始まりの魔法3
桃花は話し始めた。
女の子の姿のままなので、声は高く服のサイズも合ってない。
その姿に真一は落ち着かないが、お構いなしだ。
「まず私は厳密には貴方の幼馴染(田中正樹)とは別人なの」
真一は軽くうなずく。
桃花は続けて話す「15年前、この地球とは別の場所から来たんだ、」
真一は、真顔で目を見開き「は!」と言い返した。
桃花の中でオレ田中正樹も「は!」と同時に言っていた。
「まあその件は長くなるから、ひとまず覚えといてくれるだけでいいよ、で本題なんだけど」
真一もオレも15年前の話が気になるに決まってるし、
これが前置きの話なんて...もはや何を桃花が言い出すのか想像も出来なかった。
「真一の協力が必要なの、実は真一は双子の兄と同一人物みたいな存在なの。
真一の魂は私の友達で、真一の体は元々の兄の体なんだ」
真一はフリーズしていた、質問したくても何が解らないのかが分からない。
その様子を見て、流石に空気を読むのが苦手な桃花も言葉に詰まる。
オレは仕方なく桃花に問いかける。
「そもそも真一とオレをどうしたいんだ?
お前の話が真実か以前に目的が理解出来ない」
オレの問いに答える感じで桃花が再び真一に話し始めた。
「私が本来の姿で本来の力を使うには真一の協力が必要なんだ、
その本来の力を地球の言葉で言うと魔法と魔力が近いかな」
少し間を開けて真一が話した。
「協力出来ることはする、もちろん誰にも話さない、
今聞きたいことも沢山ある、でも..疲れたから帰らせて。」
本日の真一は終了した。
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