び捨てをOKした。




「そうだな。俺たちはこれから同じチームの一員として活動するんだ。気軽に接していこう」


紫苑がそう締めくくる。




「で、健一郎は、まずはライアンとともにダンジョンでパワーレベリングですわ」

「そ、それはリリーさんが経験したことを僕もやるということですか?死の危険とか」


「そこのところはライアンが調節してくれますわ。それに少しお腹を空かしたり、拷問のような痛みに耐えるだけですから心配は要りません」


「えぇえ…全然安心できない」




「大丈夫ですわ。後からここにいるメンバーも体験することですもの」

と、悟った目のリリーは眼鏡の方を叩いて慰める。




それを見たアンナは「今からでも合宿の参加取りやめたほうがいいですか?」と言ったほどだ。



「ダンジョン行く」


俺はジャージを来た眼鏡のジャージを首下をつかみ引っ張っていく。




「い、いやだ。誰か助けて!」


眼鏡はチームメイトに助けを求めるがチームメイトは見ないふりをふりをする。助け合いの精神はこのチームにはないらしい。





_____魔法練習_________



「も、もし今より魔法の威力や発動速度が上がる方法があるなら、み…みなさんはどうしますか?」


「あら?そんな方法があるなら知りたいわね。」


とテレサさんが言うが天敵は我に質問を投げかける。




「それは魔法に魔力を込める量を増やして威力を上げる方法ではないのか?」

「に、似ていますけどち、違います」


「そうなのですか?」

「て、天敵は知っていると思いますが魔法は…」


わ、我は前にライアン氏に説明した魔力から魔法を発動する工程を説明する。



「聞いたことありません。それは本当ですか?」

「うっ。信じるも信じないのもア、アンナさん次第です」


言えないもどかしさを感じながら誤魔化すが、て、テレサさんが


「うふふ。何か知られたくないことでもあるのね」


す、するどくて怖い。




「テレサ深堀はするな」

「分かっているわ。誰にだって知られたくない秘密はあるものですもの」


テレサさんとアンナさんはそれ以上、我にその質問をしてこなかった。




「て、天敵感謝します」

「はぁ。いい加減、天敵ではなくハンター名で呼んでくれ」


「ぜ、善処します。では、今から魔法を発動します」


そう言ってから魔力圧縮を使わずに通常の火球を生み出す。



「い、今の魔法発動は2秒かかりました。魔力圧縮を体内で行っている場合は…」



そして、我は火球を消して、もう一度魔法を生み出す。



「0.5秒で先ほどよりお、大きい火球を生み出すことが可能です」



「すごいわね」


「ま、魔法使いは魔法を発動する速さは命にかかわります。で、ですから体内で事前に魔力圧縮をしておくことで強力な魔法が素早く使えます。では、み、みなさんは、体内でま、魔力は感知できますか?」



「えぇ。魔法を使うとき体内から外に魔力を出している感覚はあるわ」

「そうですね」



「で、ではお腹あたりある暖かいもの、魔力を体内で外に出さず動かしてみてください」


我がそう言うと皆それぞれ行うが…。





「ぜ、全然だめです。ゲートが開いて魔力が外に漏れ出ているので、げ、ゲートを閉じてください」


「くっ。そう言うが魔力を動かすのは魔法を発動させるときだけだ」


魔法練習をしているメンバーは全員魔力を外に漏らしてしまう。無意識などだろう。




「こ、これは基礎の技術です。で、できるまでやってもらいます。魔法を発動しないので、外に魔力が漏れない限り魔力切れはおこさないと思うので…」



「嘘ですよね?」


我はあまり冗談は言わない性格ので嘘はつかない。





「ち、ちなみにライアン氏は体内での魔力操作は2時間でできてました。みなさんは…何時間かかりますかね?」

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