始まりの魔法4

幼馴染で隣の家に住む真一が帰った後、オレは桃花に問いただした。

「とりあえず15年前の話から聞かせてもらおうか」


桃花はゆっくり話し始める。

「今なら信じてもらえるよね、話すよ。

前世と思ってもらっていいかな..15年前、兄貴あにきと私は双子の兄妹だったの、

兄貴はすっかり忘れてるけど、私たち恋人同士だったんだよ」


オレは疑問に思った、双子で恋人って変じゃないか?

でも別世界の話らしいしな...そんな事ってあるのかな、

思考にしばらく沈んでいると、桃花が再び語り出した。

「さっきも言ったけど、元の世界での兄貴の姿が真一なんだよ、

真一の正体は、兄貴の身体を乗っ取っとって守ってる私の元友達なんだ、

まあ友達って言っても人じゃないんだけど」

「あいつも記憶は失ってるようで寂しいし」


人じゃない友達、想像出来ない事が多すぎる別世界の話。

だが真一が今後のオレ達にとって重要な存在である事は分かった。

なので桃花に聞いてみる

「結局、真一に何を求めてるの」


桃花は迷わず答えた。

「兄貴には真一と入れ替わって元の姿に戻ってもらう、

そして記憶を取り戻してもらって恋人同士にもどる」


オレはとっさに思った、さっき真一に言った事と合ってない、

(魔法と魔力)の話は何処へ行ったんだろうと。

なので再び桃花に聞いてみた。

「あとさ、魔法と魔力で何するの」


桃花はしばらく考えてから言った

「兄貴と真一が元に戻ったら自然と魔法も魔力も戻るから、

その時一緒に考えようよ」


桃花の言葉に違和感を感じたが、あえてこれ以上は聞かないことにした。

真一と同じでオレにも頭の整理が必要だ。

とりあえず桃花を男の身体に変身させた。

「いっ!変身前は声を掛けてよ!」桃花がビックリしてた。


オレは考えていた、桃花はこの異常事態に対し変な意味で冷静すぎる。

疑う訳ではないがイマイチ信用も出来ないでいた。

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