第3話 鬼瓦のような顔の赤鬼
今ここから、早く抜け出したいと思っている。それはなぜか?もう答えは簡単。社長の顔が怖いから。こういう時に、先輩がいたらいいのになあ~。
「河童くん。」
「あっ、はい。なんでしょうか?」
「あ~、良かったよ。」
「えっ?」
「君のことは九尾から聞いているよ。ここで働きたいんだってね。もちろんいいぞ。でも、人間も働いているから仲良くな。」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃ、頑張ってね!」
「はい、失礼しました。」
ガチャッ
えっ?めちゃくちゃ優しかった。怖いと勝手に思い込んでしまっていたが、話すと、すごっく優しかった。
「あれっ?もう終わったの?早かったね。」
先輩が来た。
「先輩、聞いてください。」
「うん?どうした、そんな興奮して?」
「それがね、社長がとっても優しかったんだよ。しかも、許可もしてくれた。」
「そうか、良かったね。」
「うん。」
「あっ、そうだ。許可下りたなら、今日から働く職場を案内するね。」
「ありがとうございます。」
僕は、先輩の後ろをついていき、新しく働く職場に向かった。
「着いたよ。」
扉の前に立ち、開いた扉の先を想像した。ガチャ 扉が開く。いよいよ憧れる職場が・・・
妖怪上京伝記 夜桜殺希 @akatuki-ryu
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