第2話 明日の空色

 明日は晴れると、誰かが云います


 私は、なんとなく頷き返します



 晴れた明日は、どんな空?


 重い雲の残った、金色の朝空?

 雨雲の黒く陰った、ほこり色の曇り空?

 秋らしく晴れた、淡い藍染色の青空?



 ふる秋雨を眺めながら

 くる明日を思いながら


 わたしはまた、

 うとうとと船をこぐのです


 きっと誰かが云うからには、

 明日は晴れるのでしょう



 晴れた明日に、

 わたしは何をするのでしょう


 本を読むのも素敵です、

 図書室は、一番好きな場所だから

 勉強をするのも良いかもしれません、

 頭を使った後の疲労は、心地良いから

 微睡むのもうんと魅力的です、

 晴れた秋は、羽毛布団より穏やかだから


 きっと誰かが云うからには、

 明日は晴れるに違いないのです



 晴れる明日を思いながら

 揺れる想像を広げながら



 まだ、秋雨は降り続いているのです

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