第2話 昔の後輩

ダンジョン周りの街は政府がダンジョン攻略とその周辺の治安維持を諦めたので歌舞伎町やスラム街のようになっている。

その一角に僕の家が有る。帰る途中変なやつに絡まれたが魔物の少女には気づかれなかった。




『おし、着いた』

なんとか家に着いた。


『お前なんて名前だ?』

荷物を適当に置いて早速話かけてみた。


『……』

そこらじゅうをうろちょろしていて話しかけてもなんの反応も無いので、顔を両手で押さえて無理やり向けてもう一度聞いた。


『んー/#&@_@&#&#&ムー』


『んー何言ってるかわからないな。ま、髪が白いしてきとうにホワイトだな』


『よしお前はホワイトだ』



ホワイトと言うには少し匂いがキツすぎるのでシャワーを浴びらせることにした。

『よし、脱がすぞ』

ホワイトにはダンジョンを出る時に着せたコートと元からの先住民みたいな服を着ている。


『よーし、次は』

着せたコートを脱がし終えて次は先住民みたいな服を脱がそうした。


『んー#$%&’$%&’`*』

服を脱がす動作をすると走って逃げやがった。


『おい!臭いんだよ』

仕方がないので無理やり捕まえてそのまま湯船に突っ込むことにした。


『捕まえた!』

『#$%&$#”%&#$%ンー!』


(ビシャアーん、ザバー)

無理やり湯船に突っ込んだ。

モアモアと水が焦茶色になっていく。


『よし』

『ンー』

湯船に突っ込んだら大人しくなった。それどころか自主的に服を脱ぎ始める。脱いだ服は要らなくなったのか湯船からポイと投げ捨ていた。


『はー何なんだよ、ま子供相手だ落ち着け』

ある程湯船で動いてくれたおかげで泥などは落ちてくれた。


『シャンプーでもするか』

湯船からホワイトを取り出し座らせる。さっきの暴れぷりとは打って違って落ち着いている。


『よし』

シャンプーで髪の毛を洗う。遠目からだと綺麗な白髪も近づくとフケとか泥とかがたくさんある。


『ンー』

シャンプーされて気持ちいのか鏡越しにホワイトの顔がふにゃけた顔になっていた。目をつぶって気持ちよさそうだ。


そのまま体も洗い始めるとあの運動能力の割に肋骨が透けて見えるレベルには痩せているし、若干腹も出ている。


風呂も上がらせてサイズの合わない服を着せてリビングに入れておく。

ついでにテレビでもつけるとホワイトはテレビに釘付けになったので放置して自分もシャワーも浴びて行った。



……シャワーから上がって……


リビングに行くとまだホワイトはテレビを見ている。

『アホ、アホ』

と思ったら急にテレビに向かって喋った。

定期的にテレビを見て喋るホワイトを見ながら僕はいつも通り今日の戦利品を眠気と闘いながら整理し始めた。

少し経って寝てしまった。




……数時間後……


『ンー$%#%#$#&%&$¥%%#%$#%……起きろ起きろ』

ホワイトの声と何かがのかっる感覚で目が覚めた。


『うお』

ホワイトが僕の体に馬乗りで叩きながら少しおかしな日本語で起こしてきた。


(ピンポンピンポン)

驚きで目が覚めるのと同時に玄関のベルがなっているのに気づいた。


起きてそのまま玄関の方へと歩いていく。


(ガチャ)

『誰ですか?』

晴れているようで眩しい


『あ、先輩やっと起きてくれた!私ですよ私、アキですよ』

目の前には僕よりも身長の高い黒髪の女性がいた。


『ああ、アキさんですか。どうしたんですか?』


『ひどいですよ。雄介さんは私のダンジョン攻略の先輩じゃないですか。呼び捨てでアキでいいですよ。それかアキちゃんで親近感出しても』

朝っぱらから元気が良さそうでうざい


『寝起きなんだ後にしてください』

朝から面倒な人が訪ねてきやがった。


『えー外暑いし、家入れてー。ん?何ですかこの子』


『え……』

今気づいた。ホワイトが自分の足にしがみ付いていた。


アキは少し動揺しながらも

『も、もしかして先輩の隠し子ですか?でもそれでもいいですよ。私子供好きですから、先輩と同じくらい』


『あ、いや、この子はそういうものじゃなくて。あー近衛帰れ!とにかく帰れ』

面倒くさいのでそのまま勢い良く扉を閉めた。



『あ、ひどいですよ!何でさっきより余所余所しいじゃないですかあー!

逃げないでください!(バン)説明してください!何なんですかそのメスガキ?(ベキ)開けてください!(ドン)』

アキが扉を叩き始めた。


『もー開けてくださいよ!……そうきますか。なら』


(ギシ、ベキ、ガッガガ)

扉が鳴らしてはいけない音を出し始めた。


『えい!』

(バーン)

扉が根本から取れた。


オワッタ (^ o ^ ) /










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る